夏でも涼しい!道東エリア天気と服装で気をつけるべきことを在住者が解説
2024年6月26日
ODAITO NEST 尾岱沼ネスト
-野付半島まで10分の個室ゲストハウスー
本州と比べて涼しく梅雨がない北海道は、初夏から夏にかけてが観光のベストシーズンと言われています。
しかし!釧路・阿寒湖エリアは冬は寒いですがよく晴れるので、個人的には冬こそ来ていただきたいシーズンです。逆に、夏のシーズンはこのエリアは霧が発生し曇りがちなので涼しいですが、絶景や美しさを求めるには少し微妙な時期でもあります。
また、北海道旅行といえば札幌や小樽のような有名観光地に行く人が多いのですが、冬は雪の少ない釧路エリアに来ることを強くおすすめします。釧路の冬の日照時間は札幌の倍であり、積雪量は4分の1と非常に快適な時期です(釧路地方気象台HPより)。
ですので雪の白さと青空による美しい風景や、冬しかできないアクティビティを楽しんで欲しいと思います。
日本最大の湿原である釧路湿原。釧路川は、この釧路湿原の中を蛇行しながら緩やかに流れる川です。
途中にダムが無く、屈斜路湖の源流から海まで一気に川下りができることから、カヌー愛好家から聖地と言われています。
本州や札幌などの都市部から来た方にとって、釧路湿原の雄大さにはきっと驚くと思います。カヌーは水面と同じ高さで湿原を観察できるので、より自然を近く感じることができます。
夏に観光でカヌーに乗る人は多いのですが、一方で冬は非常に少ないので予約も取りやすくおすすめです。
冬は非常に寒いので「冬にカヌーに乗れるの?」と思う人もいるかもしれませんが、釧路川は冬でも完全に氷結することは少ないためカヌーを体験できます。
とはいえ、非常に寒い日には「蓮氷」と呼ばれる氷の塊が川を流れることもあるので、こうしたリスクを避けるために塘路湖という湖と釧路川の主流の間を流れる「アレキナイ川」という川を渡ることが多いです。
この川は流れがほぼなく転落のリスクの(よっぽどのことがなければ)ないので安心です。
しかも、冬は最盛期のような混雑はなく、川でほかの人とすれ違うこともないので、ゆったりとプライベート感覚で川下りを楽しめるおすすめのタイミング。
雪化粧した川岸や樹氷に覆われた木々を眺めながらのカヌー下りは、まさに雪と氷が作り出す別世界です。
冬の釧路はかなり気温が低くなるのですが、晴天が続くため気温ほど寒くは感じず、しっかりとダウンや手袋など防寒をしてのればそれほど寒さを感じることはありません。
川の水温より気温が低い日には、「気嵐(けあらし)」という霧が発生して、幻想的な景色が楽しめます。
また、釧路湿原や釧路川は、野鳥の越冬地になっているため、釧路湿原に生息するオジロワシやタンチョウなどの野鳥に出会えることも多く、野鳥観察が好きな人にもおすすめです。
また、エゾシカに出会える可能性も非常に高いです。
特に釧路を中心とする道東地域には多くのエゾシカがいるので、札幌などでは味わえない特別感を楽しむことができるので、釧路に来たらぜひ体験してほしいアクティビティです。
スノーシューは雪の降らない地域ではできないので、冬に釧路に来たらぜひトライしてみてほしいアクティビティです。
スノーシューという言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、雪の上を快適に歩けるようにサポートしてくれるアイテムです。通常、積もった雪の上を歩くとズボズボと足が沈み込んでしまいまともに歩けませんが、スノーシューをつけて歩くと、それほど沈み込まないで歩けるので快適なのです。
釧路はあまり雪が降らないので必要ないことが多いのですが、たまにしっかり雪が降った後や阿寒湖方面は積雪が深いことがあるので普通の靴では歩きづらいです。そんなときにスノーシューを履くと接地面が広く沈みこまないので、深く積もった雪の上もラクラクと歩くことができます。
スノーシューで歩くには特別な技術は必要ないので、初めての方でも、子どもから高齢者まで楽しめるので安心です。
スノーシューを持っているという人は少ないと思いますが、安心してください。例えば、釧路湿原の温根内ビジターセンターや阿寒湖畔エコミュージアムセンターでは借りることができます。なので、もしスノーシューを経験してみたいという人は問い合わせてみてください。
もし自然や動物などについて解説を聞きたいなら、ネイチャーガイドが周辺の自然を案内してくれるスノーシューツアーがおすすめです!もちろん費用はかかりますが、やはりただなんとなく歩くよりも、圧倒的に楽しいです。
雪の上は痕跡が残りやすいので、エゾシカやキタキツネ、ユキウサギなどの足跡や、エゾリスやエゾモモンガが木の葉や実を食べたカスなどのアニマルトラッキングが雪の上にたくさん見られ、これも楽しいです。
ネイチャーガイドに解説してもらうことで、そこを通った動物たちの姿を想像することができます。
北海道の冬のアクティビティで人気なのはワカサギ釣りですね。
湖の氷に穴を開けて釣る氷上ワカサギ釣りは、冬にしか体験できない特別なアウトドアレジャーで、釣り好きという人でなくとも、一度は体験してみたいと思うのではないでしょうか?
他の釣りと比べると、ワカサギ釣りは竿が短く力が必要ないので、子どもや女性、初心者でも手軽に体験できます。
こんな感じでテントの中で釣りをするので、真冬でもそれほど寒くはありません。
釧路エリアは塘路湖(レイクサイドとうろ)で、阿寒湖エリアで阿寒湖(あいすランド阿寒)でワカサギ釣りができます。
どちらも道具を全てレンタルできて、手ぶらでワカサギ釣りが楽しめます。また、釣り上げたワカサギ釣りをその場で天ぷらや唐揚げにして食べられるサービスもあり、非常に楽しい経験になるでしょう。
例年1月からワカサギ釣りができるようですが、最近は温暖化の影響で湖の凍結が遅くなっているので、念のため旅行前にワカサギ釣りができるか確認しておくことをおすすめします!
冬に釧路に来たら体験してほしいのがSL冬の湿原号の乗車です。
真っ白な釧路湿原の中を、力強く走る真っ黒なSL蒸気機関車「SL冬の湿原号」は、道東の冬の観光の風物詩です。
1月〜3月の期間、釧路駅と標茶駅の間の区間を往復する「SL冬の湿原号」は、貴重なSL蒸気機関車に実際に乗車できることから、鉄道ファン以外にも大人気です。
昭和15(1940)年に製造されたC11形蒸気機関車に引かれるのは、ニス塗りの重厚な壁と木枠のイスなどレトロな内装の5両の客車。
うち2両は片側にボックス席、反対側にカウンター席が設置された「たんちょうカー」、3両は石炭ストーブが置かれた「ストーブカー」です。往路は「たんちょうカー」、復路は「ストーブカー」と行きと帰りで違った雰囲気の旅が楽しめます。
乗車すると上りと下りでデザインが異なるオリジナルの乗車券がもらえて、釧路市や釧路町、標茶町、弟子屈町、鶴居村の対象の施設で提示すると、割引やドリンクサービスなどの特典がついています。
ただし、SLは非常に人気なので乗りたいと思ったらなるべく早めに予約することをおすすめします。
JR北海道のホームページから予約できるので、チケットの発売期間になったらアクセスして希望の日にちに空きがあるか確認してみましょう。
もしチケットが取れなくても落ち込まないでください!SLはその姿を見るだけでも絵になります。
撮影スポットはいくつかありますが、駅に近い場所だと、釧路駅や釧路川にかかる旭橋のたもと(このあたり)から煙を巻き上げながら走るSLを見ることができます。
周辺にはカメラを構えた人だかりができており、その姿を納めようとする人たちがたくさんいます。せっかくの冬の釧路、もし運航日と時間が合えばその姿をぜひ見てみてください。
釧路がある道東は、冬は晴れるぶん、非常に寒くなります。氷点下20℃を下回ることもありますが、そんなときこそ見ることができない気嵐や霧氷、蓮の葉氷、フロストフラワーなどの、神秘的な自然現象に出会えるかもしれません!
「気嵐(けあらし)」とは、冷え込んだ晴れた日に、空気の温度より川の水温が高いことで、水蒸気が発生して霧となる現象です。釧路や周辺の地域は霧が多く発生することで有名ですが、冬の気嵐は夏の霧とは違った情景を見せてくれて幻想的です。
「霧氷(むひょう)」は、霧や空気中の水蒸気が木の枝について凍る現象です。木に白い花が咲いたように見えます。「樹氷(じゅひょう)」とも言ったりしますが、冬でも特に冷え込む朝には、釧路川や阿寒湖から立ち上がる水蒸気で霧氷が見られるので早起きしてチェックしてみましょう。
「蓮の葉氷」は、その名の通り蓮の葉のように外側がめくれあがった形をした氷のことです。水面にできた氷が、波などで割れお互いにぶつかり合うことで、蓮の葉状になります。冷え込んで風のない日の朝には、釧路川の河口付近や釧路港で見ることができます。
そして、湖が氷で覆われる時期に、気温が低くなり、晴れた無風の日という条件が揃った時に見ることができる貴重な自然現象が「フロストフラワー」です。フロストフラワーは阿寒湖が非常に美しく有名ですが、釧路の塘路湖などの湖でも見れます。
雪が積もっていない氷結した湖面の上で、水蒸気が結晶となって凍って、まるで花のような形になります。
普通の観光客は見過ごしてしまうのですが、この時期はぜひ野生動物や野鳥にも注目してみてください!
自然が豊かで多くの野生動物や野鳥がたくさん棲む釧路・阿寒湖エリア。春から秋にかけては、森や林、藪の中に身を隠しているので、見つけることが難しいですが、白銀の世界となる冬は草木が枯れ果てているので動物や野鳥を見つけやすい季節なんです。
雪の上には、足跡などの痕跡を見つけることができます。
釧路・阿寒湖エリアで冬に出会える野生動物は、エゾシカやキタキツネ、エゾリスなど、野鳥では国の天然記念物に指定されているオジロワシやタンチョウ、シマフクロウなどです。シマフクロウは生息数が少ないのでなかなか見ることはできませんが、他の動物たちは意外と見かけることができます。
特別天然記念物のタンチョウを観察するなら冬なら釧路から車で30分ほどの場所にある鶴見台かタンチョウサンクチュアリに行きましょう。これらの場所では給餌をしているので、冬の間は高い確率でたくさんのタンチョウを見ることができます。
タンチョウが見られる場所は以下の記事でまとめているので、冬にタンチョウを見たい人は参考にしてみてください。
「釧路市丹頂鶴自然公園」や「阿寒国際ツルセンター」は施設で保護されているので、冬以外の季節に行くのがいいですね。
北海道といえば景色だけに目が行きがちですが、こうした動物にも注目してみると楽しいですよ!
冬に阿寒湖で花火が打ち上げられることをご存知でしょうか。
阿寒湖で開催される「阿寒湖氷上フェスティバルICE・愛す・阿寒 冬華美」は、例年4万人の観光客が集まる道東の冬の風物詩となっているイベントです。期間中、毎日阿寒湖の夜空に花火が打ち上げられます。
冬の阿寒湖は氷点下となり、空気中のチリなどが霜になって地面に落ちるため、澄み渡った空気です。そして、湖の上は真っ暗な夜空なので花火が綺麗に見えます。
2023年の開催は2月1日(火)〜3月19日(土)で、冬の阿寒湖ならではのイベントやアクティビティも用意されていました。最新の情報は公式ホームページで確認してみてください。
釧路・阿寒湖エリアには、四季それぞれに違った魅力があります。「冬の釧路、阿寒湖観光でやりたいこと」として、冬しか体験できないアクティビティや自然現象、イベントなどを紹介しました。
冬は、「勝手丼」や「炉端焼き」で食べる海産物や、アツアツの「釧路ラーメン」などのご当地グルメも美味しい季節です。ぜひ、冬の釧路・阿寒湖を楽しんでください。