冬の釧路観光を最大限に楽しむためのおすすめスポットや体験を紹介します
2023年10月14日
ODAITO NEST 尾岱沼ネスト
-野付半島まで10分の個室ゲストハウスー
北海道で最も歴史のある国立公園の一つ「阿寒湖摩周国立公園」は、火山活動でできた山々と湖の美しい景色が特徴です。
そのなかでも、古くから湯治場として栄えた「川湯温泉」と日本最大のカルデラ湖「屈斜路湖」、神秘的の湖「摩周湖」は絶対に訪れてほしい場所です。
私は釧路に住んでいますが、このエリアが好きすぎで住みたいと思っていたくらいです。
それぞれのエリア間は車ですぐに行くことができますが、とにかく見どころが多いので意外と時間を要します。そのためなるべく余裕を見て周ることをおすすめします!
弟子屈町にある川湯温泉は、古くから湯治場として親しまれてきた温泉街です。今も噴煙を上げる硫黄山を源泉として、豊富な湯量を誇り温泉街には硫黄の香りが漂っています。
もちろん温泉街なので温泉を楽しむ場所なのですが、自然も豊富で美味しい食事どころもいくつかあります。温泉に入らないからといって素通りするにはもったいない場所です。
川湯ビジターセンターでは、阿寒摩周国立公園にある摩周湖や屈斜路周辺の自然や、そこに生息する動植物について知ることができます。
これから観光に行く場所の情報を知っておくと何となく写真を撮って終わり、ではなくその地について深く理解することでより充実した旅行になるでしょう。
また、川湯ビジターセンターの裏にはアカエゾマツ林があり散策するのも楽しいです。
ビジターセンターの職員の方が無料で解説してくれるガイドをやっているので、興味があれば聞いてみてください。
入館料は無料で、館内には川湯周辺に自生しているアカエゾマツの森や火山の仕組みについて解説している展示コーナー、2階には森を眺めながらくつろげる「Chip Hop Cafe(チップホップカフェ)」があります。
Chip Hop Caféで販売されている「ます焼き」というタイヤキのようなお菓子はサクサクした食感でとても美味しいのでぜひご賞味あれ。
川湯温泉といえば硫黄山は外せませんね。川湯温泉の温泉はこの硫黄山から来ているからです。
硫黄山は、今なお噴煙を吹き上げる活火山です。正式名は「アトサヌプリ」と言い、アイヌ語で「裸の山」という意味です。見ての通り山ですが植物がなくゴツゴツしています。
噴気孔のすぐ近くまで歩いて行くことができ、噴気孔からは勢いよく噴煙が吹きあがっています(近づくと熱いので注意!)。山肌のあちらこちらには硫黄の黄色い結晶が見られ非常に迫力があります。
駐車場の脇には、売店や喫茶コーナー、軽食コーナーを併設した「硫黄山レストハウス」があります。川湯温泉の源泉で蒸しあげた「温泉蒸したまご」が名物で、建物の中から硫黄山を眺めながら味わえます。
「つつじヶ原自然探勝路」は、硫黄山の麓から川湯温泉まで続く約2.5km、片道1時間ほどの散策路です。
探勝路の周辺は、硫黄山から出る火山ガスや酸性土壌という特殊な環境で、その中でも耐えられる「エゾイツツジ」が、約100ヘクタールにわたって群生する景色は圧巻!
このつつじが見られるのは6月ですので、時期に合わせて行ってみるとよいでしょう。
「オーチャードグラス」は、1936(昭和11)年に旧国鉄川湯温泉駅として建てられた駅舎を利用したカフェです。今は川湯温泉駅に隣接しています。
昭和天皇の貴賓室として使われたという店内は、落ち着いた雰囲気の中にも気品が感じられます。また、木造の造りやポスターによって非常に懐かしい気分になります。
人気メニューは、地元産の牛肉をつかったビーフシチューやハンバーグ、ハヤシライスです。
川湯温泉に来たならぜひ温泉に入りましょう。
川湯温泉の泉質はかなり特殊で、五寸釘を浸けておくと2週間ほどで溶かしてしまうほどの強酸性で、その分、高い美肌効果と殺菌効果があるといわれています。近くに住んでいる人曰く「家電製品が2年でダメになる」とか。
かなり酸性が強いのでアクセサリーは必ず外して入りましょう。また肌荒れや傷があると痛むので覚悟してください。
川湯温泉は観光客の減少で旅館やホテルもたくさん無くなっています。2023年の時点で日帰り温泉を利用できるのは以下の施設です。
川湯観光ホテル | 内湯、露天、サウナあり |
川湯温泉 KKRかわゆ | 内湯、露天のみ |
お宿 欣喜湯 | 内湯、露天のみ |
お宿欣喜湯 別邸 忍冬 | 内湯、露天、サウナあり |
ホテル開紘 | 地元の人が通う湯治湯。内湯のみ |
ホテルパークウェイ | 内湯、露天のみ |
これらのホテルもいつ閉業してしまうかわからないので、事前にホームページなどで情報を確認しておきましょう!
屈斜路湖は、日本最大のカルデラ湖で湖面面積は79.54平方キロあり山手線がすっぽりと入る大きさです。
透明度は非常に高く透き通った湖で、夏はキャンプや釣り、カヌーが楽しめます。冬は全面氷結するのでこれらのアクティビティはできませんが、白鳥が飛来し、雪に覆われた山々を見ることができ、冬ならではの絶景が見られるのでおすすめです。
川湯温泉からも車で10分ほどなので、阿寒湖や摩周湖にいく前にぜひ立ち寄ってみてください。
砂湯は定番の観光スポットですね。周辺にはスワンボートやモーターボート乗り場、レストハウス、キャンプ場などがあり人気の観光スポットです。
屈斜路湖は火山活動から生まれた湖のため、湖畔には温泉が吹き出している場所がたくさんあります。
「砂湯」は、波打ち際の砂を掘ると温泉が湧き出すことから、その名がつけられました。
こんな感じで砂を掘ると温かいお湯が出てくるので、手やレストハウスに置いてあるスコップで掘ってみると楽しいですよ。
冬は景色も大きく変わります。この時期は白鳥も飛来し、背景の藻琴山も積雪することで非常に美しい景色となります。
砂湯は年中楽しめる場所なので、時期を変えて訪れてみるのもおすすめです。
野湯好きな人は屈斜路湖はとても楽しめるでしょう。
屈斜路湖の周辺には、「池の湯」や「和琴半島露天風呂」など、無料で入浴できる露天風呂が点在しています。
なかでも秘湯といわれる「コタンの湯」は、湯面が屈斜路湖の水面とほぼ同じ高さで、まるで湖に使っているような解放感です。
屈斜路湖畔の野湯は基本的には混浴ですが男女別の脱衣所が設けられ、水着を着たりタオルを巻いて入浴できるので女性でも安心です。
屈斜路湖の南端に突き出した「和琴半島」は、火山活動によってできたため、地熱が高く、森に覆われた場所で、さまざまな草花が見られます。1周約2.5km、歩いて1時間くらいです。
途中「オヤコツ地獄」と地熱が吹き出している場所があり、地球のエネルギーを感じられます。
ここに上陸するにはカヌーガイドに頼む必要があるので、展望台から見るだけだと物足りない人はガイドと一緒に行ってみましょう。
夏には、日本北限に生息するミンミンゼミとして国の天然記念物に指定されている「和琴ミンミンゼミ」が鳴く声も聞かれます。多様な花や樹木が育成しており、こうした自然に興味がある人は散策してみると楽しいですよ。
ポンポン山はマイナーな場所であり存在を知っている人は少ないでしょう。屈斜路湖畔にある小さな山で、「第二硫黄山」ともいわれます。山の上で地面を踏むとポンポンと音が響くのが名前の由来です。
ポンポン山は地熱が発生しているため、冬でも雪が積もりません。極寒期でも、緑色のコケに覆われていて「マダラスズ」というコオロギの仲間が鳴いている珍しい場所です。
景色がいいわけではないですが、早い人なら往復1時間程度で登れ、独特な雰囲気を感じられる場所なので、時間がある人やリピーターは立ち寄ってみても良いでしょう。
美幌峠は屈斜路湖の周辺では最もメジャーな展望台です。
美幌峠へは屈斜路湖から車で20分ほどの場所にあり、標高525mの美幌峠展望台から、眼下に屈斜路湖や硫黄山を見渡せる絶景スポットです。
晴れていれば最高の景色を見られますが、夏は曇りやすいので天気予報をよく確認しましょう。
峠にある「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」は、国交省の北海道「道の駅」ランキングです。
「景観がきれい」や「再度訪れたい」道の駅部門で連続1位を獲得している人気の道の駅なので、こちらもついでに立ち寄ってみましょう。
津別峠展望台は、標高947mで屈斜路湖の周囲にある4つの峠(津別峠、美幌峠、藻琴峠、野上峠)の中では、最も標高が高い場所にあります。夏には屈斜路湖を覆う雲海が見られる可能性が高いことで最近有名になりました。
晴れた日の展望台からは、屈斜路湖や硫黄山、斜里岳、摩周岳、雌阿寒岳、雄阿寒岳、知床連山までの大パノラマが広がります。
なお、蛇行する峠道を進むことになるため、積雪する11月~5月は冬季通行止めとなり、展望台に行くことはできませんので要注意です。
「藻琴山 展望駐車公園」は、屈斜路湖の北に位置します。
標高460mに位置する駐車公園で、他の展望台とは違い藻琴山側から屈斜路湖を見渡せるので、また違った姿を楽しむことができます。
どの展望台からも美しい屈斜路湖を見ることができるので、お気に入りの場所を見つけてみても良いかもしれませんね。
摩周湖は、アイヌ語で「キンタン・カムイ・トー」と呼ばれる神秘の湖。キンタン・カムイ・トーとは、山の神の湖という意味です。世界で2番目に透明度が高く、深い青色の湖面は「摩周ブルー」と呼ばれています。摩周湖は第一展望台、第三展望台、裏摩周展望台のいずれかから見ることになります。
摩周湖を見るのであれば第一展望台が最もメジャーであり、レストハウスでお土産を購入することもできます。ただし、大型バスの団体も訪れるので、夏の繁忙期は人が多く混み合います。
2022年には「摩周湖カムイテラス」が新たにオープンして、オリジナルの摩周ブルーソフトや摩周霧ソフトを味わいながら、神秘的な摩周湖の景色を楽しめます。
ここではその美しい絶景から、星空観察会やフォトウエディングなども行われています。
第一展望台は他の展望台と違い冬も行けるので安心です。ただし、摩周湖までは坂道を登るため、冬季の路面凍結には注意してください。
「第三展望台」は、第一展望台より標高が高い位置にあるため、摩周湖のほぼ中央に浮かぶカムイシュ島を眼下に迫力ある景色が楽しめます。
駐車場は無料ですが、大型バスを停めることができないため、第一展望台と比べると訪れる人は少なく、静かに摩周湖の景色が楽しめます。なお、冬期間(11月上旬~4月中旬頃)は通行止めになります。
摩周湖を背に向けると、硫黄山や藻琴山を臨むことができます。こちらも忘れずに見ておきましょう。
個人的には第一よりも第三展望台のほうが断崖を望むことができ、北海道の絶景らしい風景を感じることができるので、おすすめです。
「裏摩周展望台」は、清里町と中標津町の町境に位置する展望台で、第一展望台や第三展望台の反対側から、摩周湖や摩周岳を眺めることができます。
3つの展望台の中では、一番標高が低い位置にあるため、摩周湖が霧に包まれている時にも、神秘的な湖面を見られる可能性が高いと言われています。
なお、裏摩周展望台の入口ゲートも冬期間は閉鎖されるので要注意です。
冬期間中は摩周第3展望台や裏摩周展望台への道路は通行止めとなるため、車で行くことはできませんが、第一展望台の登山口からスノーシューで摩周岳を少し進むと摩周湖の冬の絶景を見ることができます。
スノーシューを展望台にあるカムイテラスでレンタルしての個人で行くことも可能ですし、外輪山を巡るスノーシュー・スノートレッキングのツアーに参加することもでき、降り積もった雪が道なき道となり歩いて行けます。
吸い込まれそうなほどの青さが目に眩しい摩周湖を眼下に、木々の樹氷や野生動物の足跡、遠くにそびえる阿寒の山々や斜里岳など、豊かな自然はいつまでも飽きることはありません。
ほとんど坂はないので、スノーシューさえあれば問題なくこの絶景を見ることができます。
摩周湖から網走や知床方面に抜ける人は神の子池にも立ち寄ってみましょう。
「神の子池」は、摩周湖の近くの森にある周囲220m、深さ5mほどの小さな池です。
小さな池ですが、真っ青な池はなんとも不思議な雰囲気を醸し出しています。
神の湖「摩周湖」からの地下水が湧き出していると言われていることから「神の子池」と呼ばれているようです。
ここまでで観光スポットを紹介しましたが、自然豊かなこの地域をもっと堪能するのであればぜひアクティビティも体験してほしいなと思います。
夏は摩周岳や西別岳、藻琴岳の登山、屈斜路湖・釧路川でのカヌーやフィッシング、屈斜路湖畔のサイクリング、冬は斜路湖周辺や摩周湖周辺で絶景スノーシュートレッキングなどさまざまアクティビティが楽しめます。