夏でも涼しい!道東エリア天気と服装で気をつけるべきことを在住者が解説
2024年6月26日
ODAITO NEST 尾岱沼ネスト
-野付半島まで10分の個室ゲストハウスー
秋の北海道は閑散期と言われており、夏に比べると大きく観光客が減少してしまう時期です。
しかし、秋の道東は霧の日が多い夏とは違い、晴れた日が続きとても気持ちよく、紅葉やグルメイベントが毎週のように開催されるので、この時期に来ないのはあまりにももったいないです!
筆者が住む尾岱沼(おだいとう)という地域は、知床や根室へのアクセスも良いため、秋を満喫するにはもってこいの場所でもあります。
この記事は、一般的な観光地は紹介せず、秋だからこそ楽しめる内容だけを紹介しています。
その他の観光スポットはそれぞれのエリアごとで紹介しているリンクを参考にしてください。
道内、道外の方問わず、道東に来る人はぜひこの記事を見て、秋の道東旅を計画してみてください。
日本が誇る世界自然遺産の知床半島。
四季折々の美しさで世界中を魅了する知床半島の中で、とりわけ思いを深くさせてくれるのが秋です。
その荘厳さは北へ行くほど鮮烈さを増します。
積雪とのコラボレーションも珍しくない知床人気ナンバーワンの紅葉スポット、知床五湖を紹介します。
知床半島北東部に、神様が5本の指を突いたかのように点在している知床五湖。今さら説明の余地のないほどの観光メッカとして春の開園シーズンから多くの人で賑わいます。
四季折々の美しさがあるのはもちろんですが、秋の紅葉シーズンの美しさはこの世の物とは思えないほどです。
降り注ぐようなイタヤカエデやハウチワカエデ、ナナカマドなどの紅葉が湖面に映り、黄金色のカシワやミズナラがグラデーションのように饗宴します。
シーズンは9月下旬から10月中旬にかけてがピーク。北海道特有の乾いた青い空とのコントラスト、積雪とのコラボレーションを楽しめることもしばしばです。
ルートは往復1.6㎞の高架木道と野生動物目線でたっぷり3㎞歩く地上遊歩道の2種類。
電気柵を張り巡らされた高架木道は野生動物との遭遇もなく安心安全、高いところから一望できるため湖面に映る紅葉、あるいは知床連山の積雪がワンフレームに収まるパノラマを堪能できます。
一方の遊歩道は野生動物目線での散策。事前レクチャーが必要で、ヒグマ活動期には有料ガイド付きのツアーとなります。体力と時間に応じて選択するのがよいでしょう。
知床半島へは斜里町ウトロからのルートが一般的であり、羅臼へは日本一開通期間の短い国道334号の知床横断道路を経なければなりません。
その横断道路の頂点となる知床峠からの紅葉の美しさは誰もが知るところでしょう。
幻の湖といわれる羅臼湖に映る紅葉と合わせて堪能したいところです。
知床峠は知床八景のうちのひとつとして多くの観光客を集める人気スポットです。
斜里町ウトロと羅臼を結ぶ知床横断道路の頂点、標高738メートルの地点に位置し、シーズンともなると駐車場が満杯になるほどの賑わいを見せます。
峠から一望する紅葉は圧巻です。天気がよければ青空とのコントラストはもちろん、北方領土までがワンフレームに収まる大パノラマを堪能できます。
10月初旬から中旬にかけて見頃を迎える紅葉はハウチワカエデやナナカマドなどの鮮やかな紅色が特徴。
色彩の鮮明さと眺望のよさでは群を抜いた紅葉スポットです。
知床半島の中央にある知西別岳(ちにしべつだけ・標高1,317m)の麓、標高740mの地点に位置する羅臼湖。
熊の棲む森に囲まれ、かつては地元民でさえ近づかない幻の湖と呼ばれていましたが、ルートが整備され、4つの沼を巡りながらのトレッキングが可能になりました。
9月下旬から10月下旬の紅葉シーズンは、色鮮やかなナナカマドやハウチワカエデが迎えてくれます。
往復約6㎞のトレッキングは変化に富んだ原始の森の散策。知床が世界遺産登録された独自の生態系を観察しながら降り注ぐ紅葉のシャワーを浴びながら歩きます。
見どころは三の沼に映る逆さ羅臼と羅臼湖周辺の湿原の草紅葉。特に羅臼湖に映る青空と紅葉、金色に染まる湿原の草紅葉の饗宴は天上界を思わせる神々しさです。
観光スポットとしての人気では知床五湖に及びませんが、手軽に知床の秘境ムードを満喫できるトレッキングスポットとしてリピーターの多さでは圧倒的な人気を誇ります。
羅臼湖トレッキングは道がぬかるんでいるため長靴が必須です。持参するか知床羅臼ビジターセンターでレンタルをしましょう。
知床のその他の観光地については、以下の記事を参考にしてください。
網走周辺で秋を感じるのであれば、能取湖(のとろこ)がおすすめ。能取湖は、オホーツク海とつながっている海水の湖です。
ホタテやサケマス、ホッカイエビやカレイ漁が盛んで、春から初夏にかけてはアサリの潮干狩りで多くの人が訪れます。
湖畔には、サンゴ草と呼ばれるアッケシソウの群落地があり、秋には紅葉したサンゴ草で真っ赤に染まり、非常に美しい景色が見られます。
周辺にはこのようなサンゴ草が生息している場所はいくつかあるのですが、能取湖のサンゴ草は日本最大規模なので秋に訪れる際はぜひ訪れてほしいスポットです。
サンゴ草は9月の初め頃から色づき、9月いっぱいは見頃となります。
網走のその他の観光地については、以下の記事を参考にしてください。
野付・標津エリアの秋は「食欲の秋」
いくら丼を無料で食べられる「しべつあきあじまつり」はじめ、酪農王国別海町の産業まつりなど、食のイベントが目白押しです。
遠方からでも駆けつけたくなる太っ腹企画満載の、秋の野付・標津エリアのイベントをご紹介します。
※不漁のときはイベントが中止になることもあるので事前に確認してください
直木賞作家の河崎秋子もかつてこの地で家業の牛飼いを手伝いながら執筆していたという別海町。
酪農の町として有名ですが、野付半島の北海シマエビを始め尾岱沼のアキアジ・アサリなど海産物の宝庫でもあります。
そんな海の幸・山の幸に恵まれた食材王国の収穫祭が行われるのが、9月の第3土曜日と日曜日、北海道東部がちょうど紅葉シーズンに突入する頃です。
アキアジの串焼きや別海町のご当地グルメ「別海ジャンボホタテバーガー」も登場、さらに友好都市の大阪府枚方市も参加します。
「馬事競技大会」という帯広のばんえい競馬のような馬のレースや郷土芸能太鼓演奏会、その他ステージイベントも盛りだくさんの内容。
子供から大人まで楽しめる充実の二日間です。
別海町の秋の収穫を祝う、もう一つのイベントが西別川あきあじまつりです。
10月第2日曜日に別海新港の特設会場にて開催されます。
西別鮭の即売会のほか、鮭に関する催し盛りだくさんでバラエティーに富んだ鮭メニューを堪能できる鮭づくしのイベントです。
別海でも尾岱沼でもなく、なぜ西別川なのかというと、江戸時代に第11代将軍徳川家斉に献上されて以降、幕末までその栄誉を授かったという「西別鮭」の歴史に由来します。
徳川将軍を虜にしたという西別鮭を心ゆくまで味わえるイベントが「西別川あきあじまつり」です。
サケ販売コーナーでは塩漬けや生の西別鮭の販売、さらにサケ料理コーナーでは「あきあじ鍋」や「あきあじ切り身の串焼き」、「チャンチャン焼き」などが振舞われます。また、水槽に入った鮭を釣り上げる「西別川サケ釣り大会」に「サーモンダービー」、「あきあじ掴みどり」や「女性尻相撲大会」など、豪快なイベントで毎年大盛況のお祭りです。
※2024年は鮭の不漁により中止となりました
「しべつあきあじまつり」は日本有数の太っ腹祭りとして有名です。今やすっかり高級料理となった「いくら丼」が無料で食べられます。
普段から標津町民に鮭やホタテを無料配布したり、学校給食にも「いくら丼」を出すくらいに海産物豊富で太っ腹なので、これくらいはどうってことないのかもしれません。
資源のある所にはあるんでしょうが、それを気前よく振舞う標津町民の心意気に打たれます。遠方からでも駆けつける意義が大いにあるお祭りです。
開催は例年9月下旬の日曜日、標津サーモンパークで行われます。
無料のいくら丼は、午前に2回、1000食以上提供されます。もちろん大行列になるので早めに行って並びましょう。
その他、新鮮な鮭をそのまま串焼きにした焼き物「鮭の白子ザンギ」と「鮭の肝焼き」や鮭節で出汁を取り鮭醤油で味付けした「鮭そば」など豊富な鮭メニューでのおもてなしでリピーター続出の祭りです。
いずれも早く売り切れてしまうので、標津の鮭を楽しみたい方は早い時間に行くことをおすすめします。
野付半島周辺の一般的な観光スポットは以下を参考にしてください。
食欲の秋を代表する魚といえば「さんま」を思い浮かべる方が多いでしょう。
さんまの水揚げ日本一を誇る根室市が毎年秋に開催するのが「根室さんま祭り」です。
2024年度の開催日は10月5〜6日に決定しました。
トレイと箸を購入するだけで根室特有の脂ののったトロさんまが食べ放題という豪快な企画は毎年恒例。
「さんま節ラーメン」や「刀汁(さんまのつみれ汁)」など、浜の母ちゃん自慢の絶品さんま料理も堪能できます。
さらに根室のトロさんまの箱売り即売会もあり、まさにさんま尽くしの一日を楽しめる秋の根室のビッグイベントです。
ちょうど北海道東部が紅葉シーズンたけなわの頃、遠方から紅葉狩りにいらした方も足を運んでみてはいかがでしょう。
さんまに特化した「さんま祭り」とは、ひと味違う「根室産業まつり」は根室市の新鮮な海産物に農畜産品、加工品など、地場産の商品を一堂に集めたイベントです。
コロナ禍で一時休催を余儀なくされていましたが、2023年は9月10日に開催され特産品販売や潮干狩りに2700人もの人が集まり大盛況でした。
今のところ知名度という点で「さんま祭り」に後れを取っていますが、秘密基地のような穴場感をそそってじっくり堪能できる楽しみがあります。食材が多岐にわたるため、そのうち追い越してしまうかも知れません。
2024年度は9月8日の開催となります。
バーベキューコーナーでは、炭付きの焼き台を貸出してくれるので購入した食材をその場で焼いて堪能できます。
生ビールはもちろん、根室が誇る地酒「北の勝」も提供され、お子様向けの潮干狩りや玉入れ大会などのアクティビティも盛りだくさんです。
根室のすべてを楽しめる「根室産業まつり」どうぞ、日本でいちばん最初に太陽が昇る街で育まれた魚介類や農畜産物、そして地酒を心ゆくまでご堪能ください。
根室の観光スポットについては以下を参考にしてみてください。
ここまでの東側の海岸線エリアとは打って変わって、阿寒摩周国立公園は山々に囲まれているため美しい紅葉を楽しむことができます。
阿寒湖周辺の紅葉シーズンは9月下旬から10月下旬に見頃を迎えます。
深い原生林が錦繍に染まるさまは、手つかずの無垢がいかに素晴らしいかを再認識させてくれます。
阿寒湖周辺で随一の紅葉スポットとして知られる「滝見橋」は、例年10月初旬〜中旬にかけて紅葉の見頃を迎えます。
まりも国道の愛称で親しまれる国道240号線を温泉街から東へ5分ほどの所に位置し、清流と紅葉のコラボが絶妙な撮影スポットとして多くのカメラマンが立ち寄るスポットです。
橋の正面に見える滝は太郎湖を源流とする川の流れ、そこへ阿寒湖を源流とする阿寒川の流れが合流し、透明度の高い清らかな水が紅葉の木漏れ日を受けてキラキラと輝きます。
紅く染まった樹々の間から覗く川の流れはまるで日本庭園のパンフレット画像そのもの。うっとりといつまでも眺めていたくなります。特にイロハモミジやイタヤカエデ・カツラなどの黄紅葉と滝とのツーショットは圧巻です。
阿寒湖のその他の観光スポットは以下を参考にしてください。
屈斜路湖の南部に位置する和琴半島は、10月になるとナナカマドやヤマウルシ、カエデがいっせいに色づき、鮮やかな紅葉を楽しめる道東屈指の紅葉スポットです。
シーズンになると和琴半島の散策路は紅葉のトンネルとなり、また傍らにはコバルトブルーの湖面に映る紅葉を楽しめます。
半島の先端には、オヤコツ地獄という噴煙の沸き立つスポットがあります。
なお、和琴半島の裏側には陸上からアプローチできないため、カヌーツアーを利用しなければなりません。
カヌーツアーは一艇につき1人のガイドが付き、和琴半島の魅力を余すことなく丁寧に解説してくれます。
周辺の観光スポットについては以下の記事で紹介しています。
厚岸・浜中の秋は紅葉よりも食欲の秋。
誰もが舌鼓を打つ厚岸の牡蠣が旬を迎え、霧多布の海産物が脂ののった身を持て余す季節です。
厚岸・浜中エリアの秋を満喫する食のイベント「あっけし牡蠣まつり」「きりたっぷ岬まつり」をご紹介します。
厚岸といえば牡蠣ですね。春と秋の年に2回、行われるようになった厚岸の牡蠣まつり。
「桜・牡蠣まつり」に続いて、晩秋に旬を迎える「あっけし牡蠣まつり」は、2024年度の開催は11月16〜17日に決定しました。
会場では、新鮮な牡蠣やアサリ・ホタテ・ホッキ・サンマ・花咲ガニなどの販売はもちろん、焼き台の貸出もあり、その場で海鮮バーベキューを楽しむことができます。
また、「牡蠣のつかみどり」や「アサリのつかみどり」などお子様が楽しめるアクティビティイベントも盛りだくさん。新鮮な海産物をお腹いっぱい食べられて、子供もめいっぱい楽しめるイベントです。
「きりたっぷ岬まつり」は、毎年9月上旬〜中旬に浜中町総合文化センターで開催される浜中町の特産物を総動員したグルメイベントです。2024年は9月8日の開催となりました。
会場内に軒を並べる露店では、ウニや牡蠣などの海産物はもちろん、ハーゲンダッツの原料にもなっている良質な牛乳を活かした乳製品や、浜中産ホエイ豚商品など、浜中町の多くの特産品が特価販売されています。
また、「さんまのつかみ取り」に「生牡蠣のつかみ取り」、「最高級養殖ウニの殻むき」など来場者参加の催しも盛りだくさんです。
さらに、歌謡ショーなどのステージイベント、湯沸岬灯台の特別開放による内部観覧などもあり、充実した一日を過ごせます。岬からラッコを見られたら、もう言うことのない至福の一日となることでしょう。
見て、体験して食べて、浜中のすべてを堪能できる秋のビッグイベントです。
絶景の多い厚岸と浜中については見どころが多いので、以下の記事も参考にしてみてください。
本州では9月はまだまだ残暑が続きますが、道東は朝は一桁になる日もあります。
日中は晴れて暑くても夕方からは一気に寒くなるので、必ず羽織るものを持っていくことをおすすめします。
10月や11月に行く場合はもう本州の冬の気温となるので、しっかりと防寒をするようにしましょう。
以下の記事では月ごとにどのような服装を用意していけばいいかを詳しく紹介しています。ぜひ秋の道東観光の参考にしてください。