冬の道東を満喫する2泊3日王道観光モデルコース
2024年9月13日
ODAITO NEST 尾岱沼ネスト
-野付半島まで10分の個室ゲストハウスー
ユネスコの世界自然遺産に登録された知床は、雄大な自然や希少な野生動物など、知床でしか見られない景色などの魅力がたくさんあります。
日本人だけでなく海外の旅行客にも人気の道東の定番観光地ですね。
知床半島はオホーツク海に突出した半島で北海道東部の斜里郡斜里町(ウトロ)と目梨郡羅臼町にまたがっています。
北海道庁のページより引用
上の地図のように、斜里町のあるウトロ側と羅臼側は峠を挟んで離れています。
それぞれの場所にアクセスするためには知床峠を越える必要があるので思ったよりも移動に時間がかかります。
ウトロも羅臼も観光スポットが多いので、観光で行く時には同じ知床でも別ものとして考えて旅行プランを考えたほうがいいです!(特に冬季は知床峠は通行できないのでなおさらです)
なんとなく「知床 観光」と検索しても、こうした地理的な要素が考えられずただ観光地を並べたページも多いので、知床の観光の際はまずはこのことを頭に入れておいてください。
この記事は知床半島の左側、斜里町のウトロエリアで楽しめる観光スポットとアクティビティについて紹介します。
ウトロエリアだけでも見どころ満載なので、できれば知床は2泊ほどするとよいでしょう。
「知床五湖」は、知床の原生林の中にひっそりとたたずむ神秘的な5つの湖です。
知床連山を見渡すことができ、周囲にはヒグマやエゾシカ、エゾリスなど野生動物が多く生息していて知床の大自然を体験できます。
「知床五湖」の楽しみ方には2つの方法があります。
1つは遊歩道の入口から一湖の湖畔まで約800メートルを歩いて行ける「高架木道」です。
「高架木道」には電気柵が設けられているので、ヒグマの影響を受けずに安全に散策できます。
木道からでもこのように美しい知床連山を眺めることができるので、時間のない人は木道だけでもいいかもしれません。
また、一応5つある湖のうち1つだけ見ることができます。
もっと知床五個の自然を感じ、5つすべての湖を巡りたいという人は「地上遊歩道」を歩きましょう。
しかし知床は北海道で一番ヒグマが出没する場所です。
そのため、ヒグマの活動期に当たる5/10〜7/31の期間は、知床五湖登録引率者のガイドツアーへの参加が義務づけられています。
それ以外の期間は、現地で実施される有料のレクチャーを受けることで散策できます。
ガイドツアーに参考することで、知床五湖の自然について詳しく知ることができ、ただ歩道を歩くよりも間違いなく楽しいです。時間があればぜひ参加してほしいなと思います。
ガイドツアーのガイドさんはこちらのページから探すことができますが、個人的に三浦隆浩さんが自然にも詳しく話も面白いのでお気に入りです。
ウトロでピリカデリックという居酒屋もやっているので、昼はガイド、夜は飲みに行くというのも楽しいかもしれません。
ちなみに、知床五湖へは冬は一般人はアクセスすることができません!
そのため、冬に知床五湖に行きたいと思っている人はガイド会社が行っているツアーに参加し、湖の上を歩くという冬ならではの体験をしてみましょう。
冬は晴れることが多いので、雪に覆われた美しい景色と澄んだ空気を味わうことができるのは冬ならではです。
「知床五湖フィールドハウス」は、知床五湖の地上遊歩道入口にある施設です。
ここは観光スポットというよりも地上遊歩道を利用する人の申請書の受付、遊歩道を散策する際に必要なレクチャーを行っています。
レクチャーの受講時間は約10分で、ビデオでヒグマに出会わないためのポイント、出会ったときの心構えや対処法、散策する際のルールや注意点などが案内されます。
「知床五湖フィールドハウス」の隣には売店や休憩所を備えた「知床五湖パークサービスセンター」があります。
売店ではウトロのローカル企業が販売しているこけももの生どら焼きやこけももサイダーなどを販売しているので、お土産としていかがでしょうか(こけももとは高山植物でベリーのような味がします)。
「プユニ岬」は、斜里町ウトロから知床半島方向に約3.5キロ、知床五湖に向かう上り坂の途中にある岬です。
先に紹介した知床世界遺産センターへの途中でもあるので、ついでに立ち寄ってみましょう。
「プユニ岬」のビュースポットである見晴橋は、オホーツク海と海岸線、ウトロ港などの景色を一望できる展望地です。晴れている日には阿寒国立公園の山々まで見渡せます。
また、太陽がオホーツク海を真っ赤に染めながら沈む景色が美しく、夕日の名所として知られています。また冬にはオホーツク海で一番早く流氷が見れるスポットでもあります。
知床自然センターは、フィールドを知り、楽しむためのビジターセンターです。
登山やトレッキング、自然観察に役立つ最新情報の提供やNORTH FACEのグッズの販売、長靴や冬はスノーシューのレンタルも行っています。
また、MEGAスクリーン「KINETOKO」という小さな映画館もあり、知床の自然について深く知ることができる映像を見ることができます(有料です)。
知床の自然について知るのであれば知床世界遺産センターのほうが詳しく知れると思いましたが、企画展示があったりとエンタメ要素も強いので、次のフレペの滝に行くのであれば立ち寄ってみることをおすすめします。
「フレペの滝」は、知床自然センターから遊歩道を約20分歩くと到着する展望台から眺めることができる滝です。
知床連山に降った雨や雪どけ水が地下水となって、断崖の途中から流れ出し海へと落ちています。
季節が変わると違った姿を見ることができます。
年間を通して水量が多くなく、シトシトと流れ落ちる様子から乙女の涙とも呼ばれています。展望台からはオホーツク海にそそり立つ断崖絶壁や知床連山の景色も見渡せます。
冬にはスノーシューで遊歩道をハイキングすることができ、展望台からオホーツク海を埋め尽くす流氷の景色が楽しめます。
そして冬のフレペの滝は凍りつき、非常に美しい氷瀑になるので必見です。
国道334号線沿いにある「道の駅うとろ・シリエトロ」は、知床の玄関口に位置する知床観光の拠点です。漁師の番屋をイメージした建物の中には、観光案内コーナー、レストラン、売店などがあります。
知床観光の情報が充実しているのが特徴で、「北海道道の駅ランキング」の「地域や観光の情報提供が充実」部門で7年連続1位に輝いたことがある道の駅です。
また、レストランでは知床で水揚げされた鮭など海の幸を使った海鮮丼や定食などが味わえます!
道の駅うとろ・シリエトロに隣接する「知床世界遺産センター」は、知床の自然の素晴らしさと利用する際に守るべきルールやマナーを伝える施設です。
館内には、ヒグマやエゾシカなど知床に住む野生動物の実物大の写真やぬいぐるみ、ヒグマの爪痕などの模型が展示されていて知床の自然の雄大さを実感できます。
インフォメーションでは、スタッフが知床世界遺産の見どころを案内してくれるので、知床観光の際にはぜひ立ち寄りましょう。
サケ・マス水揚げ量で道内トップを誇る「ウトロ漁港」は、観光船が発着する港でもあります。
ウトロという地名は、アイヌ語の「ウトロチクシ」が語源で、「奇岩の多いところ」という意味で、「ゴジラ岩」や「オロンコ岩」などの奇岩が点在しています。
「ゴジラ岩」は、その名の通り高さ15メートルほどの怪獣ゴジラのような形をした岩です。
知床八景の一つに数えられる「オロンコ岩」は、ウトロ漁港の岬に突き出した高さおよそ60メートルの巨大な岩です。
オロンコ岩の頂上には展望台があり、階段で登るとウトロ漁港やゴジラ岩の美しい景色を見渡せます。
知床国設野営場の海側にある「夕陽台」は、その名の通り夕陽の名所です。
ウトロ漁港やオロンコ岩、その奥に広がるオホーツク海を赤く染めながら沈む夕陽の景色が美しいスポットです。
冬には流氷で埋め尽くされて真っ白な海が、夕陽に照らされて朱色に染まり知床でしか見られない絶景が楽しめます。
ウトロには日帰り温泉がないので、宿泊しない人で日帰り温泉に入りたい人はここに立ち寄るしかありません。
「ウトロ温泉夕陽台の湯」は、ウトロ漁港を見下ろす高台にある公営の日帰り温泉施設で、先に紹介した夕日台の近くにあります。
内湯と海に面した露天風呂がありますが、木々に囲まれているため残念ながら夕陽は見ることができません。
またサウナや水風呂もありません。
しかし、知床国設野営場や「夕陽台」の近くにあることから、キャンパーや観光客に人気です。
あまり広くないので繁忙期は混雑する可能性があります。
ウトロの中心から西に車で10分ほど、国道334号線沿いにある「オシンコシンの滝」は知床半島最大の滝です。
途中で流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれ、「日本の滝100選」にも選ばれています。
階段で滝の中ほどまでの高さまで登ると、正面で美しい滝の姿を見ることができます。季節によって違った姿を見せてくれるのも「オシンコシンの滝」の魅力です。
春から初夏にかけては雪どけ水で水量が増して迫力ある姿を、冬には流れを残したまま凍りつく様子が見られます。
冬は滝までの階段が凍結し、場合によっては積雪しているので滑りやすく危険です。無理をしないようにしましょう。
ちなみに、冬は道路を挟んで向かい側に流氷を見られ、バス停の標識と写真を撮ることができる映えスポットとしても人気です。
「カムイワッカ湯の滝」は、硫黄山を源とするカムイワッカ川にある一の滝から四の滝までの4つの滝を指します。
カムイワッカ川には温泉が流れており、川を登るにつれ水温が上がり、一番上流の四の滝では約35〜38℃も温度があります。
この「カムイワッカ湯の滝」を登るアクティビティができ、気軽に沢登りができます。
体験できるのは夏の期間のみで、申し込みと利用料金の支払いが必要となります。
手つかずの自然が多く残る知床半島は、車では行けない場所がたくさんあります。
そんな知床の自然を海上から楽しめるのが知床のクルーズ船です。
主なクルーズ会社とコースの特徴を以下の通りです。
特徴 | 運航期間 | ホームページ | |
知床観光船おーろら | カムイワッカの滝航路、ルシャ湾航路、秘境知床岬航路の3つのコースがあり、それぞれ所要時間と料金が異なります。
大型船の「おーろら」は揺れが少ないので安心です。 |
4月下旬~10月下旬までの毎日運航 | https://www.ms-aurora.com/shiretoko/prices/ |
知床クルーザー観光船ドルフィン | 知床岬クルーズ、ルシャ湾クルーズ、カムイワッカの滝クルーズの3つのコースがあります。クルーズ船を使用しているので、断崖絶壁の知覚や小さな入り江まで侵入でき、臨場感が味わえます。 | GW・6月~10月初旬 | https://shiretoko-kankosen.com/ |
ゴジラ岩観光 | 夏は知床半島ウトロクルーズ、ホエールバードウォッチングクルーズ、冬は流氷ウォーク、根室海峡クルーズと季節に合わせたアクティビティが用意されています。 | 4月下旬~10月下旬 | https://kamuiwakka.jp/ |
基本的にどの会社にも一番短いカムイワッカの滝まで行くコース、ルシャ湾まで行く中距離コース、そして知床半島の先端の知床岬まで行く長距離コースがあります。
空き状況や料金、コースなどで自分に合いそうなところを選ぶとよいかと思います。
知床観光船おーろらの様子はこちらの記事でご覧いただけます。
最後にウトロではありませんが、ウトロと羅臼の中間地点である知床峠を紹介します。
ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路(国道334号)は、雪の状況によりますが、11月初旬~4月下旬は通行止めとなるため、日本一開通期間が短い国道と言われています。
またこれらの時期以外でも路面凍結するような時期は早朝と夕方以降は通行止めになるなど、非常に過酷な道なのです。
この知床横断道路の中間地点で標高738メートルにあるのが「知床峠」です。
峠の展望台からは、真正面に羅臼岳、遠くには根室海峡と北方領土の国後島を眺めることができます。
上の写真は運良く天気がよかったときのものですが、知床峠は非常に天気が変わりやすいです。
また、真夏でも風が強いと非常に寒いので、防寒をして行くことをおすすめします。
斜里町ウトロは、知床の玄関口に位置する知床観光の拠点です。
まずは、「道の駅うとろ・シリエトロ」に隣接する「知床世界遺産センター」で知床の見どころをチェックしましょう。
もしウトロの反対側、羅臼に観光をするのであれば以下の記事を参考にしてみてください。