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1泊2日で制覇!羅臼のおすすめ観光モデルコースを紹介します

熊の湯

 知床半島の東側に位置する羅臼町は、雄大な自然の中に息づく野生動物と、そこに生きる人々の暮らしが共存する神秘的な場所です。

豊富な海の幸や季節が織りなす絶景など、見どころがたくさんあるため、ゆっくりと見て回るのがおすすめですが、旅の計画に悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、道東エリアの中でも特に人気の高い知床羅臼をピンポイントに、1泊2日で楽しめるモデルコースを考えてみました。

そこで今回は、道東エリアの中でも特に人気の高い知床羅臼をピンポイントに、1泊2日で楽しめるモデルコースを考えてみました。

やや詰め込み気味なので、のんびり周りたい方は気になるところだけでも立ち寄ってみるといいでしょう。

羅臼観光を計画中の場合は、ぜひ当モデルコースを参考にしてみてください。

【1日目】12:00「豊富な海の幸に思わず目移り!知床食堂で昼食」

羅臼の海味 知床食堂

道の駅知床らうす深層館1F・2Fにある知床食堂は、目の前の海で獲れた新鮮な魚介類を、刺身や海鮮丼、焼き、煮つけなどで提供しています。

ウニやいくら、サーモン、イカなど北海道ならではの味もおすすめなのですが、せっかく日本の最北東端知床まで来たのなら、ここでしか食べられない味に出会ってみるのはいかがでしょうか。

たとえば、水深236m~3,200mに生息している深海魚・イラコアナゴを、甘辛いタレでかば焼きにして提供している黒ハモ丼。ふわふわとした身としっかりと脂がのっていながら意外とあっさり食べられる味で、多いときは1日100食も売れる人気商品です。

続いてもう一品は、羅臼昆布羅~メン。

羅臼の海味 知床食堂

その名のとおり、羅臼の海の恵み羅臼昆布をふんだんに使っており、麺に昆布が練り込まれている他、スープにも昆布と鮭節、昆布塩を使い、とろろ昆布と刻み昆布のトッピングがされていて羅臼昆布の旨みを思う存分味わえます。

知床食堂は道路を挟んだ向こう側が海となっており、店内からは雄大なオホーツク海や海上を飛び交う鳥が眺められ、天気がよい日には奥に国後島まで見られます。

おいしい食事と美しい景色が楽しめる知床食堂で腹ごしらえをして、羅臼の旅をスタートさせましょう。

住所 北海道目梨郡羅臼町本町361-1(道の駅深層館1F・2F)
電話番号 0153-87-4460
営業時間 ・5月上旬~10月下旬
8:00~19:00(ラストオーダー 18:30)・11月初旬〜4月下旬
8:00~17:00(ラストオーダー 16:30)
駐車場 道の駅知床らうす利用(無料)
席数 100席
支払い方法 クレジットカード(JCB/VISA/AMEX/mastercard)、QRコード決済(PayPay、メルPay)の利用が可能
メニューと料金(一部)
  • 黒ハモ丼1,500円
  • 羅臼昆布羅~メン900円
  • ホッケ焼き定食2,300円
  • いくら丼2,400円
  • イバラガニカレー1,200円
  • 鹿肉丼1,000円など
公式サイト・SNS 知床食堂

13:00「日本で最後に花見ができるスポット!西向山誠諦寺」

道の駅知床らうすで腹ごしらえが終わったら、道の駅の裏の通りにある誠諦寺に足を運びましょう。徒歩で5分、車なら2分の距離です。

西向山誠諦寺は浄土真宗東本願寺末寺の寺院で、明治28年創立と歴史がある建物。

特に春は桜の名所として知られ、5月下旬になると推定樹齢130年以上のエゾヤマザクラが咲きます。日本一遅咲きの桜として知られる根室の開花から2~3日経っての開花のため、日本一遅咲きのエゾヤマザクラと呼ばれていますよ。

夜間はライトアップされ、昼間とは違った幻想的な雰囲気が地元の方だけではなく観光客からも人気。

なお、見どころは春だけではなく、夏は境内に提灯が並び、秋は紅葉が美しく彩りを添えます。

季節を問わず、ぜひ訪れてみてください。

住所 北海道目梨郡羅臼町本町56
電話番号 0153-87-2020
駐車場 あり(無料)

13:20「日本でここだけのシャチ守!羅臼神社」

西向山誠諦寺より徒歩13分、車で3分の距離にあります。英嶺山のふもと、羅臼港を見下ろす丘に建っていますが、周辺が民家のためややわかりにくい場所にあるので注意してください。

安政年間(1855~1860年)に創立された羅臼で唯一の神社で、現在の社殿は昭和50年に造営されたもの。春は桜が咲き、毎年7月に行われる例大祭の時期は、境内のツツジが見ごろを迎えます。

また、シャチ守(幸守)という一風変わったお守りが手に入る神社として、近年注目を集めています。シャチ守は海洋生態系の頂点であるシャチにあやかり、その力強さや荒波を乗り越えて幸せを勝ち取る祈願が込められたものになります。

羅臼は、日本で唯一、野生のシャチが見られる場所として知られていますが、自然が相手のため遭遇率は100%ではありません。観光船を予約している観光客の中には、シャチと会えるようにと願掛けに訪れる人もいます。

シャチ守や御朱印は、駐車場正面の社務所にて対応してもらえます。

住所 北海道目梨郡羅臼町栄町127番地1
電話番号 0153-87-2225
駐車場 あり(無料)
シャチ守頒布価格 800円
御朱印受付時間 07:00~19:00/書き置き御朱印(5~8月限定)は初穂料500円
公式サイトやSNS Instagram

13:55「知床八景のひとつ!絶景のドライブコースの最頂部・知床峠」

知床峠

羅臼神社から知床横断道路(国道334号線)をウトロ方面に向かうと、車で24分で着きます。標高は738mあり、世界自然遺産に認定された知床半島のほぼ中央に位置します。

駐車場を降りると正面には知床連山最高峰の羅臼岳(標高1,661m)が鎮座し、眼下には樹海が広がります。樹海の向こうに根室海峡を望み、天気がよい日にはその先に国後島の姿が見えることも。山と海の大自然が同時に見渡せる大パノラマとなっています。

新緑の春、深緑の夏、紅葉の秋と、訪れる季節によって異なった景色を楽しめますが、知床峠に通じる知床横断道路は冬期間の通行ができないので注意してください。

住所 北海道羅臼町
電話番号 0153-87-2126(羅臼町産業創生課)
営業期間 4月下旬~11月初旬
駐車場 70台(無料)
施設 24時間トイレ

14:40「自然に触れる前に必ず訪れておきたい場所!知床羅臼ビジターセンター」

知床羅臼ビジターセンター

知床峠から来た道を羅臼町方面へと戻り、車で18分走ると到着します。

知床羅臼ビジターセンターは環境庁が設置している施設で、知床の自然や文化、歴史などさまざまな情報の提供を行っています。

次に訪れる熊越の滝までの詳しい地図がもらえ、スタッフからはトレッキングに際しての注意点などが聞けるので、必ず立ち寄るようにしましょう。

館内には中央に迫力あるシャチの骨格標本を始め、ヒグマやエゾシカの剥製、シマフクロウの標本などが展示されており、レクチャールームでは無料の映像が楽しめます。

知床羅臼ビジターセンター

売店ではヒグマ避けの鈴やスプレー、ボトルや帽子、バッグなどのアウトドア用品、ポストカードなどのグッズが販売されています。

また、裏手から徒歩5分の場所には、最大8mの高さまで上がる間欠泉があります。噴き出し予想時刻が知床羅臼ビジターセンターに掲示されているので、併せてご覧になる場合は確認しておきましょう。

住所 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町6-27
電話番号 0153-87-2828
開館時間 9:00~17:00(11~4月は10:00~16:00)
駐車場 大型バス4台、普通車30台
入館料 無料
トイレ あり(無料)
公式サイト・SNS 知床羅臼ビジターセンターX

15:30「羅臼の自然を体感!トレッキングで向かう熊越の滝」

熊越の滝は知床羅臼ビジターセンターから車で1分の場所にある熊の湯駐車場に車を止め、そこから徒歩20分、400mほどのトレッキングコースを歩いて向かいます。

熊の湯温泉駐車場は、知床羅臼ビジターセンターから車で1分の場所にあります。道路沿いに10台停められる無料の駐車帯がありますが、峠道で傾斜がきつくなっているので、車を停めるときは注意してください。

熊越の滝

熊の湯駐車場から徒歩20分、400mほどの遊歩道を歩いて向かいます。

木々が生い茂り、草花が咲く道は倒木があったり、小さな川が流れていたりするので、スニーカーなど汚れてもよい歩きやすい服装で向かうことをおすすめします。

熊越の滝

中間地点の看板(熊越の滝まで0.2㎞)は分岐になっていて、右に進むと展望台に着きます。展望台からは少し遠目に熊越の滝を横から見る形になるので、間近で見るなら左へ進むとよいでしょう。

木製の階段を下りると滝の下に到着します。

熊越の滝

落差15mで水量が多いため、とても迫力があります。ただし、夏は木が生い茂っているため少し見えづらいというデメリットも。

熊越の滝は、羅臼の漁師がヒグマの母子を追って滝まで来たところ、母熊が小熊を滝の下から押し上げて滝を越えて逃がそうとした様子を見て打つのをやめ、それ以来羅臼の熊は人を襲わなくなったという話が由来となっていますが、近年は羅臼に限らずヒグマの目撃情報が相次いでいますし、人を襲う事件が後を絶ちません。

熊避けのスプレーや鈴を必ず携帯して、トレッキングを行うようにしてください。

16:00「羅臼川を望む秘湯で解放感と自然を満喫!熊の湯」

熊の湯

熊越の滝から熊の湯までは、徒歩15分の距離。熊越の滝への行きのルートを舞い戻ると見えてきます。

熊の湯は元々、羅臼の漁師が冷えた体を温めるために利用していたものですが、現在は知床峠を越えるライダーや観光客などが、野趣あふれる温泉を楽しみにやってきます。

熊の湯

眼下に羅臼川が見える露天の男湯は女性の入浴も可能ですが、混浴や人目に付くのがNGという女性は多いですよね。

熊の湯駐車場から「いで湯橋」を渡ってすぐに見える女湯は、脱衣所や浴槽が板壁で囲まれておりドアもついています。景色は見えませんが、浴槽には屋根がないので空が見えて開放的です。

なお、入浴は無料で行えますが、地元の方がボランティアで清掃や維持管理を行っています。寄付金箱が設置してあるので、心付けを置いていくようにしましょう。

住所 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町
電話番号 0153-87-2126(羅臼町産業創生課)
営業日と営業時間 通年営業で24時間入浴可能(ただし3:00~7:00は、清掃を行っているタイミングでは入れません)

17:15「羅臼の幸をイタリアンやフレンチのコースでいただく!知床サライ」

熊の湯から車で6分、羅臼の中心地から近い場所にあるゲストハウスです。

秘境ツアーを手がける西遊旅行が2018年に開業しており、これまでの羅臼の宿とは一線を画しています。

夕食は知床の食材を使った洋食がメイン(連泊の場合は2日目に和食)となっていて、内容は季節などによって変わりますが、地魚のカルパッチョや鹿肉のロースト、自家製パスタ、昆布の素揚げなど、羅臼を中心とした地元の食材を生かしたメニューとなっています。

部屋は機能性重視でシンプルながら、晴れている日には国後島が望める抜群のロケーション。

ヒグマの観察、シャチクルーズ、羅臼湖へのハイキングなど、宿泊予約と併せて現地ツアーの申し込みが可能です。

ゲストハウスのため温泉施設はなく、部屋には冷蔵庫やテレビがない点に注意してください。

住所 北海道目梨郡羅臼町礼文町41−5
電話番号 0153-85-8800
駐車場 あり(無料)
公式サイト・SNS 知床サライInstagram

【2日目】5:00~6:00「羅臼港のかなた国後島から昇る朝日を見に行こう!羅臼国後展望台」

羅臼国後展望塔

知床サライから車で6分、市街地を抜けた高台にあります。市街地を眼下に望む海抜167mの場所にあるので、天気がよい日は羅臼港や根室海峡、その彼方の国後島が見渡せます。

羅臼国後展望台

羅臼きっての日の出スポットとして知られており、国後島の向こうから昇ってくる朝日が徐々に空をオレンジ色に染め、やがて羅臼港や市街地を照らす様は絶景です。

仮に朝日が見られなくても、ここでしか見られない景色がありますのでぜひ行ってみることをおすすめします。

朝日を見に行く時間帯は、展望台に併設されている施設は閉まっていますが、屋上の展望ルーフは開放されています。

なお、冬期間はバスでの運行が不可となっています。車で行く場合も、羅臼国後展望台までの道路は急こう配になっているので、早朝の運転はくれぐれも注意してください。

住所 北海道目梨郡羅臼町礼文町32-1
電話番号 0153-87-4560(休館時の問い合わせは0153-87-2114羅臼町役場企画振興課)
開館時間 4月~10月は9:00~17:00
11月~1月は10:00~15:00
2月~3月は9:00~16:00
休館日 11月~4月は月曜日※ただし月曜日が祝日及び振替休日の場合は翌日

年末年始、その他天候などにより臨時休館となる場合があります

駐車場 バス2台、普通車17台(無料)
公式サイト・SNS 羅臼町役場

7:00~9:00「道産小麦の自家製パンに舌鼓!知床サライで朝食」

羅臼国後展望台から車で戻った後は、朝食をいただきましょう。知床サライの朝食はバイキング形式となっています。

知床に隣接するオホーツク海側の小清水町で生産された小麦「春よ恋」を使用して焼き上げた自家製のパンを始め、ゆで卵やウィンナー、サラダなどが並びます。

9:00「観光船で野生動物に会いに行く!知床ネイチャークルーズ」

ホエールウォッチング

知床サライから、知床ネイチャークルーズが運行している観光船が出航する羅臼港までは、車で2分、徒歩で18分です。

ただし、乗船前に道の駅知床らうすの裏にある知床ネイチャークルーズの事務所で発券する必要があるので注意してください。知床サライから知床ネイチャークルーズ事務所までは車で2分、徒歩5分です。

4月下旬~10月中旬までは、マッコウクジラやイルカ、シャチなどに遭遇するチャンスがあります。

一方、1月下旬~3月中旬は羅臼港に流れ着いた流氷の間を縫うように進みながら、オジロワシやオオワシなどの希少動物が見られます。(※冬期間の流氷バードウォッチングは早朝便となっており、出航時間が決まっていないので前日に確認する必要があります)

どちらのコースも相手は野生動物のため、100%必ず会える確証はありませんが、羅臼の海を知り尽くした船長とスタッフがクジラやイルカの見つけ方や、動物の特徴などを解説してくれるので楽しみながら知床の海を体感できます。

ペットは乗船不可ですが、事務所で預かってくれる(ゲージに入れた状態)ので安心です。

住所 北海道目梨郡羅臼町本町27-1
電話番号 0153-85-4001
駐車場 あり(無料)
料金 ・クジラ・イルカ・バードウォッチング大人8,800円/子ども4,400円
・流氷バードウォッチング大人11,000円/子ども4,400円
支払い方法 電子マネー、バーコード決済利用可
公式サイト・SNS 知床ネイチャークルーズInstagram

12:00「これぞ羅臼の味!海の幸を堪能!羅臼丸魚濱田商店で昼食」

濱田商店

羅臼港から車で4分走ると、一見飲食店には思えない黒い建物が見えたらそこが羅臼丸魚濱田商店です。

自社工場で一夜干ししたホッケやゆでたてのタラバカニ、6月からの季節限定の時鮭、ウニ、ホッキ、ホタテなど、羅臼港で水揚げされた新鮮な魚介類を手ごろな価格で味わえます。

濱田商店

人気の海鮮丼は絶品

ちなみに、時鮭とはお腹に卵や白子を抱えていない成熟する前の鮭のこと。卵に栄養が取られていないので身にしっかりと脂がのっているのが特徴です。

北海道に来たらカニが食べたい!という人は多いですが、硬い殻を割って剥く作業が苦手な人は多いのではないでしょうか。羅臼丸魚濱田商店ではカニは綺麗に剥いて、殻に盛り付けて出してもらえるので安心です。

店内に併設された加工工場は見学自由。併せて加工商品の販売も行っているので、食事の前後に自宅用やお土産などを選ぶ楽しみもあります。

住所 北海道目梨郡羅臼町礼文町365-1
電話番号 0153-87-3311
営業時間 10:30~15:30(ラストオーダーは15:00)
休業日 10月~1月は休業(2月~10月上旬まで営業)      
駐車場 あり(無料)
席数 30席
支払い方法 現金のみ
メニューと料金(一部)
  • ホッケ定食1,500円
  • いくら丼2,500円
  • 日替わり海鮮丼3,000円
  • 時鮭定食3,500円など
公式サイト・SNS 羅臼丸魚濱田商店Facebook

13:00「魚の城下町・羅臼の名物を買うならここ!道の駅知床らうすでお土産」

道の駅 知床・らうす

濱田商店から車で3分、1日目で最初に立ち寄った知床食堂に併設されている道の駅です。施設内には羅臼漁業協同組合直営店・海鮮工房、丸大阿部商店、舟木商店と3つの売店が入っており、高級品として知られる羅臼昆布をはじめとした新鮮な魚や加工品が購入できます。

道の駅 知床・らうす

また、羅臼の海洋深層水を使った綺麗な青色のソフトクリームも名物。

味はバニラですが塩気がきいていてここだけしか食べられない味です。6月~10月の期間限定となっているので、訪れたときはぜひ食べてみてください。

住所 北海道目梨郡羅臼町本町361-1
電話番号 0153-87-3330
営業時間 4月~10月は9:00~17:00

11月~3月は10:00~16:00

休館日 年末年始
駐車場 大型バス5台、普通車90台(無料)

13:40「地上からクジラが観察できるおすすめスポット!クジラの見える丘公園」

クジラの見える丘公園

道の駅知床らうすから車で8分の位置にあり、羅臼市街地から相泊地区へ向かう道道87号線を左折した先にあります。途中の道は急坂で狭いので、運転には十分注意してください。

羅臼灯台が近くにあり、標高80mの高さから根室海峡、遠くに国後島を望む景観のよい場所です。

クジラの見える丘公園

クジラが見える丘公園は、その名のとおり展望デッキから海を眺めていると、息継ぎで海面に上がってきたクジラの様子が地上から観察できます。展望デッキにはベンチがあり、無料の望遠鏡が備え付けられているのでゆっくりとクジラを探せます。

なかなか簡単には見つけられませんが、天気が荒れておらず海が穏やかであれば見つけられるかもしれないので、粘り強く探してみましょう。

観察する際には肉眼ではなく双眼鏡があるとより見つけやすいでしょう。

住所 北海道目梨郡羅臼町共栄町
電話番号 0153-87-2126(羅臼町役場 産業創生課)
休業日 なし(ただし冬期間は除雪されていません)
駐車場 普通車3台(無料)
トイレ あり(簡易1基)

14:10「シーカヤックやトレッキングで半島先端部を目指す人は必須!ルサフィールドハウス」

クジラの見える丘公園から相泊地区へ車で18分、道道87号線沿いにあります。シーカヤックなどで知床半島の先端部に向かう人に、ルールやマナー、注意事項などを提供している施設のため、該当する場合は必ず訪れるようにしましょう。

また、一般の観光客でも立ち寄りが可能で、知床の自然について学べる機会が得られます。施設内にはフィールドスコープと双眼鏡が常時設置されており、館内からクジラや海鳥の観察が行えます。

さらに、施設裏のルサ川では、秋になるとサケ・マスの遡上が見られることも。施設内にトイレがあるので、相泊方向へ行く場合の拠点として利用してみましょう。

住所 北海道目梨郡羅臼町北浜8番地
電話番号 0153-89-272
開館時間 5月1日~10月31日は9:00~17:00、
休館日 毎週火曜、11月1日~4月30日は冬期閉館
駐車場 普通車4台(無料)
料金 無料
トイレ あり

14:35「小熊を抱いた親熊に見えるか確かめてみよう!熊岩」

熊岩

ルサフィールドハウスから道道87号線を相泊地区へ車で2分、山側に突然見えるのが熊岩です。全高20mの巨大な岩は、一見するとただの岩にしか見えません。しかし、沖合から見ると親熊が小熊を後ろから抱いているように見えるとか。

近くに駐車場がないのでゆっくりと見学はできませんが、道路から見る場合でも羅臼市街地から相泊地区へ向かう方向からだと、熊に見えなくもないと言われています。ぜひ確かめてみてください。

14:40「道路沿いに現れる細い糸のような美しい滝!セセキの滝」

セセキの滝

熊岩から車で4分、相泊地区へ向かうと見えてくるのがセセキの滝です。滝を見るには山や森の奥深くへ入らないといけないイメージがありますが、セセキの滝は道道87号線沿いにあります。

通常は岸壁を滑る綺麗な絹糸のような景観ですが、水量が増すと迫力があり、水しぶきが道路まで及ぶことも。駐車場がないので、見学をするときは通行車両の妨げにならないように注意してください。

14:50「日本最北東端の終着点!名物看板を探しに行こう!相泊橋」

セセキの滝から車で3分走ると、日本の最北東端、これ以上先に車では進めない道路の果ての地に辿り着きます。正確には先にも漁師が使う番屋が並んでいますが、観光客が進めるのはここまでです。

看板マニアではなくとも、「この先行き止まり」「キケン!道なし!」の文字が書かれた看板を見に、足を運ぶ人は少なくありません。

看板の近くにある相泊橋では、8月下旬~10月上旬になると下を流れる相泊川で鮭の遡上が見られるので、人が少ないところでゆっくりと観察したい人にもおすすめの場所です。

15:00「日本最北東端にある露天温泉!相泊温泉、セセキ温泉」

相泊温泉は相泊橋から車で1分の場所にあります。温泉といっても施設があるわけではありません。

相泊温泉

ごろごろと石が並ぶ海岸を掘り出し、岩やコンクリートで長方形に囲ってあります。元は小屋で覆われていましたが、2016年の台風10号により倒壊し、現在は観光シーズンのみ小屋が建てられています。

元々は定置網や昆布漁を行っている漁師が体を温めたり、疲れをとるために利用している温泉ですので、訪れたときはマナーを守って入るようにしましょう。

住所 北海道目梨郡羅臼町相泊
電話番号 0153-87-2126(羅臼町役場産業創生課)
営業時間 例年5月~9月頃、時間は日の出から日の入りまで(清掃時は入浴できません)

詳しい情報はこちらで確認してください

駐車場 普通車6台(無料)
料金 無料
トイレ なし

また、相泊温泉から車で1分走ると、セセキ温泉があります。

セセキ温泉

明治32年に発見されたといわれる老舗の温泉で、海に近い海岸線に岩やコンクリートで丸く囲われているだけなので、満潮時には海没してしまうため、相泊温泉よりも野趣が強い温泉といえるでしょう。

現在は濱澤水産が管理を行っています。入浴するときには、すぐ近くにある管理者が経営している昆布の直売所へ立ち寄り、必ず一声かけるのがルールとなっています。

無料で入れる温泉ですが、維持・管理に経費がかかることから、設置されている「気持ちの箱」にご協力をお願いします。

住所 北海道目梨郡羅臼町瀬石
電話番号 夏季:0153-89-2654
夏季以外:0153-88-2384
営業時間 例年5月~9月頃、時間は日の出から日の入りまで(清掃時は入浴できません)
詳しい情報はこちらで確認してください
駐車場 普通車10台(無料)
料金 無料
トイレ あり

 

登山初心者向け!おすすめの道東の山8選

雌阿寒岳

万年雪の大雪山を筆頭にビギナー向けの登山道が整備された山の連なる北海道。

中でも、道東の山々はルート標高差も300〜700mほどで、初心者でも登りやすいと言われています。中にはお子さま連れやペットを連れて登る人も。

標高わずか1000m前後でありながら、本州の2000m以上の峰々でしか観ることのできない高山植物が出迎え、時には雲海に出逢い、オホーツクの海はもちろん遥か北方領土まで見渡せるのが道東の山の特徴。

道東の初心者でも登りやすい山は以下の8つがあります。

道東の山

 

いずれも絶景で楽しい山ですので、道東の登山の参考にしてみてください!

はるか国後まで見渡せる道東随一の超絶景スポット~武佐岳

武佐岳

「武佐(むさ)」とは、アイヌ語で「他の山の頭をなでる」あるいは「イラクサ(モサ)」の意味。

なだらかな双耳峰が周囲の山を従えている様は、まさに他の山の頭をなでてあげているように見えます。包容力のある山の姿から、中標津町民ならずとも納得させられる語源です。

道東随一の絶景スポットとして知られる「開陽台」をして、「当施設は330度の大パノラマが楽しめます。パノラマでない残り30度は、あの美しい武佐岳です」と言わしめるほどの美しい山容を誇り、その「開陽台」さえも見下ろす景観の中に取り込む絶景中の絶景スポットが武佐岳です。

根室半島と知床半島に囲まれたオホーツクの海から徐々に高度を上げる山並みの中に静かに佇んでいます。

北海道百名山にも選ばれるほどの美しい山容は、中標津町民の心の拠り所として町の歌や学校の校歌にも登場。

古くから地元民に愛され、登山道の整備はもちろん「憩清荘」という避難小屋も設置されています(近くに水場もありますが、飲めるかは不明です)。

武佐岳

多少キツいところもありますが、危険な箇所はなく、初心者も安心です。

武佐岳

6月第二日曜日の山開きから、地元の登山愛好者はもちろん、北海道内外から最高のロケーションを求めて多くの登山者が訪れます。

7〜8月にかけては地域特産物の一つである蕎麦の花が満開となり、武佐岳登山口へと誘います。

キバナシャクナゲやエゾムラサキツツジ、コケモモ・アイヌタチツボスミレ、6月の山開きから間もない時期にはチシマザクラの開花を目にすることもあります。

頂上から望む「根釧台地の格子状防風林」や「野付半島」、はるかオホーツクの「国後島」は息を呑む美しさです。

武佐岳

武佐岳

道東オホーツク海域のすべての景観を一望するといっても過言ではない武佐岳はぜひ一度は登っていただきたい山といえます。

山名 武佐岳
標高 1005.2m
ルート標高差 671m
平均所要時間 登り2.5時間・下り2時間
問い合わせ 0153-73-3111(中標津町経済振興課)

ダケカンバの純林と斜里岳の展望が圧倒的に美しい~標津岳

登山口が養老牛温泉という時点ですでに魅力的な標津岳。

温泉セットで訪れる方も多く、山頂からの眺望は武佐岳に勝るとも劣らないパノラマが広がります。

日本百名山の斜里岳の撮影スポットとしても知られ、他の山では見ることのできない斜里岳の全容を目の当たりにしながら爽やかな登山が楽しめるスポットです。

北海道随一の泉質と接客のよさで定評のある養老牛温泉から、ダートな林道を5㎞ほど進んだ地点が登山口。

平坦な作業道跡から始まる登山道は少しずつ傾斜を増し、清水沢と呼ばれる水場を経てやがて急斜面へ。

本来なら疲労にあえぐところですが、周囲を覆うダケカンバの純林があまりにも爽やかすぎて逆に元気が出てくるという方も多いそうです。

純林を抜けると眼前に迫る斜里岳。

斜里岳の展望台とも称される理由を実感する瞬間です。

尾根筋をゆったり歩き、コケモモとイソツツジのお花畑を抜けたら頂上。

武佐岳よりほんの少し高い1061mの山頂からくっきりと斜里岳が、その右奥には海別岳が浮かびます。

なだらかな山頂の岩陰にはミヤマオグルマも咲いています。

足元の可憐な花々と、ダイナミックな眺望を堪能しながらおにぎりを頬張るのもよいでしょう。

山名 標津岳
標高 1061m
ルート標高差 739m
平均所要時間 登り3時間・下り2.5時間
問い合わせ 0153-73-3111(中標津町経済振興課)

屈斜路湖を見下ろすジャスト1000mのお手軽トレッキング~藻琴山

北海道の山は、東へ行くほど裾野がなだらかに雄大になり、たおやかな美しい稜線を形作ります。

その代表格ともいえるのが藻琴山。

屈斜路湖の外輪山の中でひときわ高く、湖を見守るように端正な姿で横たわっています。

標高が1,000mジャストであることや、わずか1時間ほどで登れる手軽さから初心者や家族連れに人気の山です。健脚な方なら30分ほどで登れるでしょう。

美しい山容を眺めるだけでも四季折々の美しさに魅了されますが、一等三角点の頂上からは西に大雪の山々、東に知床連山、そしてオホーツクの海岸線から平野部に暮らす人の営みさえ感じさせるほどの眺望を楽しめます。

初夏の新緑の瑞々しさ、秋の紅葉の豪奢な彩りはもちろん、タイミングが合えば屈斜路湖を覆う雲海を目にすることもあり、登山の手軽さからは想像できないほどの幸福感を味わえる山です。

藻琴山の山名は藻琴川の源流から来ていますが、アイヌ語の「トエトク・シペ(沼の奥にある山」」がそもそもの由来といわれています。

登山ルートは小清水町の「ハイランド小清水725」からと、大空町の東藻琴コースの2ルート。

どちらも標高700〜800mからの登山であり、整備の行き届いた登山道がゆるやかに頂上へと導いてくれます。

屈斜路湖を眼下に見下ろし、オホーツクを眺めながら、そして屏風岩付近でのチシマフウロやハクサンイチゲ・キリンソウ・コケモモなどのお花畑に魅了されながらの軽トレッキング。

見て好し登って好しの藻琴山。

下山後に「ハイランド小清水725」でソフトクリームも好し!

山名 藻琴山
標高 1000m
ルート標高差 275m(ハイランド小清水コース)
340m(東藻琴コース)
平均所要時間 登り0.5~1時間
下り1時間
問い合わせ 0152-74-4323(NPO法人オホーツク大空町観光協会)
0152-62-4481(小清水町産業振興課)

摩周ブルーを眼下に見下ろしながら爽やかトレッキング~摩周岳

※登山道の一部崩落のため西別岳方面分岐点から頂上まで通行止めとなっており、現在のところ復旧は未定のようです

摩周岳

「摩周」という神秘的な日本語の趣もさることながら、アイヌ語で「カムイヌプリ(神の山)」とまで称されてきた摩周岳。

アイヌ語での「摩周」は「マシウ(鍋のような湖に影が泳ぐように見える)」を意味します。

摩周ブルーの湖面に映る影は何だったのでしょう?

興味をそそられる言い伝えです。

その摩周ブルーを眼下に見下ろしながら、ほぼ平坦に湖を回り込むような登山道。開かれた景観を楽しみながら登れる数少ない山の一つです。

平坦なルートに少しずつ傾斜が加わり湖から離れていくと黄金の草原。やがてお隣りの西別岳への分岐ルートを過ぎて最後の急登が待ち構えます。

チシマザクラやウコンウツギ、足元に咲くクロユリやクロバナハンショウヅル・チシマフウロ・チシマセンブリらに励まされながらもうひと頑張りすると頂上です。

頂上では、岩にしがみつくようにウルップ草やイワキンバイやイワギキョウが咲いています。

急峻な眼下に見下ろす摩周ブルー、標津岳や武佐岳と斜里岳、さらに知床の山々の遠望など申し分のない絶景が広がる神の山山頂。

山名 摩周岳
標高 857m
ルート標高差 341m
平均所要時間 登り3時間 下り2.5時間
問い合わせ 015-483-4100(川湯ビジターセンター)

百花繚乱の花畑に癒され励まされ「がまん坂」~西別岳

隣接する摩周岳が眺望を楽しみながらの登山であることに対し、百花繚乱のお花畑を楽しみながら登れるのが西別岳。

摩周岳方面からは分岐点からほんの1時間ほど、尾根筋のためさしたる起伏もなく頂上へたどり着けます。

一方の西別小屋ルートは、遊歩道感覚で鳥や花に囲まれながら歩けるのが特徴。

こちらも標高差465mで平均所要時間は1.5時間ほどです。

カラマツの森を抜けてウグイスの声が鳴り響く「うぐいす谷」を通り過ぎ、視界が開けてくると徐々にお花畑が広がっていきます。

そして「がまん坂」と呼ばれる上り坂。

急登ではありませんが、延々40分ほどまっすぐに登るため結構キツいとのことで命名されたようです。

そのキツさを癒す処方箋も用意されているのが道東自然のよいところ。

第一ピークのリスケ山への道中、エゾツツジやヨツバシオガマ、イワブクロ・ミヤマオダマキ・チシマワレモコウなどが「頑張れ頑張れ」と百花繚乱のエールを贈ってくれます。

もちろん山頂からの眺望も申し分なし。

足元に咲く可憐な花々と、カムイヌプリとのコントラストは最高の被写体となるでしょう。

山名の由来は、アイヌ語で「ヌー・ウシ・ベツ(魚・多い・川)」あるいは「ニ・ウシ・ベツ(木・多い・川)」

手つかずの自然の豊かさ、その恩恵にあずかってきた人の歴史を感じさせます。

人はいつも、自然に励まされ生かされてきたと再認識できる山です。

山名 西別岳
標高 800m
ルート標高差(西別小屋ルート) 465m
平均所要時間(西別小屋ルート) 登り1.5時間・下り1時間
問い合わせ 015-483-4100(川湯ビジターセンター)

噴煙を上げ続ける火口を見渡せる日本百名山~雌阿寒岳

雌阿寒岳

初心者向けの山の中ではややキツいですが、他にはない絶景が見られるのが雌阿寒岳(めあかんだけ)です。

日本百名山の一つであり、今なお生命力豊かな噴煙を上げ続け、オンネトーの野中温泉や阿寒湖温泉街など、北海道を代表する名泉が麓に待ち構えていることもあって、登山客の絶えない人気の山です。

阿寒湖の南西部にそびえ、北海道三大秘湖の一つである神秘的なオンネトーを見守るように佇みます。

雌阿寒岳

オンネトーの静かな湖面に映る阿寒富士とのツーショットは、多くの観光パンフレットに用いられてきた代名詞的な構図。訪れる人が必ずといっていいほどシャッターを切ります。

仰ぐ角度によって山の形容が異なるのは、約2万前の火山活動によってできた10つの山頂を持つ複合火山ならでは。

かつて夫婦関係にあったという、阿寒湖を挟んで佇む雄阿寒岳が浮気をしたとかで、今なお怒りが収まらないのかも知れません。

ルートはオンネトーコース・雌阿寒温泉(野中温泉)コース・阿寒湖畔コースの3通りで、雌阿寒温泉(野中温泉)コースが急ですが最も早く登れます。

いずれも鬱蒼としたアカエゾマツの原生林、針広混交林からの入山。他の山よりも、北国の手つかずの自然に圧倒されます。

雌阿寒岳

マイヅルソウやゴゼンタチバナ、ハクサンシャクナゲなどを見遣りながらやがてハイマツ帯、そして6合目あたりからイソツツジやマルバシモツケなどの高山性植物が出迎えてくれます。

登るほどに緑が減り、活火山らしい赤茶けたガレ場へと変貌していきますが、却って健気に花を咲かせる高山植物の姿が目立つようになります。

雌阿寒岳の固有種メアカンフスマ、そしてメアカンキンバイは花好きの方には人気です。

メアカンフスマ

メアカンフスマ

イワブクロやヒメイワタデ・ガンコウランも、そこここに存在を主張しています。

イワギキョウ

イワギキョウ

地球の鼓動のごとく噴気を立ち上げるポンマチネシリ火口と赤沼、剣が峰から望む

阿寒湖と雄阿寒岳の大パノラマは圧巻。

雌阿寒岳

地球創造の歴史をさかのぼり、神様が天地創造した時代に辿り着いたような感さえします。

そして目の前にそびえ立つのは阿寒富士。こちらも1時間ほどで縦走できます。

雌阿寒岳

手つかずの原生林と固有種、大パノラマと天地創造の火口、そしてご褒美の温泉。

これだけの体験ができる山は雌阿寒岳をおいて他にありません。

ちなみに、雌阿寒岳は素晴らしい山ですが、岩場も多く標高もやや高いので急な天気の変化や気温の低下も考えられるので、夏であってもしっかりとした装備で登るようにしてください。

山名 雌阿寒岳
標高 1499m
ルート標高差 オンネトーコース 854m
野中温泉コース  794m
阿寒湖畔コース  764m
平均所要時間 オンネトーコース 登り3時間 下り2時間
野中温泉コース  登り2時間 下り1.5時間
阿寒湖畔コース  登り3時間 下り2時間
問い合わせ 0156-25-6131(NPO法人あしょろ観光協会)

「ポコポコ」ポッケと裏雌阿寒のロケーション~

阿寒湖畔スキー場が雪のない季節に探勝路として開放され、歩きやすさと展望のよさが特徴的な白湯山。

阿寒湖温泉街からほど近く駐車場も広いため多くのハイカーが訪れます。

登りながら常に阿寒湖と雄阿寒岳を目にすることができるほどの視界の広さはスキー場ならでは。

白湯山

ルートの整備も申し分なく、最初のゲレンデ部分は多少つらいものの、登山というよりはハイキング気分で手軽に登れる山です。

白湯山

見どころはポッケと呼ばれる泥火山。探勝ルートのあちこちで、「ボコッボコッ……」と地面を叩くような音を立てながら噴気を上げています。

温泉街に見られる地獄谷のミニチュア版といった感じで、発する水蒸気の温度は94℃にもなるとか。

そのほんの少し離れた場所でもスミレやヒメハギなどの花が楽しめるのが白湯山の自然の豊かさ。他にもエゾオオサクラソウやニリンソウ、ヒメイチゲなどの花を見ることが出来ます。

頂上の少し手前にはウッドデッキの展望台が設けられ、阿寒湖と雄阿寒岳の眺望はもちろん、裏側からの雌阿寒岳という珍しいロケ―ションも。

手軽に登れて、ポッケと裏雌阿寒という稀有な出逢いも楽しめる大パノラマの山、白湯山に登らずして阿寒湖を語ることはできないでしょう。

山名 白湯山
標高 916m
ルート標高差 318m
平均所要時間 登り1.5時間 下り1時間
問い合わせ 0154-67-4100(阿寒湖畔エコミュージアムセンタ―)

見晴らし抜群の稜線が続く~辺計礼山

ペケレ山

阿寒湖周辺の穴場的展望スポットが辺計礼(ペケレ)山です。

ペケレとは、アイヌ語で「明るい・清らか・光」を意味します。その名の通り展望が効くのが特徴。

阿寒湖温泉と川湯温泉を繋ぐ阿寒湖横断道路沿いにある「ペケレ山登山口」の標識は小さくて見落としそうですが、それが却って穴場効果をもたらしているようです。

入り口にはエゾシカゲートがあり、そこから1.5キロほど進むと登山口のある駐車場があります。

辺計礼山

行き交う人の少ない登山道はアカエゾマツやトドマツの造林地から始まり、笹原のところどころにハクサンチドリやベニバナイチヤクソウや、イブキジャコウソウ・コメツツジ・コヨウラクツツジの可憐な花々を見遣りながらやがてミズナラ・ダケカンバの広葉樹林へと変わります。

広葉樹林を抜けたら、もう頂上は目の前。

ペケレ山

短時間の登山で辿り着く一等三角点の頂上からは、屈斜路カルデラ・摩周カルデラ、根釧台地に雌阿寒岳・雄阿寒岳の大パノラマ風景をじっくり堪能できます。

ペケレ山

鬱蒼とした森はなく、スタートからゴールまで終始明るいのが特徴で、初心者でも安心して登れるのが嬉しいです。

山名 ペケレ山
標高 732.3m
ルート標高差 482m
平均所要時間 登り1.5時間 下り1時間
問い合わせ 015-483-4100(川湯ビジターセンター)

 

寒い秋の道東!天気と観光に適切な服装を解説します

一年でもっとも過ごしやすい秋の時期に、北海道を訪れて食や景色をゆっくりと楽しみたいと思う人は多いでしょう。

しかし、北海道では、紅葉が始まるとあっという間に季節が秋から冬へと変わり、とくに道東エリアは一瞬に感じるほど短いです。

北海道は広しなので、札幌と道東エリアでは気温も気候もまったく異なるので、道東エリアの秋を十分に堪能するなら、秋の気候を把握した上で旅行計画を立てるのが安心です。

道東の天気

道東観光の参考になるように、オホーツク海側の網走、内陸の北見、太平洋側の釧路それぞれについて、地域別の天気や服装を、月別に詳しくご紹介しているのでぜひ参考にしてください。

道東でこれらの都市以外に観光予定の場合は、太平洋側であれば釧路、オホーツク側であれば網走、内陸であれば北見と気候が近いと考えてください。

かなり詳細に解説していますので、秋の道東観光の参考にしてください。

9月の気温と天気、服装

9月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 18.6 16.8 16.2 16.5
日の最高気温(℃) 22.8 20.7 21.7 20.1
日の最低気温(℃) 14.8 13.4 11.3 12.9
合計降水量(㎜) 142.2 115.0 111.8 153.0
合計積雪量(㎝) 0
合計日照時間(時) 159.3 162.9 148.0 143.9

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

9月といえば本州はまだまだ残暑が厳しく暑い時期ですね。

9月の札幌も平均気温が18℃程度と過ごしやすい時期ですが、近年は上旬に厳しい残暑に見舞われ、半袖や半ズボンがちょうど良いと感じる日も少なくありません。

とはいえ、朝晩の冷え込みは中旬以降から強くなるので、インナーや長袖、薄手のカーディガン、パーカーなどを組み合わせて、体温調整のしやすい服装を心がけるとよいでしょう。

とくに定山渓などの山間部や郊外に出かけるときは、都心部よりも日中でも気温が下がるので、厚手の服装を意識してください。

また、札幌は一年で降水量が多い時期になり、台風の影響を受けると雨量が一気に増えるケースもあるので注意が必要です。天気予報に留意し、折り畳み傘やレインコートなどの準備をしておくと安心でしょう。

網走の気温と天気、服装

オホーツク海側に位置する網走は、湿気を多く含む太平洋や、季節風の影響を受けやすい日本海側とは違い、一年を通じて晴天が多い比較的温暖な気候になります。

北海道では秋の入口となる9月も、海水温は2ヶ月遅れで変わるため、暖かい海風などにより、緯度が高いながらも気温も札幌とはそこまで大きく変わりません。

ただし、オホーツク海高気圧が南下して太平洋高気圧との間に秋雨前線が活発になると、長雨が続いたり、台風が秋雨前線を刺激してまとまった雨が降ることもあります。

また、札幌と同じような気温とはいえ、都市部では地下歩行空間など、雨風をしのげる場所が建物が多い札幌に対し、網走ではそのような場所は少なく、天気の影響を受けやすいので天気に対応した服装を用意しましょう。

9月は半袖をメインで考えるよりも、長袖を着て行動して暑かったら腕まくりをするかアウターを羽織る、アウターは防風・防水性能のあるウィンドブレーカーなどを選ぶと安心です

また、夏日、真夏日予報の日を除いて、ミニスカートやハーフパンツ、サンダルといった夏の服装は避けたほうが無難です。

網走では、9月中旬から下旬になると、能取湖のサンゴソウが紅葉し見ごろを迎え、多くの観光客でにぎわいます。この頃の平均気温は15℃以下と、東京の11月~12月の気温まで下がります。

とくに、朝日や夕日に染まるサンゴソウを見に行く場合は、日中よりも気温が下がるため、セーターやダウンジャケットなどを用意するようにしましょう。

北見の気温と天気、服装

網走と同じオホーツク海側でも、内陸にある北見は盆地ならではの特徴があります。

北見はとにかく日中と朝晩の寒暖差が大きいです。

9月は上旬から下旬まで、一日の最高気温と最低気温の差が7℃前後で推移する札幌に対し、北見では上旬でもすでに10℃ほどの差があります。

下旬になると最低気温が10℃を下回る日がでてくるので、服装は暑さと寒さの両方に対応できるよう、半袖と合わせて長袖やセーター、厚手のパーカーなどを持ち歩くようにするとよいでしょう。

一方、降水量が少なく、日照率(太陽の直射日光が地表にあたっている時間を、日の出から日の入りまでの時間で割ったもの)が北海道内で上位の北見は、紫外線の影響を受けやすい地域でもあります。

日陰となる場所が札幌などの都市部と比べると少ないので、気温が低くても日焼け止めを塗る、帽子や手袋などで肌を保護する、サングラスで目を守るといった面での服装を考えることも大切です。

釧路の気温と天気、服装

秋の釧路は夏よりは晴天が多いものの、グズつきやすく気温も低いのが特徴です。

9月の平均気温が15℃前後と、北海道一冷涼といわれる場所であるにも関わらず、ほかの道東エリアの地域とさほど変わりません。

ただし、降水量は多く、一年でもっとも雨が降る時期になります。1日に100mm以上の大雨が降る年も珍しくないので、傘やレインコート、ブーツなど防水対策を講じた服装を考える必要があるでしょう。

また、太平洋に面した地域柄、海風が吹きやすく、実際の気温よりも体感温度が低く感じられるため、特に下旬の服装は長袖と考えるとよいでしょう。

ちなみに、釧路市民は20℃を超えると暑いと感じる人が多く、日中は半袖の人もいます。

本州から遊びに行くときに「9月は暑いから防寒は気にしなくてもよい」といわれても、暑さの感覚が違うと認識して半袖プラス長袖やカーディガン、ウィンドブレーカーなどのアウターは必ず持参するようにしましょう。

とくに釧路湿原散策や山間部でのキャンプ、内陸部の阿寒湖へ行く予定がある場合は、朝晩の冷え込みが強いため、冬物のコートや厚手のセーターなどを用意しておくことをおすすめします。

2023年は9月は釧路は暑かったですが、天気予報を見て、しっかりと対策をしましょう。

10月の気温と天気、服装

10月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 12.1 10.9 9.5 11.0
日の最高気温(℃) 16.4 15.0 15.5 15.1
日の最低気温(℃) 8.0 7.0 3.9 6.1
合計降水量(㎜) 109.9 88.2 77.2 112.7
合計積雪量(㎝) 1 0 0
合計日照時間(時) 145.9 157.4 153.8 177.0

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

本州では紅葉は11月がベストシーズンですが、北海道では本州より一足早く、10月に紅葉のベストシーズンを迎えます。

札幌も中心部の大通公園や「札幌の奥座敷」と呼ばれる南区にある定山渓温泉の紅葉が見ごろとなります。

夏の気配を残していた9月に比べて、札幌の10月は冬が間近に迫り、とくに下旬は初雪が降ることも

とはいえ、中心部の町歩きが観光のメインの場合は、トレンチコートや薄手のダウンジャケットにストールで風を避け、スカートの場合はストッキングやタイツを履くと十分に寒さをカバーできます。

地下街や建物内は暖房が入ると暑くなるので、脱ぎ着が楽な服装がよいでしょう。

郊外や山間部では冬物のコートやマフラー、手袋などが必要です。

網走・釧路の気温と天気、服装

海沿いに位置する網走、釧路はどちらも晴れの日が多く、観光に適した時期になりますが、平均気温は9月と比べて5℃下がり、最高気温も15℃ほどと東京の11~12月に相当します

とくに下旬は冬の寒さとなるので、ダウンや冬物のコートにセーターは必須で、ボトムスは裏起毛の暖かいものを選ぶと安心です

網走は北海道の北側に位置していますが、雪が多く降る地域ではなく、例年10月下旬に初雪が観測されても積もりません。

また、釧路は元々、北海道内でも積雪の少ないところのため、どちらもスノーブーツなど雪対策用の靴を用意する必要はありません。

ただし、気象庁が気温を観測するのは地上から1m50㎝高いところのため、足元はとくに冷えやすいので注意しましょう。足首がしっかり隠れるスノーブーツは防寒対策に役立ちます。

なお、例年10月~11月になると、通称「雪虫」と呼ばれる白い綿毛のようなものを身にまとった虫が発生します。

雪虫

北海道では「雪虫」が飛ぶと数日中に初雪が降るとされ、雪を告げる妖精や使者といわれています。

聞く分にはロマンティックにも思えますが、「雪虫」はひとかたまりで飛んでいるのが多いので、歩いているとアウターや髪などにたくさん付着してしまうことがあります。

そのため、「雪虫」対策として、ナイロンなど滑りやすい素材の帽子やアウターを着用するのもよいでしょう。

北見の気温と天気、服装

北見は盆地なので他のエリアとは異なる気候ですこの時期もっとも気温が下がるのが北見です。

市内や平地では雪は積もりませんが、車で峠越えを予定している人は路面凍結対策のため、スタッドレスタイヤへの履き替えを行うタイミングになります。

寒さの耐性がついている北海道民であっても、平均気温が10℃前後になると日中でもストーブをつけるので、北海道外からやってくる場合は真冬並みの寒さに感じるでしょう。

インナーはヒートテックなど保温効果のあるものを選び、長袖のシャツにセーター、アウターを重ね着して寒さに備えましょう。ボトムスの下も同様に、ヒートテックやレギンスなどを履いて、しっかりと防寒対策をするべきです。

また、雪は積もらなくても、最低気温が3℃以下になると路面の水が凍って滑りやすくなるので、滑りにくい冬用の靴(ゴム底のもの)を選ぶようにしてください。

11月の気温と天気、服装

11月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 5.2 4.0 2.4 4.7
日の最高気温(℃) 8.7 7.6 7.6 8.9
日の最低気温(℃) 1.6 0.4 -2.6 -0.3
合計降水量(㎜) 113.8 58.1 40.3 64.7
合計積雪量(㎝) 14 6 16 3
合計日照時間(時) 99.1 121.2 126.8 167.6

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

気象庁では11月を秋として予報などに用いていますが、気温を見てもらえばわかるかと思いますが北海道の11月は冬です

札幌では月の半分は雪または雨が降る天気が続き、まとまった雪が降って道路や町を白一色に染めてしまうこともあります。

しかし、寒さに強い北海道民は、11月でも秋物のコートにニットといった軽装で過ごす人も少なくありません。

最高気温は10℃に届かないものの、日中の都心部を、地下街を利用して移動するのであれば、北海道の建物は気密性が高く、暖房が効いてとても暑いので、しっかりと冬物を着込む必要はないでしょう。

外を行き来するのであれば、秋物コート+ニットにインナーダウンや長袖Tシャツなどの重ね着、手袋やマフラー、ストールの合わせ技で対応できます(正直、札幌は建物も多いのでなんとかなります)

ただし、夜間に外を出歩く場合や山間部などに行くのであれば、ダウンや厚手のコート、セーター、防寒用のボトムス、厚手の手袋やマフラーは必要です。

靴は上旬であれば冬物の必要はありませんが、下旬は市街地でも積雪する可能性があるのでスノーブーツなどを用意しておきましょう。

網走・北見・釧路の気温と天気、服装

11月の道東は天気がよくなりますが、その分気温が一気に下がり寒くなります。

札幌圏を含む道央エリアや函館などの道南エリアに比べて、道東エリアは冷え込みが強くなるのが早く、11月になると最低気温がマイナスを記録する日も出てきます!

2023年11月釧路の天気

2023年11月釧路の天気。赤丸がマイナス気温の日

北海道の東に位置する釧路は、この時期は日の入りが早く、暗くなると一層冷え込みが厳しくなり、寒さに耐性のある北海道民でも、ダウンや厚手のコートなど冬物の服装になります。

とくに沿岸部は海風が冷たいので、ニット帽子やマフラー、手袋など、肌の露出を避けるようにしてください。

北見を始め、標茶町や川湯、阿寒などの内陸では、網走や釧路よりもさらに5℃前後気温が低くなります。インナーは保温性の高いものを選び、トップスだけではなくボトムスの下にもヒートテックなどを着るとよいでしょう。

ストッキングを穿く場合は、より保温性のあるタイツがおすすめですが、ストッキングやタイツはつま先の締め付けによって血行不良が起き、冷えを誘発する可能性があるので、防寒対策としてはつま先のないレギンスと靴下の組み合わせのほうが優秀です。

また、この時期はそこまで積雪量はありませんが、朝晩の冷え込みで凍った路面が日中に溶けて滑りやすくなるので、雪の有無に関係なくスノーブーツなど冬物の靴がおすすめです。

底がゴム製だと滑りにくくなり、防水・撥水加工がしてあるタイプがおすすめです。

なお、この時期の道東エリアの内陸部では、晴れが多い分、放射冷却現象により一層冷え込みが強くなるので注意してください。

放射冷却現象とは、地面から熱が逃げて空気が冷えることをいいます。

身近なケースで例えると、熱いお湯を張った浴槽を蓋で閉じると、蓋によってお湯は温かさを維持できますが、蓋がないとお湯はどんどん熱を失い、お湯は冷めてしまいますよね。

これと同じようなことが地上で起こると、夜から朝にかけて曇りや雨の場合、空が雲で覆われているので雲がお風呂の蓋替わりとなり、地面の熱が空へと逃げられず、地上付近の冷え込みは弱くなります。

一方で晴れて風が弱い天気では、雲がないので地面の熱が空へと逃げやすくなり、冷え込みが強くなります。

北海道民は、この時期は冷たい雨や雪の日よりも、晴れた日のほうが寒いことを経験で知っていますが、北海道外にお住まいの方は、天気予報を見て「風がなくて晴れだから絶好の観光日和」と考えてしまうかもしれません。

服装選びを間違えてしまうと大変なことになってしまうので、秋から冬にかけては晴れて風が弱い日ほど、外は寒くなると覚えておくとよいでしょう。

まとめ

道東の秋は特に10月以降は冬の気配を感じます。

とはいえ真冬ほどは寒くなく雪も少なく、この時期は天気もいいので、しっかりと防寒対策をすれば観光を楽しめます。

室内や日差しが強い日は暑く感じるかもしれないので、脱ぎ着しやすい服装を用意しましょう!

大阪から道東エリア(釧路・摩周湖・知床など)への行き方をエリアごとに詳しく解説

道東エリアには、知床や阿寒湖、摩周湖・屈斜路湖、網走、釧路など人気の観光スポットがたくさんあります。

道東の地図

国交省ホームページより引用

ですが、大阪など関西から道東へは直行便が限られているので行くのが少し大変です。

なので、東京を経由するか、新千歳空港を経由して札幌観光をして来るというのも手ですね。

道東の観光地へは様々なアクセス手段があるので、どうやって行こうか迷うかもしれません。

道東エリアには「釧路空港」「中標津空港」「女満別空港」「とかち帯広空港」の4つの空港がありますので、目的地を決め、どの空港を使って向かい、どの空港から帰るのかを考えなければなりません。

北海道の空港

北海道開発局HPより引用

ちょっとややこしい、大阪から道東エリアへの行き方について詳しく紹介します。

大阪から釧路へのアクセス

釧路の夕日

釧路エリアといえば、釧路湿原・幣舞橋・和商市場・釧路市丹頂鶴自然公園とった観光スポットが有名です。

大阪からの釧路へ行くには夏は釧路空港への直行便を利用し、それ以外の期間は新千歳空港経由で行くのが一般的です。

関西国際空港から釧路空港への直行便を利用する場合

これが一番シンプルな行き方です。

関西国際空港から釧路空港へは、Peach(ピーチ)の季節限定便が運行します(残念ながら、大阪国際空港(伊丹空港)から釧路空港への直行便はありません。)。

運行期間は、2024年は7月2日〜9月29日(火・木・金・日の曜日運航)で、運行スケジュールは次の予定です。

・関西国際空港発12:45-釧路着14:50
・釧路空港発15:35-関西国際空港(大阪)着18:05
*8/11、8/13のみ、関西空港発13:40-釧路着15:45、釧路発16:25-関西空港着18:55

直行便はこの通り夏にしか運行されていないので、この期間以外は次の新千歳空港経由で行くしかありません。

大阪から新千歳空港経由で釧路へ行く場合

大阪から釧路への直行便が季節限定便のため、それ以外の期間は新千歳空港を経由して道東に向かうのが一般的です。

まず、関西国際空港・大阪国際空港から新千歳空港への飛行機で行く

新千歳空港へは関西国際空港・大阪国際空港のどちらからでも行けます。

関西国際空港から新千歳空港へは、JALやANAの他、Peach(ピーチ)、ジェットスターといったLCC、さらに海外の航空会社の便も多数運航しており、所要時間は約1時間50分〜2時間5分で行くことができます。

大阪国際空港(伊丹空港)から新千歳空港へは関西国際空港ほど便はありませんが、JALが4便、ANAが6便運行しており、所要時間は約1時間45分〜1時間50分です。

新千歳空港に着いてから釧路に向かう方法は以下の3パターンがあります。

  1. 新千歳空港から飛行機を利用して釧路空港に行く方法
  2. 新千歳空港からJRを利用して釧路駅に行く方法
  3. 新千歳空港から札幌丘珠空港を経由、飛行機を利用して釧路空港に行く方法

それぞれどの方法がいいか参考にしてみてください。

①新千歳空港から飛行機を利用して釧路空港に行く方法

費用はかかりますが、最もシンプルで楽に行ける方法です。

新千歳空港から釧路空港へは、ANAが1日3便運行しています。

新千歳から釧路は遠いですが、飛行機だと45分で到着します。

釧路空港からは阿寒バスが運営する市街地行きの連絡バスが利用できます。料金は釧路駅前やフィッシャマンズワーフMOOまで大人950円、子ども料金は半額。釧路駅前までは片道約45分です。

レンタカーやタクシーを利用する場合は30分ほどで市街地に行けます。

②新千歳空港からJRを利用して釧路駅に行く方法

特急おおぞら

のんびりと釧路に行きたい人や安く済ませたい人はJRを利用してみましょう。ただし、途中で乗り換えが必要なので、とても時間がかかるというデメリットがあります。

JRで釧路に行くには以下の方法が一般的です。

  1. 新千歳空港駅から快速エアポートに乗り南千歳駅(約3分)
  2. 南千歳駅からJR石勝線の特急おおぞら 釧路行に乗車して釧路駅(約3時間33分、運賃は6,290円)

JRだと釧路駅に到着するので、市街地へは徒歩で行くことができるので楽です。

③新千歳空港からバスを利用して釧路駅に行く方法

新千歳空港からはバスが出ていないので、一度札幌に行かなければならないという手間はありますが、費用は最も安いです。

新千歳空港からバスを利用して釧路駅に行く方法には以下の流れとなります。

  1. 新千歳空港から快速エアポートに乗って札幌駅(特別快速36分・快速37〜38分・区間快速43〜44分、運賃1,150円)。または新千歳空港から空港連絡バスで札幌駅前へ(約1時間14分、運賃1,300円)。
  2. 札幌駅バスターミナルから都市間バス「スターライト釧路号」に乗車(昼行便約5時間35分/夜行便約6時間30分、運賃:大人5,230~6,000円 子ども2,620~3,000円*乗車日によって異なります)

時間に余裕があるのであれば札幌観光をして一泊して釧路に向かうのもおすすめです。

新千歳空港から札幌丘珠空港を経由、飛行機を利用して釧路空港に行く方法

新千歳空港から札幌丘珠(おかだま)空港まで移動して、札幌丘珠空港から釧路空港に向かう方法もあります。

費用はかかりますが早い行き方です。

  1. 新千歳空港からJR北海道の快速エアポートに乗って札幌駅(特別快速約36分・快速約37〜38分・区間約快速43〜44分、運賃大人1,150円、子ども半額)。
  2. 札幌駅から空港連絡バス(北都交通)で札幌丘珠空港(約30分、運賃:大人700円、子ども350円)
  3. 札幌丘珠空港から釧路空港へは、1日にJALが4便運行しています。
  4. 釧路空港からは釧路市内行きの連絡バスを利用します。

札幌丘珠空港は札幌から近いので札幌観光をして釧路に向かってもいいでしょう。

大阪から阿寒湖へのアクセス

阿寒湖

阿寒湖といえば、阿寒湖温泉・阿寒湖アイヌコタン・マリモ展示観察センター・阿寒湖畔エコミュージアムセンターといった観光地が有名で、道東観光の定番になっていますね。

大阪を出発して阿寒湖エリアに行くには、まずは釧路空港または釧路駅を経由するのが一般的です。

関西国際空港や大阪国際空港(伊丹空港)から釧路空港や釧路駅へのアクセスは、前章を参考にしてください。

釧路空港から阿寒湖温泉までは「定期路線バス」と「阿寒エアポートライナー」が運行しています。

路線バス時刻表

路線バスは釧路駅発、釧路経由で阿寒湖温泉まで行くことができます(※時間は必ず最新の情報を確認してください)。

また、「阿寒エアポートライナー」は、釧路空港を出発して、途中「丹頂の里」と「雄阿寒分岐(ラビスタ阿寒川)」に停車して、終点は阿寒湖バスセンターで所要時間は約1時間15分。料金は大人2,190円、子ども1,100円です。

ただし、阿寒エアポートライナーは運行期間が決まっていますので、定期路線バスの時刻表もあわせて事前に詳細ページを確認するようにしてください。

釧路空港からレンタカーを利用する場合には所要時間は約1時間、釧路駅からだと約1時間半程度です。

大阪から摩周湖・屈斜路湖への行き方

摩周湖

摩周湖・屈斜路湖エリアは、摩周湖・屈斜路湖・美幌峠・砂湯・硫黄山といった絶景スポットが多く、阿寒湖と同じ阿寒摩周国立公園に属しています。また、川湯温泉のような温泉街もあり、人気の観光地です。

摩周湖・屈斜路湖エリアは道東の真ん中にあるので、大阪から摩周湖・屈斜路湖エリアに行くには、釧路空港・女満別空港・中標津空港を利用する方法があります。

釧路空港や釧路駅を経由して摩周湖・屈斜路湖へ行く場合

関西国際空港や大阪国際空港(伊丹空港)から釧路空港・釧路駅へのアクセスは、前章を参考にしてください。

釧路空港に到着したら以下の方法で行きます。

釧路駅からJR釧網線で摩周駅まで約90分。料金は1,890円(子どもは半額)です。摩周駅から摩周湖・屈斜路湖へは阿寒バスの定期路線バスが運行しています(時刻表はこちらのページのそれぞれ「摩周線」「屈斜路湖線」を参考)。

電車とバスのそれぞれの時刻表を確認する必要があるので、公共交通機関を利用する場合は少し大変です。

また屈斜路湖もバスだと屈斜路湖にしか行かないため、その他の観光地にアクセスできないのがデメリットです。

硫黄山や砂湯も巡りたいのであれば、運行期間の定めはありますが、釧路駅から出発している阿寒バスの運営するピリカ号や冬はホワイトピリカ号を利用することで、阿寒湖も含め効率よく観光地を周ることができます。

釧路空港からレンタカーを利用する場合、屈斜路湖や摩周湖へは1時間半程度で行くことができます。

女満別空港を経由して摩周湖・屈斜路湖へ行く場合

女満別空港を利用する場合、網走や知床(ウトロ)観光もする場合に便利です。

関西国際空港から女満別空港へは、Peach(ピーチ)の季節限定便が運行します。大阪国際空港(伊丹空港)から女満別空港への直行便はありません。

運航期間は、2024年は7月1日〜9月30日(月・水・土の曜日運航)で運行スケジュールは次の通りで非常に限られます。

  • 関西空港発12:45-女満別着14:55
  • 女満別発15:40-関西空港着18:15

この期間以外は、女満別空港へは、関西国際空港や大阪国際空港(伊丹空港)から新千歳空港や札幌丘珠空港を経由して、女満別空港へ行くしかありません。

新千歳空港から女満別空港へは、1日にJALが3便、ANAが3便運行しており、所要時間は約45〜50分です。

札幌から近い札幌丘珠空港から女満別空港には、JALが1日2便運行しており、所要時間は約50分です。

以前は女満別空港から阿寒バスの女満別美幌号(夏季限定1日2便)というバスがあったのですが、廃止されてしまい、現在は女満別空港から屈斜路湖・摩周湖へ公共交通機関を利用してアクセスする方法がありません。

そのため、女満別空港で車を借りて行きましょう。

女満別空港から屈斜路湖・摩周湖まではどちらも1時間程度で行けます。

新千歳空港・札幌丘珠空港から中標津空港を経由して摩周湖・屈斜路湖へ行く場合

摩周湖・屈斜路湖へは中標津空港経由でも行くことができます。

知床(羅臼)や野付半島も観光したいという人に便利な空港ですね。

新千歳空港から中標津空港へは、1日にANAが3便。札幌丘珠空港から中標津空港へは、1日にJALが2便運行しています。所要時間は新千歳空港・札幌丘珠空港からそれぞれ約55分です。

中標津空港からはレンタカーで行くしかありません。摩周湖・屈斜路湖どちらも所要時間は1時間程度です。

大阪から知床へのアクセス

フレペの滝

知床エリアは多くの観光スポットがあり、ウトロ側は知床五湖・オシンコシンの滝・知床峠・プユニ岬などの絶景が、羅臼側はカムイワッカ湯の滝や野湯、ホエールウォッチングなどが有名です。

知床半島

知床といってもどちらに行くのかでアクセス方法は変わります。

大阪から知床のウトロに行くには、7〜9月のみ運行の季節限定の直行便がある時期には女満別空港を利用するのがおすすめです。

関西国際空港から女満別空港へは、Peach(ピーチ)の季節限定便が運行します。運航期間は、2024年7月1日〜9月30日(月・水・土の曜日運航)で運行スケジュールは次の通りです。

  • 関西空港発12:45-女満別着14:55
  • 女満別発15:40-関西空港着18:15

大阪国際空港(伊丹空港)から女満別空港への直行便はありません。

直行便がない時期には新千歳空港から女満別空港行きの飛行機に乗り継ぎます。

羅臼に行く場合は中標津空港を利用しましょう。

大阪から中標津空港への直行便はないため、新千歳空港か札幌丘珠空港を経由して行くしかありません。

新千歳空港・札幌丘珠空港から女満別空港を経由して知床(ウトロ)への行き方

大阪から知床のウトロエリアに行くには、季節限定の直行便がある時期にはJAL(伊丹空港)またはPeach(関空)から女満別空港へのフライトを利用しましょう。

直行便がない時期には新千歳空港または札幌丘珠空港へ行った後、女満別空港行きの飛行機に乗り継ぎます。

新千歳空港から女満別空港へは、1日にJALが3便、ANAが3便運行しており、所要時間は約45〜50分です。

札幌丘珠空港から女満別空港には、JALが1日2便運行しています。所要時間は約50分です

女満別空港から「知床(ウトロ)」エリアまでバスを利用する場合には、女満別空港とウトロ温泉バスターミナルの直通バス(網走バス・斜里バス共同運行)「知床エアポートライナー」に乗車します。

ただし、知床エアポートライナーは期間限定(夏季6〜9月/冬季1月末〜3月上旬)の運行なので要注意です。所要時間は約2時間15分、料金は3,500円です。

「知床エアポートライナー」の運行期間外や乗車時間が合わない時には、女満別空港からバスとJRを利用してウトロまで移動できます。

移動方法は、女満別空港から網走バスの女満別空港線で網走駅に行き、網走駅からJR釧網線で知床斜里駅、そして、知床斜里駅から斜里バスでウトロ温泉バスターミナルです。

電車とバスの乗り継ぎは大変なので、知床エアポート運行期間以外は網走観光をして網走に宿泊して羅臼へ向かうのもおすすめです。

新千歳空港・札幌丘珠空港から中標津空港を経由して知床(羅臼)へ行く場合

大阪から中標津空港へは直行便がないため、羅臼に行くには新千歳空港か札幌丘珠空港を経由して行きます。

新千歳空港から中標津空港へは、1日にANAが3便、札幌丘珠空港から中標津空港へは、1日にJALが2便運行しています。

所要時間は新千歳空港・札幌丘珠空港からそれぞれ約55分ですぐの到着です。

中標津空港から知床(羅臼)までは、公共交通機関を利用する場合、路線バスを乗り継ぐしかありません。

この2通りの交通手段があります。

路線バスは、根室交通の中標津空港線に乗り中標津バスターミナルで下車、阿寒バスの羅臼行きに乗車します。

基本的にバスは本数が少ないので、乗り継ぐ場合は時刻表をよく確認しましょう。

車で行くのであれば中標津空港から約1時間15分で行くことができます。

大阪から網走へのアクセス

網走監獄

網走エリアは、博物館網走監獄・北方民族博物館・オホーツク流氷館・道の駅 流氷街道網走といった観光地が有名ですね。

大阪から網走に行くには、女満別空港を利用するのが一般的です。

関西国際空港や大阪国際空港(伊丹空港)から女満別空港へのアクセスは、これまでの内容を参考にしてください。

女満別空港から観光スポットが集まる網走駅前に行くにはバスまたはレンタカーやタクシーで行く方法があります。

女満別空港から網走駅前までバスを利用する場合

女満別空港から網走バスの女満別空港線(網走バスターミナル行き)に乗車します。網走駅までの所要時間は約26分、料金は1,050円です。

女満別空港から網走駅前までレンタカーやタクシーを利用する場合

女満別空港から網走駅までは、国道240号線と国道39号線を経由して19.7㎞、所要時間は約23分です。

大阪から野付半島へのアクセス

野付半島のトドワラ

「この世の果て」ともいわれる野付半島には公共交通機関がないので、大阪から野付半島に行くには、中標津空港や釧路空港を利用し、そこからレンタカーで行くのが一般的です。

釧路空港へ直行便で野付半島に行く場合

関西国際空港から釧路空港へは、7〜9月の間だけPeach(ピーチ)の季節限定便が運行します(残念ながら、大阪国際空港(伊丹空港)から釧路空港への直行便はありません。)。

直行便はこの通り夏にしか運行されていないので、この期間以外は次の新千歳空港経由で行くしかありません。

新千歳空港・札幌丘珠空港から中標津空港を経由して野付半島へ行く場合

中標津空港を利用する場合は開陽台などを観光したい人にもおすすめです。

新千歳空港から中標津空港へは、1日にANAが3便。札幌丘珠空港から中標津空港へは、1日にJALが2便運行しています。所要時間は新千歳空港・札幌丘珠空港からそれぞれ約55分です。

中標津空港から野付半島ネイチャーセンターまではレンタカーで約40㎞、所要時間は約50分です。

新千歳空港・札幌丘珠空港から釧路空港を経由して野付半島へ行く場合

釧路空港を利用する場合は釧路湿原や阿寒湖の観光をしたい人にもおすすめです。

新千歳空港から釧路空港へはANAが1日3便運行、札幌丘珠空港から釧路空港へはJALが1日4便運行しています。

釧路空港から野付半島ネイチャーセンターまでは、レンタカーで144㎞の距離、所要時間は約2時間22分です。

大阪から十勝・帯広へのアクセス

幸福駅

十勝・帯広エリアは、北の屋台や愛国駅・幸福駅・鹿の湯・ナイタイ高原牧場・池田ワイン城などが有名で、帯広駅から少し離れた場所に観光スポットが点在しています。

とかち帯広空港には、関西国際空港や大阪国際空港(伊丹空港)からの到着便、新千歳空港からの到着便がありません。

そのため新千歳空港からJRやバスで帯広駅に向かいます。

新千歳空港駅からJRを利用して帯広駅に行く方法

①新千歳空港駅から快速エアポートに乗り南千歳駅(約3分)

②南千歳駅からJR石勝線の特急おおぞら 釧路行に乗車して帯広駅駅(約2時間6分、運賃は2,730円)

新千歳空港駅からバスを利用して帯広駅に行く方法

新千歳空港から帯広駅バスターミナルまでは、北都交通の都市間高速バス「とかちミルキーライナー」が運行しています。所要時間は約2時間40分、運賃は大人3,800円、子ども1,900円です。

ただし、これらは帯広駅までのアクセス方法なので、広い十勝をどのように巡るかによってアクセス方法は変わります(帯広駅前はあまり観光スポットはありません)。

レンタカーを利用しない場合、基本的には路線バスを利用するか観光バスを利用するしかありませんので、目的に応じてツアーを選んでみてください。

まとめ

大阪から道東エリアへの行き方についてご紹介しました。関西国際空港や大阪国際空港(伊丹空港)から道東の空港の直行便は季節限定便しかないため、新千歳空港に一度降りてから道東エリアに向かわなければならないので少し面倒です。

しかし、その手間をかけただけ、札幌など道央にはない絶景を楽しめるのが道東の魅力です。

そして、ローカルバスや電車など公共交通機関を使う場合は事前に時刻表をしっかりと確認し、廃線の可能性もあるので最新情報を必ず確認するようにしてください。

まだまだ寒い春の道東エリア天気と服装で気をつけるべきことを在住者が解説

呼人探鳥遊歩道

近年の温暖化により北海道も暖かくなってきているようです。

とはいえ、春になると本州だと夏日になることも珍しくなくなっていますが、道東の春はまだまだ寒いので服装には注意が必要です。

特に北海道は夏の時期よりも、冬や春の時期のほうが本州との温度差が生じやすくなります。

とくに道東エリアは北海道内でも冷涼な地域のため、春に北海道旅行を計画している場合は注意が必要です。

ぽかぽか陽気に誘われたつもりでやって来ると、冬に逆戻りした気持ちになってしまうかもしれません(私もいつ春が来るんだろう?とずっと思っていました…)

道東の主要都市である釧路、網走、北見と札幌を比較して、月別の地域ごとの気温や湿度、降水量を掲載しています。

道東エリアの各地域と札幌との気候の比較や、服装選びのコツをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

道東の天気

道東でこれらの都市以外に観光予定の場合は、太平洋側であれば釧路、オホーツク側であれば網走、内陸であれば北見と気候が近いと考えてください。

かなり詳細に解説していますので、春に道東エリアを訪れるときは、ぜひ参考にしてください。

3月の気温と天気、服装

3月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 1.1 -1.3 -1.9 -0.4
日の最高気温(℃) 4.5 2.3 3.3 3.3
日の最低気温(℃) -2.4 -4.9 -7.6 -4.2
合計降水量(㎜) 77.6 39.3 35.1 55.9
合計積雪量(㎝) 74 52 81 31
合計日照時間(時) 144.7 172.4 157.6 200.8

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

本州の多くの地域では梅や桜が咲き始め、春の訪れを感じる3月ですが、北海道にはまだ雪が残り、とても春と呼べる気温や気候ではありません。

この時期の東京の平均最高気温は14℃ほどなので、北海道内の地域と比べると10℃~12℃ほど気温に差があります。

そのため、3月に北海道へ行くときは、道東に限らず春ではなく冬のコーディネートが必須となります。

アウターにダウンジャケットや冬物の厚手のコートを着用している道民は少なくありません。長時間外を歩く場合は、マフラーや手袋の用意をしておくとよいでしょう。

ただし、3月の札幌は気温や天気が読みにくい面もあり、2021年には3月史上最高となる17.1℃を記録したかと思えば、2024年は最低気温がマイナス5℃以下の気温が一週間続きました。積雪量も中旬で0㎝となった年もあれば、平年の1.5倍も降った年も。

この時期の気温や天気の乱高下は、道民も体調を崩しやすくなるほどです。

なので、寒さに備えてインナーダウンを用意したり、暑さ対策に脱ぎ着しやすい服装を心がけることが大切です。

網走の気温と天気、服装

道東エリアのオホーツク海側の網走は「3月のドカ雪」に注意しましょう。湿った空気を多く含んだ爆弾低気圧が発生しやすい時期のため、ずっしりと重い雪が一晩で一気に降り、交通機関が麻痺してしまうことがあります。

猛吹雪になると体感温度が下がるので、天気が荒れる予報がされるときは、札幌の服装にプラスして上下ヒートテックのインナー、厚手のセーター、裏起毛のボトムスなど、冬の終わりではなく真冬を想定した服装がよいでしょう。天気予報を見て雪の予報があるかどうか確認してください。

また、吹雪のときは無理に外出しないという選択も大切です。

靴は天気に関係なく、長靴またはスノーブーツがおすすめです。ムートンブーツは保温性はあるものの、雪解け水を吸って濡れてしまうので、防水性を重視したタイプを選ぶようにしてください。

北見の気温と天気、服装

同じオホーツク海側でも、内陸にある北見は寒さがより厳しくなります。

網走の真冬用の服装をベースに、イヤーマフやネックウォーマー、帽子などで肌の露出を極力避けてください。足元はスノーブーツを選び、寒さ対策として靴用のカイロを準備しておくとよいでしょう。

屋外のアクティビティに参加する場合は、スノーウェアーなど防寒性に優れたものを選んでください。

暖かそうという理由でボトムスにデニム(ジーンズ)を選ぶ人がいますが、デニムは保温性が低いため寒い時期にはおすすめしません。北見は雪も多いので、雪で濡れたデニムがマイナスの気温で凍ると体温が奪われてしまいます。

釧路の気温と天気、服装

同じ道東エリアでも、太平洋側の釧路は北見のように積雪は多くありません。

オホーツク海側と同様に低気圧の影響を受けやすいものの、ドカ雪の心配は網走ほどありませんが、風が強く吹き、体感温度がぐっと下がります。

服装は保温性のあるインナーにトレーナーやフリースなどを重ね、さらにアウターは厚手のダウンやコート、ボトムスは保温性だけではなく、風を通しにくい素材を選ぶようにしましょう。

湿原など野外へ出かけるときは足元がぬかるむので、長靴やブーツがおすすめです。

4月の気温と天気、服装

4月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 7.3 4.5 5.1 4.0
日の最高気温(℃) 11.7 9.1 11.1 8.0
日の最低気温(℃) 3.4 0.6 -0.6 0.7
合計降水量(㎜) 54.6 51.2 45.0 79.4
合計積雪量(㎝) 6 15 26 7
合計日照時間(時) 175.8 178.6 165.5 182.2

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

4月になるとフクジュウソウや水芭蕉、フキノトウなど春を訪れる花が咲き始めます。

4月の札幌の気温は東京の1~2月並みですが、札幌の街中ではダウンや冬物のコートを着ている道民は少なくなります。

防寒性に優れた素材(ナイロンなど)のアウターに、中はパーカーやフリース、ヒートテックなどの防寒インナーなどを重ね着するなどして寒さ対策を行っている人が多いです。

下旬に近づくにつれ気温が上がり、ようやく春の訪れを感じるように。

長袖のシャツやカットソーに春物のアウターの組み合わせでも過ごせるようになりますが、朝晩は冷えやすいので、山間部など郊外へ向かう場合はインナーを着込むか、厚手のアウターを一枚用意するとよいでしょう。

 

網走・北見の気温と天気、服装

道東エリアの網走や北見は、札幌と比べて朝晩の気温差が大きいので、同じような気温でも寒さをより感じやすくなります。

とくに北海道外から訪れる場合は、上旬から中旬くらいまではダウンや冬物のコートを持っていくとよいでしょう。野外の観光が多いのであれば、さらにストールや手袋があると安心です。

中旬以降は雪解けが一気に進み、靴をブーツから夏物のスニーカーに変えても大丈夫になりますが、地面からの底冷えがあるので、厚手の靴下を履くことをおすすめします。

また、最近は温暖化により減ったものの、4月はいきなりまとまった雪が降り、昨日までアスファルトが見えていた道路が再び雪に覆われてしまうこともあります。

北海道内でも比較的温暖な札幌や函館などでは、4月中旬には冬用のスタッドレスタイヤを夏用タイヤに交換する人が多いですが、道東では5月のGW明けに行う人が多いのもその理由。

旅行バッグに靴を何足も持っていくのは大変という場合は、冬物の靴を選んでおくとよいでしょう。

なお、この時期は歩く際の「泥はね」に注意してください。

日中気温が上がると雪が溶け道路がびちゃびちゃになります。道がきちんと舗装されていない場所では水たまりになることもあります。

雪が溶けてシャーベット状態になったところを歩くと、ズボンやスカートの裾やふくらはぎ側に泥水が飛んでしまうため、白いボトムスだと汚れが目立ってしまいます。

雪解けシーズンに北海道を訪れるときは、ボトムスは汚れが目立たない色または汚れてもいいものがおすすめです。

釧路の気温と天気、服装

太平洋沿岸にある釧路の4月は、風が強く、実際の気温以上に寒さを感じやすいです。

さらに、北海道付近で低気圧が発達すると、気温は低下し、横殴りの雨や雪の悪天候に見舞われる可能性が少なくありません。

4月でもダウンやヒートテック、手袋、ニット帽子など基本的には冬用の服装で問題ありません。首元の風除けにハイネックを選ぶのもおすすめです。

平地であれば雪は少ないので、雪を避けるという理由ではスノーブーツまでは必要ありませんが、雨の日が増えてくるので、雨予報であれば撥水性の高い靴を選ぶか、防水スプレーを吹きかけておくとよいでしょう。

また、網走や北見と同様に、雪解けによる泥はねには注意が必要なので、汚れてもいいボトムスや靴を用意しておくことをおすすめします。

5月の気温と天気、服装

5月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 13.0 9.8 11.2 8.6
日の最高気温(℃) 17.9 14.6 17.8 12.6
日の最低気温(℃) 9.0 5.8 5.2 5.4
合計降水量(㎜) 55.5 64.1 56.2 115.7
合計積雪量(㎝) 1 1 0
合計日照時間(時) 200.4 187.1 174.9 177.5

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

5月に入ると、北海道にもようやく遅い春が訪れ、日によっては「暑いな」と感じる日もあります。

鹿児島から北上した桜前線がいよいよ北海道にも到達し、上旬から中旬にかけて各地で美しいピンク色の花を咲かせます。

札幌は天気が安定している時期で、衣替えを行う人が多くなります。道民でも「さすがにもう冬物は着ないだろう」とクリーニングに出し、たんすやクローゼットは春物や夏物に変わります。

服装はインナーに長袖のシャツ、カーディガンや薄手のジャケットでOKになりますが、ボトムスに半ズボンやミニスカートを選んでしまうのはやや早計です。

とくに下旬からは「リラ冷え」と呼ばれる気温の低下に注意が必要になります。いわゆる寒の戻りで、本州では「花冷え」と呼ばれるもの。

リラとはライラックのことで、5月は札幌市内のあちこちにライラックが綺麗に咲き誇るのですが、思いがけず急に寒い日が続くこともあります。スプリングコートやパーカーなど、羽織り物を持ち歩くのがよいでしょう。

網走の気温と天気、服装

オホーツク海側の網走でも、気温が上昇して春らしくなり夏日も何日かあります。

20度を超えるような日は、晴れていると暑さも感じ半袖でも問題なく過ごせます。

そのため、日中の観光であれば薄着でも大丈夫ですが、最低気温は5℃前後と朝晩は冷えます

朝早くの観光や夜まで観光にでかけるのであれば、セーターやコートを持っていくと安心です。

また、海からの冷たい風が吹くと気温がぐんと下がりますが、反対にフェーン現象によって30℃以上の真夏日になることもあります。日によって暑かったり寒かったりがとても激しいのは、この時期のオホーツク海側地域の風物詩。

服装は天気予報を見てフレキシブルに対応できるようにしましょう

北見の気温と天気、服装

同じオホーツク海側でも、北見は晴れる日が多く、気温もそこまで高くないため、比較的過ごしやすい時期ではあるのですが、フェーン現象により30℃の真夏日を超える日もあります。

2019年5月26日には年間を通じて観測史上最高となる38.1℃を記録したものの、当日の最低気温は11.8℃と、1日で25℃以上の気温差というとても極端な例もありました。

ここまでの気温差が生じるのは稀ですが、北見など内陸は盆地ならではの気候により、朝晩の寒暖差が大きい地域なのは間違いないので、旅行中の天気予報で夏日が続いていても、必ず長袖は持っていくようにしてください

さらに、この時期の北見は、周期的な低気圧の通過などにより、風に悩まされやすいです。

帽子を被るときは吹き飛ばないようにあご紐などがあるタイプを選ぶか、一体型のパーカーにする、コートやジャケットは前でボタンやチャックがしっかりと閉められるものを選ぶのがよいでしょう。

釧路の気温と天気、服装

5月の釧路はまだまだ肌寒いと考えてもらってもいいでしょう。

北海道に辿り着いた桜前線が、もっとも遅くに到達するのが最東端にある根室で、例年5月の上旬に満開を迎えます。

最北端の稚内のほうが寒いので桜の開花が遅いと想像する人は多いですが、この時期は道北よりも道東のほうが気温が低いため、根室の隣の釧路にも最後のほうに桜の便りが届きます。

釧路の気温は札幌と比べて5℃ほど、東京とは10℃近く低いです。

東京ではゴールデンウィークくらいから夏日が出現し、暑い日が続きますが、釧路の5月の平均気温は8.6度まだまだ肌寒い日が続きます。

そして、桜の時期といっても曇りや雨の日が多く日中でも冷えるので、セーターやフリースに、ダウンジャケットやウィンドブレーカーなどの防水性・防風性の高いアウターを組み合わせるとよいでしょう。

夜はとくに冷えるので、阿寒湖に行ったり釧路湿原でカヌー下りなどをする予定がある場合は、インナーを着用し、セーターやフリースの上に冬物のコートに手袋、マフラーを持参するなど、防寒対策をしっかりと行ってください。

まとめ

道東の春の気候と服装についてご理解いただけましたでしょうか。

同じ北海道とはいえ、札幌とも全く気候が違い、道東でもこれだけの違いがあるので服装選びは悩ましいものです。

日中の気温が低く見えても日が出てるとかなり暖かく感じるのもこの地域の特徴かなと思います。

春は暑さと寒さの両方を体験する時期ですが、寒さの度合いは東京などとは大きく違うので、とくに4月や5月に道東旅行をするのであればしっかりと防寒をするようにしましょう。

春だからこそ行きたいスポットを以下の記事でまとめていますので、こちらのぜひ道東旅行の参考にしてみてくださいね!

【保存版】春に行くべき道東の観光スポットとおすすめイベントを全力で紹介!

夏でも涼しい!道東エリア天気と服装で気をつけるべきことを在住者が解説

避暑地として観光客に人気の北海道ですが、近年は本州や沖縄並みに気温が高い日も少なくありません。

とくに、札幌や小樽、函館といった主要観光地は、北海道内でも暑いエリアに該当するので、「北海道はもう避暑地ではない」とがっかりしてしまうことも。

2023年の猛暑では道内でも内陸部では35度を超える日も…。

一方で、広い北海道はエリアによって気候は異なり、とくに道東エリアは今でも北海道らしい夏が過ごせます。

そのため、道東エリア以外を訪れた人からの「北海道は暑いから軽装で大丈夫」といったアドバイスを真に受けて服装を考えてしまうと、現地では寒さに悩むことになるかもしれません

とはいえ非常に広い道東は地域によって気候が異なります。

ここでは、道東の主要都市である釧路、網走、北見と札幌を比較して、月別の地域ごとの気温や湿度、降水量を掲載しています。道東エリアの各地域と札幌との気候の比較や、服装選びのコツをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

道東の天気

これらの都市以外に観光予定の場合は、太平洋側であれば釧路、オホーツク側であれば網走、内陸であれば北見と気候が近いと考えてください。

6月の気温と天気、服装

6月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 17.0 13.5 15.4 12.2
日の最高気温(℃) 21.8 17.7 21.3 15.8
日の最低気温(℃) 13.4 10.2 10.3 9.5
合計降水量(㎜) 60.4 68.1 66.2 114.2
相対湿度の平均(%) 72 80 記載なし 87
合計日照時間(時) 180.0 172.2 157.2 126.8

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

本州以南は本格的な夏の暑さの前に梅雨入りとなる6月。

札幌は暑くも寒くもない快適な気温と、一年でもっとも雨が少ない時期にあたるため、観光に訪れるなら絶好のタイミングとなります。

日中は25℃くらいまで上がる日もあり暑くなります。しかし、朝晩は気温が下がるので、一枚で一日を過ごすのではなく、半袖のトップスやTシャツをベースとして、寒さ対策に長袖のジャケットやカーディガンを持ち歩くとよいでしょう。

道東は6月は天気がグズつきやすく、寒かったり暑かったりする忙しい月です。

道東エリアの中でも上(北)に位置する北見は、緯度の高さからなんとなく寒いイメージを持たれますが、実際には内陸で盆地のため、夏は気温が高くなりやすい地域です。データ上でもほぼ札幌と同じなので、基本的には札幌と似た服装で過ごせます。

ただし、北見は地理的要因などから、気温の乱高下が激しい地域でもあるので要注意です。2018年の6月を例にすると、一週間以内に最高気温が30℃を超える日があるかと思うと、10℃に届かない日があったりと、ジェットコースターのような変わり様です。

北見の天気

2018年6月の北見の気温

過去に峠で雪が降ったこともあるので、服装は半袖から長袖、生地は薄手から厚手まで、臨機応変に対応できるように準備するのがよいでしょう。

とくに山間部に出かける場合は、念のために重ね着ができるものや厚めのアウターを持参するようにしてください。

これに対し、網走や釧路の沿岸部は札幌や北見に比べて気温が低く、最高気温が20℃に到達しない日も珍しくないのが一般的です。

釧路の天気

2023年6月の釧路の天気

2023年6月の網走の天気

2023年6月の網走の天気

見ていただければわかりますが、オホーツク側の網走のほうが晴れが多く気温も高いです。ですが、朝晩は冷えるので寒さ対策は必須です。

寒さ対策としてアウターを持ち歩くのは同じでも、ウィンドブレーカーやマウンテンパーカーなど風を通しにくい素材を選び、インナーは半袖よりも長袖がおすすめです。

とくに釧路は、晴れの日が少なく、暑がりの人以外は半袖で過ごせるのは稀。

霧が出やすく降水量も多いので、気温以上に肌寒さを感じます。10~15℃の気温は東京では2~4月に該当するので、6月といっても夏ではなく晩冬や初春をイメージして半袖の上に羽織るものを用意しておくと安心です(とはいってもダウンのような厚手のものは必要ありません)。

また、北海道には梅雨がないといわれていますが、6月中旬くらいになると冷涼湿潤のオホーツク海高気圧が張り出して、オホーツク海側や太平洋側はぐずついたすっきりしない天気が続きます

札幌ではあまり見られない天気なのですが、オホーツク海側や太平洋側に住んでいる方はこれを「蝦夷梅雨」と呼ぶこともあります。

そのため、朝は晴れていても日中に小雨や霧に見舞われることが少なくないので、足元はサンダルやミュールのような肌を露出するタイプよりも、スニーカーなどしっかりと覆われたものを選ぶのがよいでしょう。

折り畳み傘を持ち歩くのもおすすめです。

7月の気温と天気、おすすめの服装

7月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 21.1 17.6 19.1 16.1
日の最高気温(℃) 25.4 21.4 24.6 19.6
日の最低気温(℃) 17.9 14.6 14.7 13.6
合計降水量(㎜) 90.7 85.8 94.5 120.3
相対湿度の平均(%) 75 82 記載なし 88
合計日照時間(時) 168.0 167.6 153.4 118.9

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

7月に入ると、札幌でも最高気温が25℃を超える日が多くなり、30℃以上の真夏日となることも少なくありません。都市部は半袖に半ズボンやミニスカート、サンダルなど身軽な服装で歩く人が増えてきますが、日焼けや室内のエアコン冷えを避けるために薄手の長袖シャツを着ている人もいます。

内陸の北見も、フェーン現象などにより30℃を超える日があり、直近では2021年、2023年に35℃を超える猛暑日を記録するなど、北海道内でも厳しい暑さに見舞われやすい地域になります。

なので「北海道の夏は涼しい」というイメージが先行しすぎて必要以上に着込んでしまうと、熱中症の危険が高まるので注意してください。外出時はサングラスや帽子などで日光を遮るようにしましょう。

また、最高気温が30℃を超えても、最低気温が11℃近くまで下がるなど、1日の寒暖差がとても激しいのも内陸性の北見の特徴。さらに北海道では稀な熱帯夜(夜間の最低気温が25℃を下回らない)も北見ではたびたび起こっており、服装は暑さ・寒さともに対策が必要な地域といえるでしょう。

面倒でも、体温調節ができるように薄手の半袖から厚手の長袖、上着までしっかりと用意するようにしてください。

同じオホーツク海側でも沿岸の網走は7月でもそこまで暑くならず、雨量も多くないので過ごしやすいです。

流氷の町だから夏も寒いと思われがちですが、北海道内では年間を通して比較的気候は穏やかな地域です。とはいえ、日中は半袖で過ごせる陽気でも、日が陰ると一気に寒くなるので、カーディガンやジャケットの持参は必須になります。

釧路は気温が夏日(25℃)を超える日は少なく、酷暑が深刻な話題となった2023年も、30℃を超えた日は一日もありませんでした…!

2023年7月の釧路の天気

2023年7月の釧路の天気

ただ、気温を見ると一見涼しそうと思うかもしれませんが、霧が発生し湿度が高い釧路は25度を超えるだけで非常に暑く感じます。また、冷房がない施設も多いので、猛暑の年だと思っているよりも暑く感じると思っておきましょう(多くの旅行者が「普通に暑かった」と言ってました)。

2023年は異常な年ですが、例年だと平均気温が15℃前後なので、場合によっては半袖ではやや肌寒く感じる人もいるかもしれません。

とくに海に近いところでは風が強く、体感温度はさらに下がります。室内でも寒さを感じ、7月にもかかわらずストーブを点けることがあるのが釧路の気候の特徴でもあります。

そのため、通常は夏でもアウターは必須と考え、必ず持ち歩くようにしましょう。20℃を超えると半袖でも過ごせますが、北海道外からお越しの場合は、長袖長ズボン、もしくは半袖に羽織れるものを基本的な服装と考えておくのがよいでしょう。

釧路からアクセスしやすい阿寒湖や摩周湖は内陸のため、釧路よりも気温が高いことが多く、夏は暑いです。

釧路湿原のカヌー下りなど自然体験型のツアーや、自転車でサイクリングなどのアクティビティを予定している場合は、薄手のインナーを重ね着して気温に応じて脱ぎ着できるようにしておくのがおすすめです。

特に早朝からのツアーを参加する場合は、冷え込むことが想定されます。

カヌー

また、日除けとしてキャップやハット、サングラスもあると望ましいです。

そして、カヌーやトレッキングなどに参加する場合は思った以上に靴が汚れる可能性があるので、汚れてもいい、できれば防水の靴を用意することをおすすめします。持っていなければワークマンなどのもので十分です。

トレッキングシューズ

アウトドアを楽しむのであれば、白のスニーカーやヒールは避けましょう。

8月の気温と天気、おすすめの服装

8月の各都市の気温や降水量は以下の通りです。

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) 22.3 19.6 20.2 18.2
日の最高気温(℃) 26.4 23.3 25.4 21.5
日の最低気温(℃) 19.1 16.6 15.9 15.7
合計降水量(㎜) 126.8 115.3 128.9 142.3
相対湿度の平均(%) 75 81 記載なし 87
合計日照時間(時) 168.1 163.9 148.5 117.6

参考:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平均値を表示

8月の札幌は1年でもっとも暑い時期です。

北海道の短い夏を謳歌すべく、道民でもポロシャツやノースリーブ、ワンピースなど軽装かつ、風を通しやすい素材を着用する人がよく見られるようになります。

25℃の夏日や30℃の真夏日を記録する日もあり、2023年の札幌は観測史上初の36.3℃を記録しています。

しかし、そんな中釧路や根室といった太平洋側の気温は低く、網走も暑いものの札幌ほどではありません。

2023年8月23日の北海道の天気

2023年8月23日の北海道の天気

一方北見では、37.1℃と札幌よりも高い気温となりました。

当然ながら日中は半袖、半ズボンでも暑いくらいで汗もかきやすくなるので、吸水性・速乾性に優れた素材や、襟や袖が開いていて風通しのよいものを選ぶのがよいでしょう。

ただし、夜間は20℃を超えないことが多いため、遅くまで外出する場合や山間部へ行くときは、8月といっても上に羽織るものが必要になります。北見に関しては、猛暑と冷涼の両方を想定した服装の準備が大切といえます。

一方で、北海道一冷涼な地域である釧路では、8月でも長袖は必須です。

あったほうがいいかも?ではなく、必ず長袖の羽織り物を用意するのがよいでしょう。冗談に聞こえるかもしれませんが、本州でもとくに暑い地域に住んでいる人が8月に釧路に来ると、あまりの寒さにフリースを着込むことがあるほどです。

エアコン普及率を見ても、北海道は42%と全国最低となっていますが、釧路は5%と北海道の中でも飛び抜けて普及していません。それだけ夏が暑くないことを示唆しています(近年は暑くなっているようですが…)

網走は北見よりも暑くならず、釧路よりも寒くならないので、道東エリアでは比較的落ち着いた気温といえるでしょう。日中に半袖半ズボンがやや肌寒いと感じる場合は、七分袖のボトムスに風通しの良い薄手の長袖でも過ごしやすいです。

北海道は「お盆を過ぎると秋になる」といわれ、8月中旬から下旬にかけては厳しい暑さが収まり、30℃を超える日は少なくなります。

網走や釧路では札幌、北見よりもさらに短い夏を実感するでしょう。お盆を過ぎると雨量も多く、肌寒さから、季節が夏から秋へと移り変わるのを感じ始めます。

そのため、8月上旬から中旬までは夏の装い、下旬は秋の装いを意識して服装を選ぶのがよいでしょう。

なお、北海道は湿度が低いから、夏はカラッとしていて過ごしやすいといわれますが、実は湿度は札幌のほうが東京よりも高いです。湿度が高いのにジメジメしていない理由は、気温が低いからなのですが、道東エリアのホテルやペンションなどの宿泊施設では、エアコンが全室完備されていないところが少なくありません。

夜間は、日中に熱せられた壁が発する温かい空気によって室内が蒸し暑くなり、窓を開けるだけでは寝苦しさを感じるかもしれません。出歩く服装だけではなく、夜寝るときの服装としてパジャマは半袖・半ズボン、長袖・長ズボンの両方を用意しておくと安心です。

そして、アウトドアを楽しむ方は7月の服装でも触れましたが、汚れてもいい靴や日除けを用意するようにしましょう。

まとめ

道東の夏の気候と服装についてご理解いただけましたでしょうか。

同じ北海道とはいえ、札幌とも全く気候が違い、道東でもこれだけの違いがあるので服装選びは悩ましいものです。

基本的には夏は日中であれば半袖でも大丈夫ですが、天気が悪くなった場合や風が強くなると一気に冷え込むのが本州との違いかなと思いました(東京とかだと風が吹いても熱風ですしね)。

そのため、荷物はかさばりますが、寒いよりはマシなのでアウターはしっかりと用意しておきましょう。

そして、せっかく道東に来るのであれば自然やアクティビティも体験しておきたいところです。

そうした場合は、日除けや靴も街歩き用ではなく、できればアウトドアに適したものがあるとベターです。

夏だからこそ行きたいスポットを以下の記事でまとめていますので、こちらのぜひ道東旅行の参考にしてみてくださいね!

本物の夏の道東を楽しむ!自然・グルメ・アクティビティを詳しく紹介します

冬の道東観光前にチェック!冬の天気と気を付けるべき服装を在住者が解説

スノーブーツ

北海道の冬は当然寒く、観光の際にはそれに応じた服装が必要です。

しかし北海道は、南側の一部の沿岸地域を除いて亜寒帯気候に属するため、全域が冷涼低湿の気候ですが、冬の時期の寒さの「質」は、区分けされる4つのエリア(道南・道央・道北・道東)によって異なります。

なかでも、道東エリアは面積31,017㎡と4つのエリアでもっとも広く、オホーツク海に面した網走、網走より内陸の北見、太平洋側の釧路では、地域によって異なった気候や風土があります

道東の天気

数字ではその広さがよくわからないという人は、道東エリアは鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県を合わせた中国地方に匹敵する面積といわれれば、どれほどのスケールなのか実感できるのではないでしょうか?

北海道観光の定番の札幌や函館とは全く天気や気温が違うので、冬に道東エリアへ旅行などで出向くときには、行く先の天気に合わせた服装が必須です。

以下に、札幌と比較しながら、網走・北見・釧路の月別の地域ごとの気温や積雪量を掲載しています。

北海道の代表的な都市である札幌の気候と比較しながら、冬の道東エリアの服装選びについて解説しますので参考にしてみてください。

これらの地域に行く場合は、目的地が太平洋沿いなのか、オホーツク側なのか、内陸エリアなのかでそれぞれ釧路、網走、北見の天気や服装を参考にするとわかりやすいです(とはいえ道東は広く場所によって微妙に違うので、参考程度にしていただきしっかり防寒をしていただければ大丈夫です)。

12月の気温と天気、服装

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) -0.9 -2.4 -5.1 -1.9
日の最高気温(℃) 2.0 0.7 0.0 2.5
日の最低気温(℃) -4.0 -6.0 -10.8 -7.0
合計積雪量(㎝) 113 71 92 26
最深積雪(㎝) 47 29 39 17
雪日数(日) 27.8 24.1 記載なし 12.6

参照:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平年値を表示

札幌市は、12月に入ると本格的な冬のシーズンが到来し、都心部でも積雪になります。

北海道全域に積雪量が多いイメージがあるのは、「北海道最大の都市である札幌でこんなに雪が積もっているのだから、ここよりも地方に行けばもっと雪が降っているのだろう」という思い込みが関係しているかもしれませんね。

しかし実際には、札幌は北海道の中でもとくに積雪量が多い地域であり、上記の表でもわかるようにほかの地域は札幌ほど雪は積もりません。

冬の道東エリアは基本的に天気のいい晴天が多く、たまに雪が降ると考えておくといいでしょう。

釧路の天気

2023年12月の釧路の天気

思ったよりも雪が少ないことに驚いたのではないでしょうか?

また気温が低く感じると思いますが、日中は日が照っているので気温ほどは寒くは感じません。

太平洋側の「釧路」は、12月上旬くらいまでは雪が降っても根雪(降り積もった雪が長期間消えずに残っている状態)にはなりません。積もり始めるのは例年、中旬を過ぎたあたりからで、それでもいきなり足元が埋もれるほど深く積もることはほとんどありません。

一方で、日陰などでは、溶けた雪が凍って雪道以上に滑りやすくなるアイスバーンが出現します。

アイスバーン

なので、12月に釧路に出かけるなら、雪対策よりも凍結路面の対策を考えた靴がおすすめです。やわらかいゴム底の靴を選ぶと、凍結路面に底がくっついて滑りにくくなります。

12月だとそれほど寒くはありませんが、網走や釧路のような海岸の街は、海風が強く体感気温が下がるので非常に寒さを感じやすくなります。

アウターは厚手のダウンジャケットや冬物のコートを着用し、手袋や帽子、マフラーなどで肌が直接、外気に触れないようにしてください。ダウンジャケットやコートは頭や耳を守るためフード付きのほうが、風避けや雪避けに重宝します。

内陸側の「北見」は盆地のため気温の寒暖差が激しく、朝晩の冷え込みが厳しくなります。

網走や釧路と同様に防寒対策を意識した服装に加えて、こちらは積雪量も多いので、足元はスノーブーツなど、足首の上まで覆うタイプを選ぶようにしてください。丈の短い靴で歩くと雪が入りやすくなります。

スノーブーツ

これくらいの丈があれば道東はとりあえず安心です

ただし、12月は札幌ほどではないにせよ、道東でもどこも雪は降るため、よほど整備された道しか歩かないという場合を除きスニーカーなど足首が出る靴はおすすめしません。

1月の気温と天気、おすすめの服装

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) -3.4 -5.1 -8.0 -4.8
日の最高気温(℃) -0.4 -2.2 -2.6 -0.2
日の最低気温(℃) -6.4 -8.9 -14.2 -9.8
合計積雪量(㎝) 137 90 109 32
最深積雪(㎝) 76 46 65 23
雪日数(日) 29.1 27.0 記載なし 14.3

参照:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平年値を表示

曇りや雪の日が多い札幌と比べて、1月の道東エリアは12月と同様に「道東晴れ」と称される空気の澄んだ晴れの日が多い時期になります晴れてはいますが気温は低く、本格的な冬の到来を感じる時期です。

空気が乾燥しているため、雪が降っても水分を含んでおらずさらさらとしているので、アウターがびしょびしょになるほど濡れてしまうのは稀です。

それでも、アウターが濡れてしまうのが気になる場合は、お手持ちのアウターに撥水加工を行うとよいでしょう。

元々表面がツルツルとした素材であれば、ドカ雪が降らない限りは歩いているだけで勝手に滑り落ちていくので、アウター選びに悩んだときはお役立てください。

おしゃれにこだわらず、とにかく防寒・防水を一番に考えるなら、スキーウェアやスノーボードウェアの着用もよいでしょう。

スキーウェア

スキーやスノボをやらない人はこうした服は持っていないかもしれませんが、ユニクロやワークマンで防風機能のあるダウンを用意すれば十分でしょう。

なお、北海道の建物は非常に気密性が高く、冬は暖房が効いているのでとても暑くなります。

外と室内を行き来するのであれば、アウターやスキーウェアの下は重ね着をして、必要に応じて脱着できるようにすることもポイントです。

防寒対策になる重ね着のポイントとして、肌に直接触れる下着やインナーは綿素材よりも、吸水性や速乾性に優れたポリエステルや、ヒートテックなどの発熱素材がおすすめです。

綿は速乾性がないので汗が乾きにくくなり、体を冷やす原因となります。

インナーの上には、空気の層を作って保温効果を高めてくれるフリースやセーター、インナーダウンジャケットを重ねます。アウターは12月と同様にダウンジャケットや冬物のコートで構いませんが、やや大きめのサイズを選ぶと空気の層ができて温かさを保ちやすくなります。

そして、防寒対策と並んで気を付けたいのが、足元の準備です。

1月はどこも朝晩は特に路面がツルツルになるアイスバーンに要注意です。

アイスバーン

これだけ凍っているとスニーカーや革靴は非常に危険で、確実に転倒します。

靴底に金具やピンがついているものや、ワンタッチで滑り止めがつけられる商品がありますが、凍結路面や室内では金具部分がかえって滑りやすくなることがあります。

北海道では近年、ガラス繊維やセラミックが配合された商品が注目されており、ざらざらとヤスリのような靴底が氷に刺さるので、金具がピンよりも滑りにくいと評判です。

先に紹介したスノーブーツも雪道対応していることが多いのでチェックしてみましょう。

ぜひチェックして、万全の安全対策を行いましょう。

2月の気温と天気、おすすめの服装

エリア 札幌 網走 北見 釧路
平均気温(℃) -2.7 -5.4 -7.4 -4.3
日の最高気温(℃) 0.4 -2.0 -1.6 -0.1
日の最低気温(℃) -6.2 -9.6 -14.0 -9.4
合計積雪量(㎝) 116 69 85 27
最深積雪(㎝) 95 58 69 26
雪日数(日) 25.3 23.5 記載なし 13.9

参照:気象庁「過去の気象データ検索」年・月ごとの平年値を表示

2月は札幌で雪まつりが開催され、積雪量はピークに。1月下旬から2月中旬は一年でもっとも寒い時期で、道東エリアでは「最高気温」がプラスにならない真冬日が続きます。

2024年2月の網走の天気

寒暖差の少ない網走でも最低気温が-15℃を記録し、オホーツク海沿岸に流氷が着岸するなど北海道らしい雪一色の景色が見られますが、「寒い」というよりも「痛い」と思うほど、冷え込みは厳しくなります(とはいえ、晴れていると日差しが強いので日中は気温ほど寒さは感じません)。

風が吹くと肌が外気に触れているところは、ビリビリと刺すように感じるので、とにかく肌を出さないことが重要です。とくに、もっとも寒さを感じるのが顔や頭です。

ニット帽を被り、イヤーマフで耳を保護し、目元以外の顔全体を覆うフェイスカバーを利用するなど、特に屋外や風が強い場所を観光をする予定があるのであれば徹底した対策を行いましょう。

能取岬

海沿いは風が強いと極寒です

首回りや指先は、一度冷えると回復するまでに時間がかかります。特に指先は凍傷リスクがあるので注意が必要です。

首はマフラーだけではなくインナーにタートルネックのヒートテックを着用し、手袋は表面が防風に優れたレザーや革、裏地に保温性のあるウールなどが使われていると、耐寒性能がアップします。

靴下や中敷きに、吸湿発熱性のある素材を使ったものを選ぶのもおすすめです。

手袋や靴下は重ねると保温性が高まるといわれていますが、締め付けによって血行不良を起こし、かえって冷えがひどくなるケースもあるので注意してください。

そして、意外と忘れがちなのが下半身の防寒です。

長時間、外にいると道路の冷えた空気が下半身をどんどんと冷やしてしまうので、上半身と同様にヒートテックなど保温性の高いインナーを用意しましょう。

また、ボトムスの丈が短いと、隙間から冷たい空気が入り込んでしまうので、足首までしっかりと隠れる長さを選びましょう。可能であれば靴下やブーツにしっかりとインしてください。

女性は、ロングスカートやワイドパンツは避けたほうがよいでしょう。

12月から必須のダウンジャケットや冬物のコートも、厳冬期の2月は長めが安心。腰丈よりもお尻や膝くらいまで長さがあれば、その分寒さを感じにくくなります。

そして、1月と同様に防寒対策だけでなくアイスバーン対策もしておきましょう。

冬は絶景だらけの道東。しっかりと装備をして観光を楽しんでください!

道東のおすすめ観光スポットは以下の記事でとても詳しくまとめていますので、旅行の参考にしてみくださいね。

絶景だらけの冬の道東観光ガイド!在住者が教える本当に楽しむコツと注意点

絶景だらけの冬の道東観光ガイド!在住者が教える本当に楽しむコツと注意点

摩周湖

北海道の冬の観光は、札幌雪まつりを除いてオフシーズンに入る。

そんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?

でもそれは、冬の北海道の本当の素晴らしさを知らないだけかもしれません。

とくに、北海道全体の約4割を占める広大な土地を擁する道東は、凍てつく寒さや雪に閉ざされる厳しい世界だからこそ、日本でもここでしか見られない景色に出会える唯一無二の場所です。

冬こそ訪れてほしい道東の絶景スポットをご紹介します。

この記事はかなり長いので、ブックマークをしていつでも見られるようにしておくことをおすすめします!

知床(ウトロ周辺)

知床半島の西側ウトロ地区は、流氷や波に浸食された断崖絶壁が続く風光明媚な場所です。

同じ海や森でも、観光のピークとなる夏とは異なる、冬だからこその絶景が味わえます。

自然が生み出す氷の芸術~フレペの滝

しとしとと零れるように流れることから、別名「乙女の涙」とも呼ばれるフレペの滝は、冬になると染みだした水や北風に吹き上げられた飛沫が凍って氷瀑となり、夏とは一変した美しさを見せてくれます。

フレペの滝

フレペとはアイヌ語で「赤い水」という意味があり、夕日が映りこんで赤く見えるから、鉄分が多く含まれるからなど由来は諸説ありますが、氷瀑は淡い青色に輝いています。

フレペの滝

これは、時間をかけて凍ることで空気が押し出され、透明度が高くなると、太陽の光が通過する際に青が反射して見えるためです。

眼下を望むと100mの断崖絶壁に迫りくる流氷と紺碧の海原、一面の雪原の向こうには白く覆われた知床連山、そして目の前には淡い青色の氷瀑と化したフレペの滝。

どの一枚を切り取っても、冬の知床でしか出会えない絶景です!

フレペの滝の展望台までは遊歩道があり、雪が踏み固められているので冬靴やスノーブーツで散策が可能ですが、遊歩道から少しそれると雪を踏み抜いて膝くらいまで埋もれてしまうこともあります。

フレペの滝

雪の遊歩道を自由に歩きたい場合は、知床自然センターでスノーシュー(靴に装着する器具で、雪との接地面を広くして浮力を高め、沈みにくくします)をレンタルしているので利用するのがよいでしょう。

流氷が埋め尽くすウトロ港に沈みゆく夕陽~プユニ岬

知床横断道路に入る手前に位置しており、流氷の最初の接岸地として知られています。

流氷のシーズン(2~3月)になると、日中は一面を流氷に埋め尽くされたウトロ港を眼下に望み、晴れていると美しいオホーツクの海岸線や、遠くに阿寒摩周国立公園の山並みが見られる絶好の眺望は「知床八景」のひとつに数えられます。

プユニ岬

とくに夕方は、刻一刻と色合いを変える景色に、息を吸うのも忘れるほど魅了されます。

太陽がオホーツク海の向こうへと沈み始める時間帯は、ほの暗い青色の空と黄金色に輝く太陽、そして白銀の流氷が三層に。太陽が沈み切ると空はあかね色に染まり、空を映す流氷も赤く色づいて、幻想的な雰囲気を纏います。

なお、一般的にプユニ岬とは、ウトロから国道344号線を知床自然センターへ向かう上り坂の途中にある見晴橋の展望場所を指します。

オホーツク海に突き出したプユニ岬は、岬自体には直接立ち入ることはできません。

歩いて、浮いて、探して!流氷でとことん遊ぶ~流氷ウォーク

ロシア北東から流れ着いた流氷は、オホーツク海に突き出す形の知床半島によってせき止められます。とくに西側のウトロ周辺は、あとから流れ着いた流氷が蓄積していくため、流氷が高密度となる地域です

はるかかなたまで広がる流氷原は、そこが海であることを忘れる白い大地のよう。

そんな白い大地をガイドと一緒に歩けるツアーは、知床の冬の観光でもとくに人気のアクティビティです。

流氷ウォーク

ただ歩くだけではなく、流氷の切れ間のオホーツク海に浮かんでみたり、流氷の天使と呼ばれるクリオネを探してみたり。

流氷の上で寝転んで一休みしていると、どこからともなく「キュー」「ギー」と動物のような声が聞こえてきますが、これは密度の高さゆえに流氷同士がぶつかり合って聞こえる「流氷鳴き」と呼ばれるもの。

流氷をここまで遊びつくせるのは「流氷ウォーク」だけ。ダイナミックな自然を、文字通り体感できるツアーとなります。

特徴 開催期間 ホームページ
シンラ 流氷ウォーク(同社の商標登録)を知床で初めて実施した会社。1日4回のツアーは時間帯によって異なる魅力が味わえる。 2月~3月 https://www.shinra.or.jp/
ゴジラ岩観光(ウトロ) コース名は「流氷遊ウォーク」。知床育ち、経験豊富のガイドが安全に案内。 2月~3月 https://kamuiwakka.jp/driftice/
ピッキオ知床 「流氷ウォーキング360°」のガイドツアー名のとおり、カメラと映像による上空からの流氷や、シーグラスを使って海の中をのぞく体験ができる。 2月~3月 https://shiretoko-picchio.com/ryuhyo-jp/
SOT! 「冬の知床1日ツアー知床五胡コース」内に流氷ウォークあり。ウォーク時の写真をgoogle photoにてプレゼントの特典あり。 3月 https://www.shiretoko.info/
MEPS 流氷ウォークを専門に行っている会社。案内スタッフは全員。知床で漁師やダイビングを行っている海のプロ。 2月1日~3月10日(数日変動あり) http://meps.biz/

厳しくも美しい無音の世界~知床五湖(ガイド)

知床五胡へと続く道道93号は、冬期間は一般車両の乗り入れが禁止となり、高架木道は閉鎖中となるため、個人で訪れても近づけません。

しかし、引率指導員として認定されたガイドが随行するツアーであれば、雪に覆われた白一色の世界をスノーシューで歩きながら、閉ざされた湖へと向かうことができます。

冬の知床五湖

最低気温が-10~20℃になる知床では、雪が降り積もるだけではなく、春から秋にかけて周囲の絶景を湖面に揺らしていた知床五湖も凍りつき、雪の下に隠れてしまうため、ツアーでは凍った湖面の上を歩くことができます。

断崖から望むオホーツク海には流氷が押し寄せ、観光シーズンには散策できない湿地帯に足を踏み入れると、野生動物の足跡が出迎えてくれるなど、冬にしか出会えない光景が広がります。

雪は空気の振動を吸収するので音が届きにくくなり、風の音や動物の鳴き声も消し去ってしまいます。耳に届くのは雪を踏みしめる自分の足の音だけ。

静寂のなか、まるで水彩画のような山並みを眺めていると、自分も景色に溶け込んだような気持ちになるでしょう。

風にまかせた空中散歩で大自然を一望~熱気球フリーフライト

ややマニアックですが、知床ツーリストさんが熱気球フリーフライトという流氷を空から眺めるツアーをやっています。

熱気球体験のイベントで主となる「係留(熱気球と地上をロープで結んで固定)」は、人の搭乗部が地上30mまでしか上がりませんが、冬の知床で体験できるのはロープで固定しない「フリーフライト」という方法で、最大1,000mまで上昇します。

バーナーで温められた空気がバルーン内部に溜まると、浮力によってあっという間に熱気球は地上を離れ、鳥の目線と同じ高さへ。

熱気球からの様子についてはこちらの動画を見ていただくととてもイメージがわきます。

気象条件などにもよりますが、視界を遮るもののない360°の大パノラマに斜里岳や知床連山、知床半島、流氷に一面を覆われたオホーツク海などが広がります。

また、バルーン内部が十分に温まってバーナーを消すと、無音の世界が訪れます。

視界のはるか先まで白く染まる大地を下界に、音のない空を漂う感覚は熱気球でなければ味わえません。

フリーフライトは風にまかせて飛ぶため着地点は決められず、それゆえに広大な土地でなければ実施できないため、とても希少な体験ができます。

行く前にチェック!知床観光完全ガイド【ウトロエリア】

知床(羅臼)

北半球の流氷の南限であるオホーツク海に面した知床には、毎年流氷がやってきます。

なかでも、流氷が知床半島をぐるっと回り込んで沿岸部へと到達する羅臼側は、密度が低いという特徴を生かした観光が人気となっています。

流氷の間を縫うように進む~流氷&バードウォッチングクルーズ

流氷観光と聞いて思い浮かべるのは、密集した流氷を大型の砕氷船がガリガリと砕いて進む迫力ある映像ではないでしょうか。

しかし、羅臼で冬の観光に主に使用するのはクルーザーや小型ボードです。海面に漂う流氷を避けながら沖へと進むので、一味違ったクルージングを味わえます。

また、この時期は流氷だけではなく、天然記念物のオオワシ、オジロワシにも高確率で遭遇できるので野鳥好きの方に人気です。

オオワシやオジロワシは知床を越冬地にしていますが、西のウトロ側では流氷の密度が高いため餌となる魚が捕れません。

一方で、羅臼は餌がとりやすい上、流氷が接岸する時期でも漁が行われるため、おこぼれの魚や、観光船が撒く餌を目当てにやってくるのです。

風を切る船上からは、流氷、鳥、そして世界遺産の知床半島の雄大な自然が見られます。

特徴 運航期間 ホームページ
知床ネイチャークルーズ 使用する2隻の船には、キャビンや船室、トイレが完備。最新型のエンジン搭載で振動が少ない。 1月下旬~3月中旬 https://www.e-shiretoko.com/
知床・羅臼観光船はまなす 元漁師(漁師歴20年)で、クジラやシャチが大好きな船員歴16年のベテラン船長が案内。 2月~3月上旬 http://rausu-cruise.com/wp/
観光船アルランⅢ世 使用する「アリランⅢ」は、羅臼で最速の観光船。船長は元漁師で知床の海を知り尽くしているベテラン。 1月下旬〜3月下旬 https://shiretoko.life/
ゴジラ岩観光(羅臼) 午前と午後の2回出航、観光コースは約1時間の短時間クルーズのため予定が立てやすい。 1月下旬~3月中旬 https://kamuiwakka.jp/
知床クルーズ英人丸 小型船ならではの臨場感のあるクルージングが楽しめる。 1月下旬~3月下旬 http://hidetomaru.com/
知床らうすリンクル 10人乗りの小型ボード使用。日の出に合わせた出航時間がある。 1月下旬~3月下旬 https://shiretoko-rausu-lincle.com/index.html

知床観光で抑えておくべきオススメのスポットとアクティビティ【羅臼エリア】

野付半島

先端に向かって車を走らせると、左はオホーツク海、右は野付湾という独特の形状をしている野付半島は、近年、この形状を生かした冬にしか見られない景色が注目を集めています。

白と青しかない絶景を歩いて撮る~氷平線ウォーク

釣り針やエビの尻尾などと称される野付半島は、このように野付湾を抱きこむように砂州が伸びています。

野付半島の地図

周囲を半島に囲まれる形の野付湾は、厳冬期になると全面が凍り、どこまでも氷の大地が続く絶景に変わるのです。

この光景は近年「氷の地平線=氷平線」と呼ばれており、フォトジェニックな写真や白銀の大地を利用したトリック写真が撮影できるスポットとして人気を集めています。

野付半島

唯一海が凍る場所

海である野付湾が凍るのは、外海のように波が立たない内海であることや、水深が浅いのがその理由。

砂嘴である野付半島には高い山がないので、見渡す限り氷の白と空の青だけが広がる夢のような世界となります。

ただし、結氷した野付湾を勝手に歩くのは禁止されており、安全確保のために野付半島ネイチャーセンターのガイドの同行が必要になるので注意してください。

海水に浸食されて立ち枯れたトドマツの跡が、荒涼とした風景で広がっているトドワラを往復するコースや、ネイチャーセンター周辺を短時間散策するコースがあり、どちらも日中に実施されています。

雪原にまっすぐ伸びる木道も、氷平線とは違う美しさがある光景ですので、ぜひ併せて楽しんでみてはいかがでしょうか。

なお、トドワラに行くコースはガイドの同行がなくても可能で、誰でもこのような絶景を見ることができます。

トドワラの桟橋

また、日没に合わせて氷平線ウォークを楽しむ夕景バージョンでは、白と青の世界から、赤やオレンジ、薄紫へと変わる景色を背景に、プロカメラマンが撮影をしてくれるので、さらなる映え写真を希望する方はこちらに参加するのがおすすめです。

絶景すぎる野付半島・尾岱沼で訪れるべきおすすめ観光スポットを紹介します!

根室

北海道のなかでも太平洋側は積雪量が少なく、北海道のもっとも東に位置する根室市は札幌市に比べて1/3ほど。

西高東低の冬型の気圧配置では、札幌市や小樽市など日本海側は雪が多くなりますが、根室市は晴天が続くので、雨や霧が多い夏よりも観光しやすい時期ともいえるでしょう。

気温は低いものの、市街地の歩道はアスファルトが出ているところもあり、冬の北海道の雪道に不安がある場合でも比較的安心して歩けます。

1,000㎞以上に及ぶ流氷の旅の終着地~納沙布岬の流氷

流氷といえば網走や知床が有名ですが、本土最東端の根室半島の先端にある岬である納沙布岬は、流氷が接岸する地域になります。

北半球における流氷の南限地域である紋別、網走、知床よりもさらに南で見られる流氷になりますが、実は北海道民にもあまり知られていない流氷の穴場スポットでもあります。

根室海峡を覆いつくす流氷は、遠くに見える知床連山まで歩いていけるような錯覚すら感じさせることから、納沙布岬は別名「流氷岬」とも呼ばれています。

納沙布岬

岬の先端近くまで立ち入ることができるので、岬周辺をぐるりと囲む流氷が見られますよ。

納沙布岬は本土最東端に位置しているため、日の出、日の入りが早いことで知られています。さいはての地に辿り着いた流氷が、赤やオレンジ色の太陽に照らされる様子は、儚くもロマンチックさを感じます。

生物の鼓動と静寂を感じる神秘のエリア~春国岱

春国岱

根室十景のひとつに数えられる春国岱(しゅんくにたい)は、長さ約8㎞、最大幅1.3㎞、面積6,000haにおよぶ巨大な砂州ながら、湿地や沼、川などがあるため、冬になると一面が凍結します。

春国岱

冬の春国岱

そして凍結した水面を雪に埋もれずに残った草木を食べに、エゾシカなどの野生動物が群れを成して移動する様子が見られます。

また、冬になるとオオワシやオジロワシ、オオハクチョウ、タンチョウなどがやってくるバードウォッチングのメッカとしても知られています。

一方で、地盤沈下による海水の影響を受けて立ち枯れしたアカエゾマツや、倒木が目立つ原生林を木道に沿って進んでいると、俗世を離れ、夢の中に降り立ったような不思議な感覚になり、このような景色は春国岱でしか見られないかと思います。

春国岱

根室で行くべき定番のおすすめ観光スポットとグルメをどこよりも詳しく紹介!

釧路

道東観光の拠点として降り立つ人も多いですが、「冬に楽しめる観光地は少ない」と誤解を受けている面も。

道東晴れと呼ばれる、澄み切って凛とした空気が気持ち良い釧路の冬は、知られざる魅力にあふれています。

冬ならではの光景に出会う~釧路川のカヌー下り

釧路川のカヌー下り

手つかずの自然が残る釧路湿原内を流れる釧路川は、源流の屈斜路湖から太平洋までノンストップで下れることから、カヌーやカヤックの愛好家からは「聖地」と呼ばれています。

しかも、冬は最盛期のような混雑はなく、川でほかの人とすれ違うこともないので、ゆったりとプライベート感覚で川下りを楽しめるおすすめのタイミング。

雪化粧した川岸や樹氷に覆われた木々を眺めながらのカヌー下りは、まさに雪と氷が作り出す別世界です。

カヌー

川の水温が気温を下回ると、発生した水蒸気(気嵐:けあらし)が、より幻想的な景色を演出します。

さらに、冷え込みが強く風のない早朝には、空気中の水蒸気が氷の結晶になり、太陽の光に反射してきらきらと輝くダイヤモンドダストが見られることも。

釧路湿原は野生動物の越冬地となっているので、運が良ければ絶滅危惧種のオオワシを始め、天然記念物のオジロワシやタンチョウ、エゾシカなどと遭遇するチャンスもあります。

オオワシ

オオワシ

なお、釧路川は完全結氷しませんが、蓮葉氷と呼ばれる氷板の出現によっては、安全を期して川下りの場所が釧路川支流のアレキナイ川に変更されることもあります。

アレキナイ川も釧路湿原内を流れており、流れがほとんどないとても穏やかな川となので冬でも安心なのです。

冬の釧路観光を最大限に楽しむためのおすすめスポットや体験を紹介します

阿寒湖

内陸に位置し、周囲を山に囲まれている地形のため、冬は気温が-10~20℃と厳しい冷え込みになる一方で、風が弱いという特徴があります。

そして、この特徴を生かした阿寒湖ならではの見事な風景が見られます。

湖の上に出現する奇跡の花畑~フロストフラワー

最近話題のフロストフラワーはfrost=霜、flower=花の意味が表すとおり、霜の花を指す言葉です。

阿寒湖のフロストフラワー

水面に張った氷の上に水蒸気がくっつき、それが夜間から早朝の冷え込みによって、大きくふくらみ、まるで花のような形になる霜の結晶の現象で、寒さの厳しい北海道では湖や川だけではなく、水を張ったバケツや水たまりなどでも見つけることができます。

しかし、阿寒湖のように広範囲に渡ってフロストフラワーが咲き誇る場所は、北海道広しといえども多くはありません。

そもそも、フロストフラワーは水が薄く凍って雪が積もっておらず、気温は-15℃以下、無風であるなど、いくつも厳しい条件をクリアしていないと咲きません。奇跡的に大きくなっても、風が吹くと一瞬で消え去ってしまうくらい儚いものなのです。

しかも、北海道で水面に薄氷が張るのは12月~1月くらいで、2月以降は水温が下がってどんどん氷が厚くなってしまうため、フロストフラワーの出現率はグンと下がります。

ところが阿寒湖は、湖底から湧き出した温泉によって厚い氷が張らず、強い風が周囲の山によって遮られやすいカルデラ湖であるなど好条件が揃っているので、3月中旬くらいまで見られるチャンスがあります。

とはいえ、好条件が揃っている阿寒湖でも、フロストフラワーの花畑の確率は20~30%と決して高くはありません。

まさに、見られたら奇跡といえる、幻の花畑です。

絶景!美しい冬の釧路・阿寒湖観光で絶対に楽しみたい景色とアクティビティ

摩周・屈斜路周辺

アイヌ語で神の湖という意味のカムイ・トーが由来の摩周湖と、湖や沼の出口を指すクッチャロが由来の屈斜路湖。

それに阿寒湖を含めた3つのカルデラ湖からなる広大なエリアは、1934年に北海道で初となる国立公園(前:阿寒国立公園、現:阿寒摩周国立公園)に選定されました。今現在も9割以上の地域が自然保護区として保全されており、手つかずの自然が数多く残っています。

内陸に位置するため冬は最低気温が-25℃~-30℃と、北海道の中でもとくに冷え込みが厳しいところですが、冬晴れの日が多く、過酷な環境が生み出す絶景を恵まれた天気で眺められます。

そして、特に絶景が多いのもこのエリアの特徴です。

冬にしか辿り着けない幻の展望台から望むパノラマ~摩周湖スノーシュー

霧の摩周湖と呼ばれるように、観光シーズンの夏は月の半分の確率で霧が発生しますが、一転、冬になると霧がかかる日は少なく、「摩周ブルー」と称されるサファイアのような深い青い湖面を望むことができます。

摩周湖

摩周湖は不凍湖(一年中凍らない湖)ではないのですが、近年は全面結氷しない年もあり、湖全体が凍るのは数年に一度の奇跡ともいわれています。

冬期間中は摩周第3展望台や裏摩周展望台への道路は通行止めとなるため車で行くことはできませんが、スノーシュー・スノートレッキングのツアーに参加をして外輪山を巡ることができます(摩周湖第一展望台のレストハウスでスノーシューをレンタルして登山口から個人で歩くことも可能です)。

摩周湖

吸い込まれそうなほどの青さが目に眩しい摩周湖を眼下に、氷に覆われた木々の樹氷や野生動物の足跡、遠くにそびえる阿寒の山々や斜里岳などの自然はずっと見ていられます。

天然の白いクリスマスツリーが温泉街を幻想的に彩る~川湯温泉の樹氷

川湯温泉は、古くから湯治場として親しまれてきた温泉街です。今も噴煙を上げる硫黄山を源泉として、豊富な湯量を誇り温泉街には硫黄の香りが漂っています。

川湯温泉の泉質はかなり特殊で、五寸釘を浸けておくと2週間ほどで溶かしてしまうほどの強酸性でレモンより酸っぱいとされています。

高い美肌効果と殺菌効果があるといわれていて、知る人ぞ知る人気の観光地です。

川湯温泉にある足湯

そんな川湯温泉ですが、真冬の厳しい寒さの中で木々に雪の花が咲く繊細な美しい樹氷を見ることができます。

川湯温泉

川湯温泉は針葉樹林に囲まれた場所にあり、現在も活発な地熱活動を続けている硫黄山を源とする温泉地。

ホテルの間には温泉の川が流れており、冬になると川から立ち上る湯気が木の枝について見事な白い花を咲かせています。

遊歩道が整備されているので、間近で樹氷を眺められます。

また、近くの硫黄山周辺でも見られるので、こちらも非常に美しくおすすめです。

硫黄山

絶景だらけの日本最大のカルデラ湖~屈斜路湖

日本最大のカルデラ湖(火山によってできた湖)である屈斜路湖には、冬になるとシベリアから越冬をしにオオハクチョウが集まります。

冬の砂湯

冬の砂湯

屈斜路湖は厳冬期には全面結氷しますが、湖岸の砂地や岩場の浅瀬などに温泉が沸くため、一部が凍結せず湖水の水温が高いところがあります。

オオハクチョウは、この温かい部分を目指して屈斜路湖にやってきます。

コバルトブルーの美しい湖面に浮かぶ、ゆったりと羽を休めるオオハクチョウの姿。その向こうには白く凍った湖面が広がり、さらに奥には雪を被った山々。

白と青が織りなすコントラストが見られるのは11月下旬~4月頃までとなります。

砂地には人が入れる足湯や野湯の「コタン温泉」に入ることで、絶景を見ながらオオハクチョウたちと一緒に温泉に浸かっているような気分になれます。

コタンの湯

また、冬にしか出会えない屈斜路湖の絶景に御神渡りがあります。

御神渡りとは全面結氷した湖面の氷の一部がせり上がる現象で、アイヌの人はカムイパイカイノカ(神の歩いた跡)と呼んでいました。

屈斜路湖の御神渡り

隆起した氷の塊は、太陽の光に透けるとエメラルドグリーンのような鮮やかな色に輝き、近づくとミシミシときしむ音が響いて、自然の荘厳さを感じずにはいられません。最大で10㎞、高さが2mにおよぶ年もあり、世界一の規模ともいわれます。

なかなか見られるものではありませんが、屈斜路湖に訪れた際には湖面を注意深くチェックしてみてください。

360°見渡せる天下の絶景ポイント~美幌峠

美幌峠からは屈斜路湖周辺を一望できる展望台があり、定番の観光地となっています。

周囲には高木が生えていないため、屈斜路湖と中央に浮かぶ中島がはっきりと見え、外輪を成す藻琴山や奥の斜里岳、北海道の中央部に鎮座する大雪山系の峰々も見渡せます。

朝日の名所として知られる美幌峠は、一年を通じて太陽が昇る瞬間を収めるために多くの人がやってきますが、なかでも冬は山並みの向こうから上がってくる太陽の位置が低いため、湖面や周囲の雪景色が光を反射して輝さまが圧巻で、神々しささえ感じます。

美幌峠

冬は湿度が低くて空気が乾燥し、大気中に塵が舞いにくいので、より鮮明に大自然のパノラマを目にできます。

ただし、美幌峠に続く国道243号線は、天候によっては通行止めとなる場合があるので注意してください。また、展望台へ向かう足場は圧雪でツルツルとなっているので、足元はしっかりと準備して上りましょう。

絶景と温泉が最高!摩周湖・川湯温泉・屈斜路湖の観光完全ガイド

網走

北海道の北に位置する網走は、冬の観光において厳しい寒さや大雪が懸念される地域とされますが、実は冷え込みは比較的穏やかで雪も少なく、観光しやすいエリアです。

「流氷のまち」として知られる網走では、眺望絶佳の景色が楽しめます。

迫力ある砕氷と南極観測船への乗船気分が味わえる~おーろら

冬の網走といえば流氷船ですね。

春から秋にかけて、知床の自然を海から眺められる観光船として運営している「おーろら」は、冬の時期のみ網走港より網走沖に出る流氷砕氷船へと変わります。

流氷船おーろら

観光を目的として就航した砕氷船は「おーろら」が世界初。しかも、南極観測船「しらせ」と同じ、船の重みで流氷を粉砕して進む方式となっているため、船底にぶつかる流氷の衝撃やドゴンガドンという鈍い音が伝わるダイナミックな体験ができます。

流氷船おーろら

また、広い「おーろら」の船内は、見る場所によって見られる景色が違うので、どこで見るか考えるだけでもワクワクしますよ。

流氷を思う存分楽しみたい方は、サイドデッキからの見学がおすすめ。とくに1階からは同じ目線で流氷が迫りくる迫力を楽しめます。

流氷船おーろら

船体の後方にある屋上の展望デッキからは、流氷が魅せる白一色の海原を「おーろら」が通り、砕けた氷の間の海の青さが際立つ景色が圧巻。運が良ければ流氷の上でひとやすみするアザラシやオオワシの姿が見られるかもしれないので双眼鏡があると良いかもしれません。

室内でゆったりと流氷観測を希望するなら、2階客室の特別室が良いでしょう。

海を見下ろす形で眺めがよい上、氷の海原を進む様子が目の前で見られます。

厳冬期しか行けない!下から見上げる氷瀑に言葉を失う~能取岬

能取岬

オホーツクの大海原に突き出すようにある能取岬は、冬になると大地に降り積もった雪の白、海の深い青、断崖絶壁の眼下から水平線まで流氷が埋め尽くす白、真っ青な空と、白と青が交互に織りなす絶景が広がります

また、流氷に落ちる夕日はまさに絶景。

能取岬

天気が良い日には、遠くに銀世界の知床連山が望め、流氷の上をオオワシやオジロワシが飛び交う雄大な光景が見られることも。

また、大正時代に建てられた、白と黒の縞模様がモダンな灯台と流氷を合わせた景色は、能取岬でしか味わえないノスタルジックさがあります。

さらに、能取岬の手前の美岬キャンプ場(現在は閉鎖されています)からは、冬の時期だけスノーシューを履いて森を抜けて海岸へと抜ける道があり、接岸した流氷を間近で見ることもできます。

能取岬崖下には地中から染みだした水が凍った氷瀑がいくつもあり、こちらも圧巻の光景!

能取岬

能取岬の絶景を上からも下からも楽しみたい人は、スノーシュー・トレッキングのガイドツアーに申し込んでみると良いでしょう。

網走でとりあえず行くべき定番観光スポットをすべて紹介!

冬の道東観光は防寒対策をしっかりと!

冬の北海道は寒いのは当然ですが、道東は札幌などに比べて雪が少ない分さらに寒くなります。

特に早朝や夜は風が吹くと顔が痛くなるくらいで、体感としてマイナス20度や30度になることもあります。

岬など特に風が強い場所だと凍傷のリスクもあり薄着だと非常に危険です。

マフラーや手袋など、顔や手もしっかりと防寒できる服装を用意し、足元の防寒や雪対策も必須です。

詳しくは以下の記事にまとめていますので、旅行計画の参考にしてください。

冬の道東観光前にチェック!冬の天気と気を付けるべき服装

本物の夏の道東を楽しむ!自然・グルメ・アクティビティを詳しく紹介します

道東は北海道の中でも冷涼な気候なので避暑地として人気です。

冷涼な気候にも関わらず日本でいちばん最初に太陽を見る日照時間の長さから、短い夏を旺盛に枝葉を伸ばし花を咲かす植物たちを見られます。

豊かな森林から流れ込むミネラルに育てられる海産物。

アザラシやラッコ、クジラやシャチも見られる、そんな大自然をそのまま残す道東エリアは、北海道観光の目玉といえるでしょう。

ビルに囲まれた都市部が熱射に喘いでいるとき、道東では何万本の花が咲き揃い、たくさんの海鮮を楽しむことができます。

ここでは、単に観光地を紹介するのではなく、夏だからこそ楽しめる道東のスポットやイベントを紹介します。

食に花に、アクティビティに、とくとご堪能ください。

この記事はかなり長いので、ブックマークをしていつでも見られるようにしておくことをおすすめします!

知床(羅臼)

世界遺産の知床半島へのアクセスは斜里町ウトロと羅臼町の2つのルートがあります。

大型バスの定番ツアーとして賑わうウトロに対して、比較的静かなのが羅臼ルートです。

人の少ない分、刷り込み7の情報に惑わされない本当の知床をじっくりと堪能できるでしょう。

羅臼ならではのダイナミックな自然、羅臼でしか味わえない味を楽しみましょう。

夏でも肌寒い日本一開通期間の短い国道「知床峠」

知床半島の西側に位置する斜里町「ウトロ」と羅臼町は、全長約24kmの国道334号線(通称「知床横断道路」)で結ばれています。

知床峠

毎年11月上旬~4月下旬までは冬期間通行止めとなることから「日本一開通期間の短い国道」とも呼ばれています。

開通後であっても気象条件によっては通行できる時間に規制がかかります(5月でも路面凍結で通行止めになったりするので注意)。

知床峠は、そんな「通れるだけでもラッキー」の知床横断道路の中間地点となる標高738mの最頂部に位置し、展望台や無料の駐車場が完備されている人気の観光地です。

車を降りると目の前には羅臼岳が迫り、展望台から羅臼側を望むとオホーツク海の向こうに国後島が見えます。

知床峠

国後島は羅臼町から根室海峡を挟んで直線距離で26kmのところにあるので、知床峠からでも肉眼ではっきりと見ることができますよ。

春は一面の新緑、夏は深みを増した緑、秋は黄色や赤に色づく紅葉と、季節ごとの自然の美しさが味わえますが、とくにおすすめなのが星空観賞。

知床峠

町から遠いので人工の光の影響を受けず、山ならではの済んだ空気により、頭上には見渡す限りの星屑が広がります。その壮大さは「天然のプラネタリウム」ともいわれるほど。

ただし、知床は8月でも平均気温が20度前後と低く、平地よりも標高が高い知床峠ではそれよりもさらに4~5℃下がるため、必ず上に羽織るものを用意しておくのがよいでしょう。

とくに夜間は冷え込みが厳しくなるので、季節を問わず温かい服装を心がけておでかけください。

羅臼湖トレッキング

少しマニアックですが、羅臼湖を見るためのトレッキングもここでは楽しめます。

羅臼湖

羅臼湖は知西別岳の麓、行程に大小4つの沼を擁する最奥の地にあります。

以前までは地元の人もなかなかたどり着けない未開の地でしたが、現在はトレッキングルートが整備されており、登山道入り口から往復約6km(3時間)の登山が楽しめます。

羅臼湖周辺は標高700m前後ながら緯度が低いため、本州中部の2,000~2,500mクラスの山に相当する環境となっており、トドマツやハイマツ、ダケカンバなど寒さに強い高山植物が多く自生しています。

また、キタキツネやエゾシカ、ヒグマなど北海道を代表する固有種の生息地であり、国の天然記念物に指定されているオジロワシの繁殖地でもあります。

高山植物やそこに息づく昆虫などをキタキツネやエゾシカが食べ、そのエゾシカをヒグマやオジロワシが食べる。そして、食べ残しや糞は土壌に返って植物たちの養分となります。

豊かな自然に暮らす動植物たちの食物連鎖は、知床が世界自然遺産に登録された理由のひとつでもあり、羅臼湖のトレッキングではこうした自然の営みを間近で感じられる絶好の機会といえるでしょう。

トレッキングルートは登山道入り口から近い順に二の沼、三の沼、四の沼、五の沼と巡っていきますが、三の沼の奥に鎮座する羅臼岳が沼に反射して映し出される「逆さ羅臼岳」は非常に絶景です。

羅臼湖

さらに奥まで進むと、手前に配置された展望デッキから、湿原に囲まれた羅臼湖の姿を一望できます。

なお、羅臼湖トレッキングはトレッキングルートがあるものの、ヒグマ対策などの安全面を考慮するのであればガイドツアーに申し込むことが環境省から推奨されています。

また、アップダウンはありませんが、ぬかるみや水たまりを進むので高低差以上に疲労します。時期によっては残雪もあり、初心者では難しいことも。

そのため、軽登山ができるくらいの体力は必要となります。不安な方はガイドに参加するのが無難です。

貴重な高山植物の保護の観点から長靴での登山が必須などルールがあるので、個人で入山するときは必ず「知床羅臼ビジターセンター」に立ち寄りましょう。

豪快に海水を吹上げ尾びれを跳ね上げるイルカやクジラと出会える「ホエールウオッチング」

クルーズ

自然豊かな知床の海には、たくさんの動物や野鳥が集まります。

4月下旬から、羅臼から出航する観光船に乗ってクジラやイルカを見るホエールウォッチングはとても人気で、羅臼沖でシャチやクジラ、イルカといった動物が見られます。

これだけ多くの動物に遭遇できるのは世界的にも希少な場所だそう。

主なクルーズ会社と運航期間は以下の通りなので、ホームページを確認し、気になるところで予約をしてみるといいでしょう。

特徴 運航期間 ホームページ
知床ネイチャークルーズ 定員80名と50名の2隻の船を使用。最新型のエンジンを搭載しているので、振動が少なく快適。 4月下旬~10月中旬 https://www.e-shiretoko.com/
知床・羅臼観光船はまなす 船長は漁師歴20年、千兆歴16年の大ベテランでクジラやシャチが大好き。 4月末~9月 http://rausu-cruise.com/wp/
観光船アルランⅢ世 使用する「アリランⅢ」は、羅臼で最速の観光船。いち早くクジラを発見できます。 4月下旬〜10月中旬 https://shiretoko.life/

世界有数のヒグマ生息地で楽しむ「ヒグマクルーズ」

春は羅臼ではホエールウォッチングだけでなくヒグマウォッチングもできます。

知床岬周辺は世界有数のヒグマの高密度生息域のため、高確率でヒグマと遭遇できます。

ヒグマクルーズ

道端では遭遇したくないヒグマですが、遠くからなら見てみたいという人もいるでしょう。

ヒグマクルーズは羅臼町の相泊港を出港後、北上し、知床半島の先端にある知床岬で折り返すクルージングのプランです。

ヒグマ以外にもイルカやクジラ、アザラシなど、船上から多くの野生動物が観察できるだけではなく、陸路での到達ルートが確保されていない知床岬は船でしか近づくことができないため、人の手による開拓がされていない原始の世界を楽しむこともできます。

なお、ヒグマは自然の生き物なので必ず出会うことができるとは限らないことに注意してください。

ヒグマクルーズを行っている会社は以下の2社です。

特徴 運航期間 ホームページ
知床らうすリンクル 知床の海を知り尽くした漁師さんが出す小型ボートで、知床岬に向かいます。小型ボートならではの臨場感が味わえます。 要問い合わせ(4月15日~) https://shiretoko-rausu-lincle.com/detail_Higuma.html
知床クルーズ 英人丸 ヒグマが高確率で出没する「ルシャ川」付近まで、漁師歴40年以上のベテラン船長が案内します。 4月上旬〜10月中旬 http://hidetomaru.com/cruising.html

いい出汁でます!「羅臼昆布フェスタ」で昆布づくりを体験しよう(7月)

羅臼といえば羅臼昆布。

「羅臼昆布フェスタ」は「みて・さわって・たべて」をコンセプトに例年7月第2週目の週末に開催されています。

羅臼の道の駅の裏にある「本町通り」の活性化と羅臼昆布の普及のために2014年にスタートしました。

黒ハモ丼や海鮮丼、昆布料理など地場産の海産物を満喫できるのはもちろん、羅臼昆布が商品になるまでの作業工程を体験できます。

その他、羅臼の昆布漁師にコスプレしての記念撮影ができる「なりきり昆布漁師コーナー」などもあり、羅臼昆布への愛情に満ちたイベントです。

昆布は日本料理の出汁に欠かせない食材で、料理の縁の下の力持ち的な役割を担います。そんな羅臼昆布の漁を、さらに縁の下で支える浜の母ちゃんたちが主役の「羅臼昆布フェスタ」です。

7月に羅臼に行く方は、ぜひ候補に追加してください。

知床(ウトロエリア)

知床半島ウトロエリアは日本有数の観光地の一つです。

夏になると、手つかずの自然と冷涼な空気を求めて多くの観光客が訪れ、毎年のように来道するリピーターも少なくありません。

訪れるたびに新しい発見があるというのが理由です

夏は祭りのシーズンでもあり、地元の方と等身大のお付き合いができる絶好のチャンスです。

地元の方しか知らないコアな情報で行きたいスポットが増えるかも知れません。

訪れるたびに深まる知床ウトロの旅、ダイナミックな自然と花とお祭りをご紹介します。

ウトロの荒々しい自然を感じられる「知床観光クルーズ」

羅臼のクルーズとは異なりウトロのクルーズは知床半島の荒々しい自然を感じられます。

ウトロ港から出港する観光クルーズ船は、運行する観光クルーズの会社によってコースや船の大きさに違いがあります。

コースは大きく分けて、

  • 知床半島先端の知床岬までの往復(最も長い)
  • カムイワッカの湯の滝までの往復
  • ルシャ海岸までの往復(最も短い)

の3つで、このコースはどのクルーズ会社もだいたい同じです。

知床観光船おーろら

知床観光船おーろらのコース

船には大型観光船/クルーズ船(小型船)の2つがあります。

大型観光船は比較的揺れが少ないため、船酔いしやすい人や落ち着いて知床半島の自然を満喫したい人に向いています。

一方のクルーズ船は、揺れをダイレクトに感じますが、大型船よりも岸の近くまで寄れるので、ヒグマやエゾシカと遭遇したときはより間近でその姿を見ることができます。

知床半島の西側に位置するウトロと東側の羅臼は、同じ半島を二分しているものの、その魅力は大きく異なります。

火山活動によって形成された知床半島の西側は、ロシアからの季節風や海流にのった流氷に浸食され、100m以上の断崖絶壁が続く景観となっています。

一方の東側は、流氷が緩やかに流れるので海岸線は西側に比べるとなだらか。

知床連山

クルーズ船から眺める知床連山

カムイワッカの滝

カムイワッカの滝

そのため、ウトロ港から出港する観光クルーズでは、このように東側(羅臼側)と比べワイルドで荒々しい剥きだしの自然を眺められます。

美しい知床連山と湖を眺める「知床五湖歩き」

知床五湖は、斜里町の国立知床公園内にある5つの湖の総称で、「知床八景」のひとつです。

原生林のなかに佇み、知床連山や周囲の木々を湖面に移すその様子は、訪れた人に静寂や安らぎを与える場として人気です。

知床五湖

特に春は知床連山には残雪があり、非常に美しい景色を眺めることができます。

そんな知床五湖の散策方法には、高架木道と地上遊歩道の2つがあります。

全長約800mと短く、段差がない高架木道は、車椅子やベビーカーでも利用が可能のバリアフリー設計。

知床五湖

ヒグマ対策に電気柵が張り巡らせられているので、ヒグマの出没の有無に関係なく開園から閉園まで無料で通行ができますが、知床五湖のうちの一湖しか行けません。

気軽に知床の自然を楽しみたい方や時間がない方は、高架木道のコースがおすすめです。

一方、地上遊歩道は小ループと大ループの2つのコースがあり、小ループは二湖から一湖を巡り、大ループでは五湖すべてを巡ります。

地上遊歩道は木道ではなく森の中を歩くのでこのような自然を間近に感じることができます。

知床五湖

そして、高架木道とは異なり、すべての木道を歩けるのもポイント。

知床五湖

地上遊歩道からしか見られない湖

どちらも事前に10分程度のレクチャーを受ける必要がある上、ヒグマの出没状況によっては散策が中止されることがあるので注意してください。

また、ヒグマの活動期に当たる5/10〜7/31の期間は、知床五湖登録引率者のガイドツアーへの参加が義務が義務付けられます。

神の水に浸って温泉気分「カムイワッカ湯の滝」

数ある知床観光スポットのひとつとして常に上位にランクインされる「カムイワッカ湯の滝」

カムイワッカの滝

知床連山・硫黄山から流れ出る源泉がそのまま天然の露天風呂になるという野趣あふれるアドベンチャースポットとして知床随一の人気を誇ります。

あまりの人気に風化が進まないよう、さまざまな規制がある点には留意しておきましょう。

例年、道道93号線の規制が解除される6月1日〜10月31日まではアクセス可能となっていますが、7〜8月にかけての約1ヵ月間はマイカー規制がかかるので要注意。

また、カムイワッカ湯の滝手前11kmはシャトルバスを利用しなければなりません。

さらに、個人での沢登りはできなくなり、事前予約のツアーでのレクチャーなどを受けなければなりません

「カムイワッカ湯の滝のぼり」ツアーでは、サケやマスのように川を遡上します。

最終目的地の「4の滝」あたりは35〜38℃という絶妙の湯加減となるため、温泉好きには垂涎もののツアーです。

カムイワッカとはアイヌ語で神の水。神の水に浸る夏の日、想像しただけでワクワクしてきます。

知床半島最大の祭りは友好の証し「しれとこ斜里ねぷたまつり」(7月)

しれとこ斜里ねぷた祭りは青森県弘前市と斜里町が友好都市となったことで1983年に始まった知床最大の祭りです。

例年7月の中旬に開催され、12基余りのねぷたが町内の目抜き通り約2.5kmを練り歩きます

日中には商店街を中心に「しれとこ夏まつり」が、また、お囃子が集まる「ねぷた囃子フェスティバル」も開催され、町中が大賑わいとなります。

「しれとこ斜里ねぷた祭り」のそもそもの始まりは1807年の津軽藩士の北方警備による殉難事件からです。

100名のうち72名が死亡し、1972年に津軽藩士殉難慰霊碑が建立されました。これが縁となり、弘前市との交流が始まったといいます。

日本列島の中では北国としてひと括りにされますが、近いようで遠い弘前市と斜里町、歴史を知ればそれぞれを旅する意味が深まります。

毎回新しいゆりに出逢える「ゆりの郷こしみずリリーパーク」(7-9月)

「ゆりの郷こしみずリリーパーク」はその名の通り、一面に色とりどりのユリが咲く観光花畑です。

広さ13haの園内に世界のゆり100品種、約700万株のゆりを栽培しています。

品種によって咲く時期が異なるため花期は長く、7月中旬から9月にかけて鑑賞を楽しめます。

訪れるたびに新しいゆりと出逢えるでしょう。

散策路を歩いて30分ほどで園内を1周できますが、運転手付きのカートでの散策も可能です。

入口の前では生花や地場産の野菜が販売されています。

せっかくなので、ゆり根を使ったソフトクリーム「ゆりソフト」もトライしてみましょう。

野付・標津エリア

世界遺産知床半島の玄関口ともいえる標津町から野付半島。

スケジュールの詰まった旅行ではつい見逃してしまうのでしょうが、実は知床に負けず劣らず素晴らしい観光スポットがたくさんあります。

朽ちゆくトドワラと咲き誇る花々とのコントラストがいっそう美しい~野付半島原生花園

野付半島原生花園は、半島の先端にある野付埼灯台を中心としたエリアに広がる花園です。

5月のネムロタンポポやクロユリに始まる花々の競演は6月にセンダイハギ・ヒオウギアヤメが加わり、7月〜8月のハマナスやエゾカンゾウでピークを迎えます。

野付半島原生花園

野付半島原生花園

野付半島といえばこの世の果てのようなトドワラ・ナラワラがあまりにも有名ですが、朽ちゆく自然と今を盛りと咲き誇る花々とのコントラストに生命の循環を感じる方は少なくないでしょう。

打瀬船気分で手軽なトドワラ観光やアサリ掘り~尾岱沼観光船

尾岱沼観光船は、尾岱沼漁港を発着場とするオホーツク海洋ツアーです。

毎年5月から10月にかけて野付半島へ行く「トドワラコース」と、北方領土の国後島を臨む「国後島コース」や「ネイチャーウォッチングコース」が航行されます。

基本となる「トドワラコース」は毎日3便運航、片道30分の船旅はゴマフアザラシとの接近遭遇や北海シマエビ漁の打瀬舟など見どころ満載です。

また、2024年は中止になりましたが、5月から7月にかけては野付半島の先端にあるアラハマワンドで大粒のアサリを掘る「アラハマワンド潮干狩りコース」も航行されます。

多彩な楽しみ方ができる尾岱沼観光船ツアー、道東観光の超穴場です。

夏の道東を食べつくすグルメイベント「尾岱沼えびまつり」(6月下旬)

「尾岱沼えびまつり」は名物北海シマエと巨大アサリをメイングルメとした道東屈指のグルメイベントです。

毎年6月の最終日曜日に開催され、エビすくいにアサリすくい、北海シマエビの踊り食いや早食い競争、歌謡ショーなど盛りだくさんの内容で日本全国から多くの観光客を集めます。

折も折、傍らではシーズンに突入した打瀬船による北海シマエビ漁が始まっています。

打瀬船漁を眺めながら茹でたてのシマエビを食べる贅沢は「尾岱沼えびまつり」でしか味わえません。

6月の最終日曜といえば北海道以外の日本では梅雨から夏本番への移行期です。

どうぞ忘れないうちに、待ちきれない夏を先取りする涼やかな場所での熱いイベント「尾岱沼えびまつり」を予定表に書き込んでおいてください。

ただし、年によっては十分な量が穫れず中止になることもあるので、自治体のホームページ等で確認しましょう。

朝霧に浮かぶ幻想風景「打瀬舟」(6月下旬~7月下旬)

2004年に北海道遺産として指定された打瀬船。

ロマンティックなネーミングとゆったりと幻想的な光景から、トドワラ・ナラワラと並ぶ野付半島観光の目玉となっています。

打瀬船は、6月下旬から解禁になる北海シマエビ漁のため、朝6時に港を出ます。

早朝の急激な温度変化による朝霧が漂い、海面にうっすらとおぼろな船影を映し出す光景はこの世のものとは思えません。

野付半島のもう一つの観光目玉トドワラ・ナラワラが「この世の果て」と呼ばれるのと同様、まるで「この世の果て」への道案内のように旅人を誘います。

燃料も電気も使わず、自然の風だけを頼りに網を引く漁法は、シマエビの餌となるアマモを傷つけないための先人からの知恵の継承です。

自然を損ねず、自然を利用して生活する野付の人々の気概が感じられます。

北国に暮らす人々の、朝霧に浮かぶ静かな気概、野付半島の夏の風物詩をぜひご覧ください。

6,000個の提灯が酪農の町の夜を彩る「なかしべつ夏祭り」(8月)

「なかしべつ夏祭り」は道東屈指の夏のビッグイベント、酪農の町中標津町で8月に開催されます。

盆踊りのやぐらから広がる6,000個以上の提灯は日本一ともいわれ、酪農の町の夏の夜を幻想的に彩ります。

YOSAKOIソーランステージや大通パレード、コスプレ・仮装盆踊りなどイベントも盛りだくさんです。

目玉は、参加者全員での「牛乳で乾杯!」です。

地場産の搾りたての牛乳を味わう機会は、人生においてそう多くはありません。昨今の牛乳消費の低迷打開の一助ともなるでしょう。

提灯には1つ1つ名前があり、子や孫の誕生や入学・卒業の記念、旅人の想い出などさまざまなアニバーサリーに個人や企業から寄贈されてきたものです。

思いの詰まった提灯はその数6,000個を超え、日本全国から多くの人を集める夏のイベントの目玉となりました。

広大な酪農地帯の夏の夜に浮かび上がる6,000個の提灯の灯り、それは決して「真夏の夜の夢」ではありません。

それぞれのアニバーサリーの灯りの積み重ねです。

あなたもアニバーサリーの提灯を、中標津で灯してみませんか?

根室エリア

根室エリアの夏の最高気温の平均は20℃前後です、猛暑日とは無縁のエリアです。

身の閉まった海産物が旬を迎えまる時期ですので、根室の海産物をお腹いっぱい楽しめます。

夏の根室エリアの大自然の観光と食のイベントをご紹介します。

歩いて気づく根室のホントの魅力「根室フットパス」

根室フットパスはかなりマニアックですが、道東でもあまり体験でき場所がないのでご紹介します。

フットパスとは、誰もが自由に散策できる公共の散歩道をいいます。

歩く権利を大事にするイギリス発祥のウォーキング文化であり、人々は土地の所有権に関係なく自然の中を歩き、野生動物や花々を観察し風景を楽しみます。

根室フットパスとは、以下の3つの各地域をつなぐ約42.5㎞のフットパスです。

  • 厚床(あっとこ)パス
  • 初田牛(はったうし)パス
  • 別当賀(べっとが)パス

フットパス

それぞれ別ルートで設定されているので、すべてを歩く必要はありません。

5人の寛容な酪農家によるAB-MOBITという組織が、それぞれの牧場敷地内を解放し、ルートが形成されました。

厚床パスの「もの思いにふける丘」、別当賀パスのフレシマ湿原、釣り人垂涎のポイントを網羅する初田牛パスなどそれぞれに特徴があり、楽しみ方もさまざまです。

根室フットパス

なお根室フットパスを歩くには、近くにある伊藤牧場で通行証の購入(300円)が必要です。

また、「別当賀パス」は途中にある扉を開けるための鍵もここでもらわなければなりません。

北海道観光はレンタカーでの車窓風景を楽しむケースがほとんどかも知れませんが、歩いてしか気付けないことはたくさんあります。

ガイドブックやネット検索の情報から入る旅ではなく、自ら歩き、自分の感性に身を委ねる旅は根室フットパスでしか体験できません。

漁師目線の海洋観光で知る海の生態「落石ネイチャークルーズ」

落石ネイチャークルーズは、根室半島の付け根にある落石港から出航する海洋観光です。

運航期間は6〜9月と1〜2月、地元漁師の操る漁船に乗って北海道天然記念物に指定されているユルリ・モユルリ島を眺めながら約2時間半かけて航行します。

ラッコやアザラシなどの海洋動物の観察から希少な海鳥のエトピリカやケイマフリなどのバードウォッチングも楽しめる極上のツアーです。

アイヌ語で「鵜のいる島」を意味するユルリ島には絶滅危惧種であるエトピリカやウトウが棲息しています。

また、かつて昆布を引き上げるため連れてこられたという馬が野生化し、たくましく生き延びています。

隣りのモユルリ島の「モ」は小さいという意味。

多くのカモメが営巣し、上空ではカモメの雛を狙うオジロワシがチャンスを伺っています。

こうした生命の連鎖を感じさせるツアーは漁師の操る漁船ならでは。

落石ネイチャークルーズは、大自然の生命のサイクルを漁師視点から見られる稀有な海洋ツアーです。

夏の海産物を腹いっぱい食べるなら「おちいし・味まつり」(6月)

味まつり

おちいし・味祭りは、落石漁協主催による海産物中心の味覚祭りです。

例年5月末から6月にかけての週末に開催されています。

落石港周辺で獲れたタコや花咲ガニ、サケ・マスなど新鮮な魚介が格安で販売され、その場で食べられるよう炭焼きコーナーも設けられていて非常に楽しめます。

味まつり

味まつり

根室の食を楽しめるだけでなく、ホッキ貝の早剥き競争、ホッキ貝釣り、餅まき抽選会、水族館、魚と一緒に入る水槽プール、子供広場(お絵描きコーナー・エアートランポリン・コマ回しコーナー)など、家族そろって楽しめるアトラクションが盛りだくさんです。

落石ネイチャークルーズによるユルリ・モユルリ島の遊覧航行も行われるため、食べて遊んで航行して、1日で落石のすべてを味わいつくせとてもおすすめのイベントなのでチェックしましょう。

花咲ガニの旬を食べつくす根室の夏「根室かに祭り」(8月)

根室の夏といえば「根室かに祭り」です。

根室名物、花咲ガニをメイングルメとしたさまざまなアトラクションが行われ、日本全国から多くの人が集まります。

カニが旬を迎える季節は地域によって異なり、根室の花咲ガニは根室のもう一つの名物、根室昆布を食べて8〜9月上旬に食べ頃となります。

「根室かに祭り」が開催されるのは、花咲ガニのいちばん美味しいこの時期です。

最初の「根室かに祭り」は1959年、こんなにも美味しい花咲ガニを、より多くの人に食べてもらいたいという素朴な気持ちから始まりました。この気前のよさは60年経った今も変わりません。

花咲ガニの特売はもちろん、茹で上げ実演会や早食い競争など、あの手この手でびっちり身の詰まった花咲ガニが振舞われます。

8月下旬から9月上旬といえば、北海道以外の地域ではまだ暑い盛りかも知れません。

けれども、道東根室エリアはそろそろ「食欲の秋」の気配漂う頃合い。

夏バテの栄養補給を兼ねて「根室かに祭り」で食欲の秋を前倒ししては如何でしょう。

釧路

釧路は北海道の大都市のひとつであり、霧深く冷涼な気候から夏の避暑に訪れる方は少なくありません。

代表的な観光地である釧路湿原だけでも、一望する展望台や動物視点で歩ける散策路、ノロッコ号などの楽しみ方ができます。

海産物の旨さはいうまでもないでしょう。

夏は祭りのシーズンでもあり、安価で特産品をゲットできるチャンスです。冷涼な釧路の夏をご堪能ください。

釧路湿原をゆっくり運行「釧路湿原ノロッコ号」

ノロッコ号

釧路駅から塘路駅まで片道約45分、釧路川に沿って走る観光列車「釧路湿原ノロッコ号」

春になると運行が始まる釧路湿原観光のハイライトの1つです。

35年目を迎える2024年は、4月27日~10月6日までの運行が決定しています。

車窓からは、釧路湿原の美しい景色と、エゾシカやタンチョウなどの野生動物の姿を眺めることができます。

ノロッコ号

そのまま往復するのもいいですが、「釧路湿原駅」で途中下車するのもおすすめです。

駅から徒歩約10分の「細岡展望台」からは、180°目の前に広がる釧路湿原と釧路川の雄大な景色が望めます。

細岡展望台からの釧路湿原

細岡展望台からの広大な釧路湿原

電車の本数が少ないため、事前に帰りの時刻表を確認するようにしましょう。

多様で希少な植生を等身大で観察「温根内木道散策」

温根内木道は温根内ビジターセンターを起点とする木道です。

温根内ビジターセンター

2種類のコースがあり、外周りコースは3キロで約60分、内周りコースは2キロで約30分ほどかかります。

要所に解説板やベンチが設置されているので、植生や生物を確かめつつ休憩することも可能。

起伏のないわずか1時間足らずの散策でヨシ・スゲ湿原からミズゴケ湿原、ハンノキ林と表情の異なる風景を堪能できます。

とくに林を抜けて湿原の風景が広がるさまは圧巻、まるでアフリカのサバンナのような解放感に満たされます。

温根内木道

水芭蕉に似たサトイモ科のヒメカイウから始まる花々の競演は、ガマ・ミツガシワと続きモウセンゴケやヒメシャクナゲ・ワタスゲなど、湿原でしか観ることのできない希少な植生へと変わります。

6月からはエゾハルゼミが鳴き、7〜8月にはヘイケボタルの灯りに誘われることもある等身大の釧路湿原体験です。

釧路湿原一望の超穴場スポット「サルボ・サルルン展望台」

サルボ・サルルン展望台は釧路湿原最大の湖である塘路湖をはじめ、サルルン沼、ポン沼、エオルト沼、マクントーなど大小さまざまな沼を一望できる展望台です。

国道391号沿いの入口から500mほどでサルボ展望台、さらに樹林を約800m歩いてサルルン展望台があります。

緑に満ちた広大な釧路湿原と空の青さを映す湖沼群を一望し、夏には湿原の中をのんびり走るノロッコ号、冬には煙を吐いて走るSL冬の湿原号を撮影できる絶好のスポットとして撮り鉄ファンにも根強い人気があります。

サルボ展望台

サルボ展望台からの展望

サルルン展望台

サルルン展望台からの眺望

旅行会社のツアーには組み込まれていないため、ほぼ混雑することはありません。

知る人ぞ知る「サルボ・サルルン展望台」は、釧路観光の穴場として押えておきたいスポットです。

ただし、小さな丘を30分ほど登るので、無理はしないようにしましょう。

阿寒湖

温泉街として知られる阿寒湖周辺は山と湖の景勝地でもあり、ほんの少し足を運ぶだけで絶景に恵まれ、自然の不思議な現象を目の当たりにすることもあります。

1年を通してさまざまなレジャーが企画されますが、夏の軽登山や遊覧船などはぜひとも体験したいアクティビティです。

歩き疲れたり、汗をかいたりしたら温泉で流しましょう。

雄大な景色を眺め、マリモの生態も学べる「阿寒観光汽船」

阿寒湖を湖上から楽しむことができるのが、阿寒観光汽船の遊覧船です。

遊覧船

景勝地の滝口を巡り、チュウルイ島の「マリモ展示観察センター」での見学を含む、阿寒湖一周約85分のクルーズですが、マリモだけでなく、雄阿寒岳などの阿寒湖周辺のダイナミックな自然も間近に感じれられるのもポイントです。

阿寒湖遊覧船

体験型ウォーキングツアー「カムイルミナ」

カムイルミナ

カムイルミナの入り口。チケットを見せて入っていきます

阿寒湖畔にて、夜に開催される「カムイルミナ(KAMUY LUMINA)

例年5月から11月にを阿寒湖の森を歩いて冒険をする、大人も子供も楽しめる体験型のイベントです。

物語は「フクロウとカケスが、人間のためにカムイの世界(アイヌ語で神の世界)を目指す」アイヌの伝説。

イベント参加者は、アイヌの杖をモチーフにしたリズムスティックを持ち、光と音、プロジェクションマッピングで彩られた、幻想的な約1.2kmの遊歩道を進み、カムイの世界に向かいます。

カムイルミナ

大パノラマと雲海の「白湯山展望台」

白湯山展望台は、阿寒湖温泉街の南側にある白湯山の標高815mの位置にあります。

北側に阿寒湖と雄阿寒岳の壮大なパノラマを一望、南に雌阿寒岳も望める絶好のロケーションの展望台です。

白湯山

アクセスは、阿寒湖畔スキー場中腹の「白湯自然探勝路」から「阿寒湖畔展望台」を経て往復約90分ほどです。

道中、希少な高山植物や野鳥との出会いはもちろん、ボッケと呼ばれる泥火山を見ることもできます。

ボッケとはアイヌ語で煮え立つを意味し、泥が火山ガスと一緒になって噴き出している状態です。

夏の早朝に登ると、朝霧が雲海となり湖を覆い、幻想的な雰囲気を醸し出します。

摩周、屈斜路湖エリア

津別・美幌・弟子屈にまたがる摩周・屈斜路湖エリアは峠が多く景観に恵まれた観光スポットが随所にあります。

夏の早朝は霧深く、雲海の撮影や緑豊かな山稜と空を映す湖とのコントラスト、希少な高山植物や野鳥、魚の遡上など被写体には事欠きません。

誰もが撮りたくなる、表情豊かな摩周・屈斜路湖エリアの夏、ご堪能ください。

摩周湖第一展望台、摩周湖第三展望台

アイヌ語で「カムイトー(神の湖)」の名を持つ摩周湖

最大水深212mのカルデラ湖である摩周湖は、世界レベルの透明度を誇り、湖面の深い青色は「摩周ブルー」と呼ばれています。

摩周湖を見るのであれば第一展望台が最もメジャーであり、レストハウスでお土産を購入することもできます。

摩周湖第一展望台

2022年には「摩周湖カムイテラス」が新たにオープンして、オリジナルの摩周ブルーソフトや摩周霧ソフトを味わいながら、神秘的な摩周湖の景色を楽しめます。

摩周湖カムイテラス

ここではその美しい絶景から、星空観察会やフォトウエディングなども行われています。

「第三展望台」は、第一展望台より標高が高い位置にあるため、摩周湖のほぼ中央に浮かぶカムイシュ島を眼下に迫力ある景色が楽しめます。

摩周湖第三展望台
摩周湖第三展望台

摩周湖を背に向けると、硫黄山や藻琴山を臨むことができます。こちらも忘れずに見ておきましょう。

摩周湖第三展望台

個人的には第一よりも第三展望台のほうが断崖を望むことができ、北海道の絶景らしい風景を感じることができるので、おすすめです。

日本一のカルデラ湖の絶景を違う角度から味わい尽くす~美幌峠、津別峠

美しすぎる美幌峠

屈斜路湖を囲むようにある外輪山には、それぞれ異なる魅力を持つ美幌峠と津別峠があります。

美幌峠は標高525mに美幌峠展望台があり、展望台に隣接して「ぐるっとパノラマ美幌峠」という道の駅もあります。

展望台までの道は道幅が広く、カーブもそこまできつくないので走りやすく、眼下に見える屈斜路湖を楽しみながらのドライブができるでしょう。

峠の頂上からは、ぽっかりと中島が浮かぶ屈斜路湖を上から眺められ、天気が良い日には硫黄山や知床連山も肉眼で確認できます。

その景色はまさに絶景。

美幌峠

これに対し、津別峠は外輪山では最も標高が高く、津別峠展望施設がある場所は標高947mとなります。道中は道幅が狭く、くねくねとカーブが多いので、道中に景色を楽しむ余裕はそこまでないでしょう。

しかし、辿り着いた先からは、日本一大きい屈斜路湖を包み込むように続く阿寒連峰の稜線と、その奥の雄大なオホーツク海まで一望できます。

さらに、どちらも春から秋にかけての早朝は、雲海が見られる絶好のポイントです。

美幌峠の場合、屈斜路湖の湖上に雲海ができると雲海を間近で見られますが、埋もれてしまうと景色は楽しめません。

津別峠からの雲海

一方で、津別峠で見られる雲海は、太平洋沿岸で発生した海霧が風に運ばれたもの。

気象条件によっては、遠くの山頂を残して周囲が雲に飲み込まれ、地平線まで続く大雲海が広がる絶景になります。

また、津別峠のほうが標高は高いため、雲海を見られる可能性は高くなります。

諦めないサクラマスに思いを巡らす夏「さくらの滝」

さくらの滝とは、桜の季節が美しいことはもちろんですが、多くのサクラマスが滝越えのジャンプをしている姿が頻繁に観られることから呼ばれるようになった滝です。

さくらの滝

江鳶山(えとんびやま)の西側を流れる斜里川の上流、札弦(さっつる)市街から南に約7kmの場所にあります。

サクラマスとは、渓流の女王と呼ばれるヤマメが海へ出て大きく成長し、産卵のため川を遡上するサケ科の魚です。

遡上シーズンは道東の桜の花びらが散る6月から9月上旬にかけて。

サクラの花の命を引き継ぐように高さ3mもの滝へ果敢に挑みます。これだけ大きな滝を越える遡上シーンは、世界的にも珍しいということです。

力強さとタイミングと場所、運を味方につけても、滝越えに成功するサクラマスはほんのわずか、1万匹のうち成功するのは5%ほどといわれています。

自然の厳しさ、自然な淘汰を目の当たりにし、何を想うかは人それぞれです。サクラマスの旺盛なチャレンジに自分を重ねる方もいれば、自然とは何か改めて考える方もいるでしょう。

巡る生命の厳しさと美しさに魅入る「さくらの滝」へ、ぜひサクラマスの応援にいらしてください。

日本一のイソツツジの群落「硫黄山のイソツツジ」

定番の観光スポットである硫黄山の麓にイソツツジの群落が広がり、6月に花の盛期を迎えます。

日本最大ともいわれるイソツツジ群落のハイライトは北端にあるイソツツジテラス周辺、白い綿帽子のような花で埋め尽くされる光景は圧巻です。

イソツツジ

植生は見事に棲み分けされ、イソツツジ群落の先はハイマツ帯となり、草木1本だに生えない裸の山、硫黄山へと続きます。

イソツツジの他にみられるのはガンコウランやハナゴケなど、いずれも高山植物と呼ばれる希少な花です。

硫黄山の自然や植生について詳しく知りたい方は、近くの川湯エコミュージアムセンターまで足を延ばすとよいでしょう。

そのすぐそばを流れる川は温泉です。無料で利用できる足湯があるので、歩き疲れたらじっくりと癒してください。

厚岸、浜中

厚岸・浜中エリアの夏は花に満ち溢れています。

全国的な知名度を誇る「あやめが原原生花園」に霧多布湿原のエゾカンゾウなど、見渡す限りの花畑が続きます。

広大な花畑を横目に海産グルメを味わうイベントも催され魅力満点です。

「花より団子」とは昔のことわざですが、夏の厚岸・浜中エリアは「花も団子も」満喫できます。

馬とヒオウギアヤメと海と空「あやめが原原生花園」

あやめが原原生花園は、厚岸町市街地から南東へ12km、太平洋に突き出た断崖上に広がる日本最大のヒオウギアヤメ群生地です。

見頃は6月中旬から7月上旬にかけて、花の香りに誘われてアクセスできるほどの盛期を迎えます。

100haの原生花園はヒオウギアヤメの紫の大パノラマとなり、時折コントラストのように黄色のキリンソウやキンポウゲが顔を覗かせます。

あやめが原原生花園

「あやめが原原生花園」では、花の時期に合わせて馬が放牧されます。

理由は、馬にヒオウギアヤメ以外の草を食べてもらうためです。

馬は、嫌いなヒオウギアヤメ以外の草を見事に食べつくし、地球にまったく負荷のかからない除草をしてくれます。

馬とヒオウギアヤメと海と空、よい写真が撮れそうです。

300種の花と幻想的な大群落「霧多布湿原のエゾカンゾウ」

霧多布湿原は浜中町にある総面積約3ha、国内5番目の広さを誇る湿原です。

6〜7月にピークを迎えるエゾカンゾウの大群落を始め、ツルコケモモやガンコウラン・ワタスゲなど、約300種もの花が自生しているといわれ「花の湿原」とも呼ばれています。

霧多布湿原

約5000年前までは海底だったという地層は、低層から高層までさまざまなタイプの湿原が見られ、1922年に中心部の泥炭で形成された高層湿原部分803 haが天然記念物に指定されました。

1993年にはラムサール条約に登録、2001年に北海道遺産の一つとなります。

稀有な地層と霧深い冷涼な気象が育んだエゾカンゾウの大群落と300種の花々。

アイヌ語のキタプへの当て字として用いられた霧多布は、まさに的を得た表現といえるでしょう。

大粒のあさりが取れる「あさり堀り体験」

厚岸は牡蠣だけでなくあさりもよく捕れるのをご存知でしょうか?

厚岸湖は海水と淡水の中間の塩分を持つ汽水湖で、プランクトンが大量発生しやすい環境により、豊富な餌によって大きく味の濃いあさりが獲れる絶好の漁場。

生産量は北海道1位で、牡蠣と並ぶ名産として知られています。

そんな厚岸のあさりを、春から自分の手で掘って食べられると人気なのがあさり掘り体験です。

厚岸町のあさり掘り体験は、国道44号の道の駅「コンキリエ」や、厚岸漁業・厚岸観光協会が主催となり開催されており、2024年はコンキリエでの開催が4月1日~7月15日となっています。

厚岸漁業・厚岸観光協会主催のあさり掘り体験は、詳しい日時を厚岸観光事務局ホームページから確認できます。

満開のエゾカンゾウを眺めながらのグルメイベント「浜中うまいもん市」

「浜中うまいもん市」は霧多布湿原のエゾカンゾウがピークを迎える7月に開催されます。

場所は浜中町琵琶瀬の霧多布湿原特設会場、すぐそばにエゾカンゾウの大群落やヒオウギアヤメなどを鑑賞できる絶好のロケーション。

つまり、食べながらにして花を愛でられる一石二鳥のイベントなのです。

旬の海産物を味わえる屋台が並び、カキのつかみ取り、花咲ガニのゆで揚げ実演販売や早食い競争、地引網体験などアトラクションが盛りだくさん。

ステージでは郷土芸能きりたっぷ浜太鼓の演奏も行われます。

食べて聴いて花を愛でて充実の一日となり、満充電できることは間違いありません。

涼やかな浜中でこそできる満充電イベント「浜中うまいもん市」、避暑と充電を兼ねてぜひお越しください。

網走・北見エリア

味覚の春から花の夏へ、涼やかなオホーツクの風をまとう網走・北見エリアは夏に花の身頃を迎えます。

ひと掴みに手折れそうな可憐な花々の咲き揃う手つかずの原生花園から、肥料として蒔いた種が訪れる人を魅了する花畑、海へ続く花の大群落など、多様なシチュエイションでさまざまな花を楽しめます。

屋内で鑑賞する胡蝶蘭やバラとは異なる、オホーツクの自然に育まれたさまざまな花畑を紹介します。

花だけで満たされるひとときが此処にある「小清水原生花園」(6中から7下)

北海道にある手つかずの原生花園の中では著名な部類に入る小清水原生花園。

網走国定公園の一部であり、オホーツク海と濤沸湖(とうふつこ)の間に形成された約8キロメートルの細長い砂丘の上に200種類にも及ぶ植物が自生しています。

小清水原生花園

原始から続く天然の花畑は4〜9月にかけて代わる代わるに色とりどりの花を咲かせます。

ピークは6月中旬から7月下旬、エゾキスゲ、エゾスカシユリ、ハマナス、ヒオウギアヤメがグラデーションのようにやさしく咲き競うさまは時間を忘れるほどに魅了されます

遠くに藻琴山や知床連山を望み、オホーツク海と濤沸湖の間を一両編成のJR釧網本線が走るなど抜群のロケーションでインスタ映えも申し分ありません。

小清水原生花園

ほとんどの観光地が「花と団子」のワンセットになっている中、「小清水原生花園」は花だけで満腹になれる数少ないスポットです。

オホーツクを望む岬が黄色に染まる「能取岬のエゾカンゾウ」(7月)

能取岬(のとろみさき)は網走市街から北へ約10kmに位置する静かな岬です。

普段は灯台と管理事務所があるだけの静かな岬ですが、7月になるとエゾカンゾウの花がいっせいに開き、知る人ぞ知る花の観光穴場スポットとなっています。

オホーツク海に突き出た岬一帯は、網走市営の美岬牧場(みさきぼくじょう)の敷地内でもあり、放牧されてのんびり過ごす牛や馬と咲き誇るエゾカンゾウとのツーショットに魅入る方が少なくありません。

オホーツクの水平線を望む果てしないロケーションは東の知床連山へと続きます。

また、冬には網走市でもっとも早い流氷を観測できるなど、網走エリアの季節のターニングポイントに欠かせないスポットとなっています。

足元の岩礁から沖へ敷き詰められた流氷もまた圧巻。

夏のエゾカンゾウの群落とのギャップが自然の豊かさを感じさせます。

中国の大ヒット映画「狙った恋の落とし方」のロケ地としても有名です。

確かに!

ここでなら、好きな人を落とせるでしょう。

日本一のひまわり畑は網走にあり「大曲湖畔園地ひまわり畑」(7中〜下)

大曲湖畔園地は網走刑務所の旧農場跡地を整備した観光農園です。

全体で80haもある広大な敷地にひまわりやコスモスなどが一面に花を咲かせ、多くの観光客を魅了します。

大曲湖畔園地ひまわり畑

目玉となるひまわりの見頃は初夏と初秋の2回、7月上旬から中旬には約75万本ものひまわりがいっせいに咲き、9月下旬から10月上旬にかけて約260万本が花を咲かせます。

秋のコスモスとの共演、オホーツク網走マラソンのランナーがひまわり畑の中を駆け抜ける姿も見ものですが、ひまわりといえば、やはり夏でしょう。

太陽に向かって真っすぐ花を咲かせる姿は、いつも勇気を与えてくれます。

これまで日本一とされてきた北竜町と比べても花数で勝っているという「大曲湖畔園地ひまわり畑」は、夏の道東観光でぜひ立ち寄りたいスポットです。

市民ボランティアの夢が満開「はな・てんと」(6月)

「はな・てんと」は天都山山頂近くの網走レークビュースキー場を、夏の間は花でいっぱいにしようと市民ボランティアの手によって整備されたフラワーガーデンです。

サルビアやマリーゴールド・ケイトウなど色鮮やかな花々が咲き揃い、天都山の麓から山頂近くまでを埋め尽くします。

はな・てんと

約3.5haの斜面に35,000株の花が満開になる6月からは、ビューポイントを求めて多くの観光客が訪れます。

天都山の山頂ロッジからのロケーションも抜群で、眼下のフラワーガーデンが雪崩れ込むようにオホーツク海へ注ぎ、知床連山や網走湖などを一望できます。

花の見頃は6〜10月中旬、花期が長いので何度でも訪ねたくなるスポットです。

地元有志のロマンが花開き魂を結ぶ「網走フロックス公園」(8月)

網走フロックス公園は網走市呼人地区の丘陵地にあります。

遠方からはピンクの絨毯を敷き詰めたようにも見えるフロックスの花はおよそ15万株、7月下旬から8月にかけて満開の見頃を迎えます。

網走フロックス公園

2002年に地元有志が山林を開墾し1,000株のフロックスから始まった花園は、絵本の「木を植えた男」のようにコツコツと拡がり、10ha15万株となった2010年に一般公開されました。

網走湖や女満別の平野を一望できる展望ポイントもあり、花と眺望を同時に楽しめる網走の新名所としてすっかり定着しています。

フロックスの花言葉 は「合意」「一致」。 

英文では「harmony」「our souls are united」すなわち、「調和」「私たちは魂で結ばれている」です。

地元有志のロマンがオホーツクの風と調和して観光客を魅了します。

ゴッホのひまわりを想起させる「朝日ヶ丘公園」(ひまわり)

「朝日ヶ丘公園」を始めとする大空町のひまわりは、長い期間、花を楽しめるのが特徴です。

なぜなら、大空町のひまわりは小麦の刈り入れ後の畑の肥料として作付けされるからです。

朝日ヶ丘公園

作付けの時期は畑によって異なるため7月下旬から咲き始めたひまわりは、順次花を咲かせ、見頃は10月中旬まで続きます。

合わせておよそ10haもの耕作地がひまわり畑となり、約200万本のひまわりが咲き継いでいきます。

数多いビューポイントの中でもっとも人気なのが朝日ヶ丘公園展望台です。

女満別市街から4kmほど離れた高台に位置し網走湖から斜里岳、知床連山を一望、ひまわり最盛期の8月上旬から9月下旬にかけては、展望台周辺から遥か彼方までが黄色に染まります。

フランスのアルル地方にも似た乾いた青空とひまわりとのコントラストは情熱の画家フィンセント・ファン・ゴッホの絵を思わせるほどです。

情熱の画家は暑すぎるがゆえに非業の死を遂げたともいわれています。

涼やかな網走で静養していたら、また違う生涯を送れたかもしれません。

大空町の朝日が丘公園は、19世紀の画家にまで思いを馳せることのできる情熱的なスポットです。

オホーツク海のアザラシやイルカ・クジラウォッチング~あばしりネイチャークルーズ

ネイチャークルーズ

あばしりネイチャークルーズは、道の駅「流氷街道網走」を発着場とするオホーツク海の海洋ツアーです。

例年、流氷開けの4月上旬から中旬にかけてはアザラシの群生地への「とっかりツアー」が、4月下旬から10月末はイルカやクジラを観察するクジラ・イルカ・ウミドリ ウォッチングが運航されます。

クルーズ船と友達のように泳ぐイルカの群れや、間近で見るクジラの潮吹きは大迫力。

イルカやクジラとここまで近づけるのは、100年以上昔から捕鯨基地として栄えてきた網走ならではのクルージングでしょう。

まとめ

道東の夏は短い分、密度が濃いのが特徴です。海産物は旬を迎え、花々はいっせいに咲き揃います。

北海道特有の乾いた青空と花々とのコントラストは、手付かずの自然の織りなす芸術作品です。

人々は、花のいちばん美しいときを愛でながら、ここぞとばかりに祭りに興じます。

「美しいものがいちばん美しい時に鑑賞し、美味しいものがいちばん美味しいうちにみんなでで食べる」

これこそが道東の夏、究極のしあわせではないでしょうか?夏はぜひ、避暑だけでなく食や花を楽しみに道東へお越しください。

そして、夏でも冷え込むことのある道東では服装も要チェック!以下の記事を参考に道東旅行の計画を立ててみてくださいね。

夏でも涼しい!道東エリア天気と服装で気をつけるべきことを在住者が解説

【保存版】道東の絶景スポット完全ガイド!在住者が見どころを全力でお伝えします

尻羽岬

北海道東部地方を意味する道東は、北海道広しといえど、他では見られない唯一無二の絶景が連なる魅惑のエリアです。

世界自然遺産に登録された知床半島や日本最大規模を誇る釧路湿原など、一度はその名前を聞いたことがあるであろう名所はもちろん、あまり知られていないマイナーな場所まで数多くあります。

道東はとにかく絶景スポットが多い!

そしてエリアも広大なので、あなたが気になる場所やスポットを探してみて、旅行の参考にしてみてください。

冬は流氷や美しい冬ならではの美しい景色が広がり別世界です。

そのため、この記事では春から秋に訪れるべき絶景を実際に行った私が厳選してご紹介します。

どこもインスタ映え間違いなしの美しいスポットばかり!きっと道東旅行の参考になるはず。

この記事はかなり長いので、ブックマークをしていつでも見られるようにしておくことをおすすめします。

知床(ウトロエリア)

知床半島の西側の半分は斜里町に属し、斜里町のなかでも知床半島の西の付け根に位置するのがウトロです。

知床観光といえば東側の羅臼よりもウトロ側のほうがメジャーです。

知床国立公園や知床五湖、フレぺの滝など知床八景と称される名勝は、ウトロからアクセスしやすい場所にあるため、知床観光の拠点となる場所といえます。

はらはらと流れる乙女の涙~フレペの滝

オホーツク海側の知床半島は、100m超えの断崖絶壁が続く知床でも有数の景勝地です。

その断崖絶壁の中腹から、オホーツク海へと流れているのがフレぺの滝です。

フレペの滝

夏のフレペの滝

滝といえば通常、川や湖の落差によって水が落下するさまを指しますが、フレぺの滝は地中に沁み込んだ雨や雪が地下水となって流れる珍しい滝(潜流瀑)。

大量の水が爆音を立てる滝とは異なり、しとしとと零れるように流れる様子から別名「乙女の涙」とも呼ばれています。

断崖絶壁にある滝なので、船で行かないと見られないのでは?と思いますが、湾曲した地形のため、知床自然センター裏手の遊歩道を歩いて20分ほどで到着するフレぺの滝展望台からも、はっきりとその姿を見ることができます。

フレペの滝

クルーズ船から見るフレペの滝

また、季節や時間によって見え方が変わるので、いつ行っても美しい絶景を楽しむことができます。

フレペの滝

秋のフレペの滝

荒く削られた岩盤から流れる水が静かに、深く澄んだ青色のオホーツク海に注がれ、崖の周辺をオオゼクロカモメやウミネコなどが飛び交い、目の前に広がる林の向こうには雄大な知床連山が見える。
そんな贅沢を一度に味わえるのは、フレぺの滝ならではです。

人の手が作り出した奇跡の道~天に続く道

天に続く道は北海道らしい、ずっとまっすぐな天にも続きそうな道で、道東に来たら絶対に行きたい場所です。

北海道斜里郡斜里町峰浜にある全長約28kmの直線道路(国道244号~344号)のことで、高低差により道の先が空へと向かっているように見えるため、そう呼ばれるようになりました。

天に続く道

スタート地点は海別岳の裾野。ここから斜里町市街を抜け、さらに小清水町倉栄まで国道、農道、町道が一本道でつながっています。

天に続く道

ひたすら続く道は圧巻!

道の脇に防風林や農地が広がり、春は薄緑、夏は青い空と白い入道雲、秋は紅葉と、季節の移ろいとともに色彩が変化します。

一年を通じて美しい景色を楽しめますが、とくにおすすめなのが9月下旬から10月上旬の夕方。スタート地点から先の道路は真西に伸びているので、この時期は夕日が道路の延長上に沈みます。

なお、道路の方角が真西ということは夕方は逆光になるので、順光で写真を撮りたい場合は午前中に訪れるのがよいでしょう(あと観光客も少なめです)。

そしてもう一点、天に続く道の絶景を存分に味わいたいときは、斜里町から一度ウトロ側へ向かい、ウトロ方面から峰浜へ向かうルートがおすすめです。

斜里町から最短で天に続く道へ向かうと、天に続く道を下から上へ上がるルートになるので、スタート地点に到着するまでに景色が目に入ってしまいます。

やや面倒でも峰浜からウナベツスキー場の横を通ってスタート地点に行ったほうが、突然目の前に天に続く道が出現するので感動もひとしおですよ。 

知床半島の荒々しい絶景を楽しむ〜知床観光クルーズ 

知床に行くならクルーズに乗りたいという人も多いのではないでしょうか?

知床観光船おーろら

デッキの様子

ウトロのクルーズは知床半島の荒々しい自然を感じられ、その様子はまさに絶景です。

ウトロ港から出港する観光クルーズ船は、運行する観光クルーズの会社によってコースや船の大きさに違いがあります。

コースは大きく分けて、

  • 知床半島先端の知床岬までの往復(最も長い)
  • カムイワッカの湯の滝までの往復
  • ルシャ海岸までの往復(最も短い)

の3つで、このコースはどのクルーズ会社もだいたい同じです。

知床観光船おーろら

知床観光船おーろらのコース

船には大型観光船/クルーズ船(小型船)の2つがあります。

大型観光船は比較的揺れが少ないため、船酔いしやすい人や落ち着いて知床半島の自然を満喫したい人に向いています。

知床観光船おーろら

大型船の「おーろら」

一方のクルーズ船は、揺れをダイレクトに感じますが、大型船よりも岸の近くまで寄れるので、ヒグマやエゾシカと遭遇したときはより間近でその姿を見ることができます。

知床半島の西側に位置するウトロと東側の羅臼は、同じ半島を二分しているものの、その魅力は大きく異なります。

火山活動によって形成された知床半島の西側は、ロシアからの季節風や海流にのった流氷に浸食され、100m以上の断崖絶壁が続く景観となっています。

一方の東側は、流氷が緩やかに流れるので海岸線は西側に比べるとなだらか。

知床連山

クルーズ船から眺める知床連山

カムイワッカの滝

カムイワッカの滝

そのため、ウトロ港から出港する観光クルーズでは、このように東側(羅臼側)と比べワイルドで荒々しい剥きだしの自然を眺められます。

主なクルーズ会社とコースの特徴を以下の通りです。

特徴 運航期間 ホームページ
知床観光船おーろら カムイワッカの滝航路、ルシャ湾航路、秘境知床岬航路の3つのコースがあり、それぞれ所要時間と料金が異なります。

大型船の「おーろら」は揺れが少ないので安心です。

4月下旬~10月下旬までの毎日運航 https://www.ms-aurora.com/shiretoko/prices/
知床クルーザー観光船ドルフィン 知床岬クルーズ、ルシャ湾クルーズ、カムイワッカの滝クルーズの3つのコースがあります。クルーズ船を使用しているので、断崖絶壁の知覚や小さな入り江まで侵入でき、臨場感が味わえます。 GW・6月~10月初旬 https://shiretoko-kankosen.com/
ゴジラ岩観光 夏は知床半島ウトロクルーズ、ホエールバードウォッチングクルーズ、冬は流氷ウォーク、根室海峡クルーズと季節に合わせたアクティビティが用意されています。 4月下旬~10月下旬 https://kamuiwakka.jp/

基本的にどの会社にも

  • 一番短いカムイワッカの滝まで行くコース
  • ルシャ湾まで行く中距離コース
  • 知床半島の先端の知床岬まで行く長距離コース

というのが定番です。

どれでも絶景は楽しめるので、船のタイプや料金、コースなどで自分に合いそうなところを選ぶとよいかと思います。

美しい知床連山と湖を眺める「知床五湖歩き」

知床五湖は、斜里町の国立知床公園内にある5つの湖の総称で、「知床八景」のひとつです。

原生林のなかに佇み、知床連山や周囲の木々を湖面に移すその様子は、訪れた人に静寂や安らぎを与える場として人気です。

知床五湖

特に春は知床連山には残雪があり、非常に美しい景色を眺めることができます。

そんな知床五湖の散策方法には、高架木道と地上遊歩道の2つがあります。

全長約800mと短く、段差がない高架木道は、車椅子やベビーカーでも利用が可能のバリアフリー設計。

知床五湖

ヒグマ対策に電気柵が張り巡らせられているので、ヒグマの出没の有無に関係なく開園から閉園まで無料で通行ができますが、知床五湖のうちの一湖しか行けません。

気軽に知床の自然を楽しみたい方や時間がない方は、高架木道のコースがおすすめです。

一方、地上遊歩道は小ループと大ループの2つのコースがあり、小ループは二湖から一湖を巡り、大ループでは五湖すべてを巡ります。

地上遊歩道は木道ではなく森の中を歩くのでこのような自然を間近に感じることができます。

知床五湖

そして、高架木道とは異なり、すべての木道を歩けるのもポイント。

知床五湖

地上遊歩道からしか見られない湖

どちらも事前に10分程度のレクチャーを受ける必要がある上、ヒグマの出没状況によっては散策が中止されることがあるので注意してください。

また、ヒグマの活動期に当たる5/10〜7/31の期間は、知床五湖登録引率者のガイドツアーへの参加が義務が義務付けられます

そのためこれらの期間は時間にゆとりを持ってプランを考えるようにしましょう。

行く前にチェック!知床観光完全ガイド【ウトロエリア】

知床(羅臼)

日本の最東北東端に位置する知床半島の中央にそびえる知床連山を境に、東側の半分の地域を占めるのが羅臼町です。

2005年にユネスコより世界自然遺産に認定された知床国立公園を始め、周辺にはオホーツク海と太平洋の大海原が接する自然の宝庫。

自然に慣れ親しんだはずの道民が「異世界のようだ」と息を飲む、絶景の楽園です。

春に開通する日本一開通期間の短い国道「知床峠」

知床半島の西側に位置する斜里町「ウトロ」と羅臼町は、全長約24kmの国道334号線(通称「知床横断道路」)で結ばれています。

知床峠

毎年11月上旬~4月下旬までは冬期間通行止めとなることから「日本一開通期間の短い国道」とも呼ばれています。

開通後であっても気象条件によっては通行できる時間に規制がかかります(5月でも路面凍結で通行止めになったりするので注意)。

知床峠は、そんな「通れるだけでもラッキー」の知床横断道路の中間地点となる標高738mの最頂部に位置し、展望台や無料の駐車場が完備されている人気の観光地です。

車を降りると目の前には羅臼岳が迫り、展望台から羅臼側を望むとオホーツク海の向こうに国後島が見えます。

知床峠

国後島は羅臼町から根室海峡を挟んで直線距離で26kmのところにあるので、知床峠からでも肉眼ではっきりと見ることができますよ。

春は一面の新緑、夏は深みを増した緑、秋は黄色や赤に色づく紅葉と、季節ごとの自然の美しさが味わえますが、とくにおすすめなのが星空観賞。

知床峠

町から遠いので人工の光の影響を受けず、山ならではの済んだ空気により、頭上には見渡す限りの星屑が広がります。その壮大さは「天然のプラネタリウム」ともいわれるほど。

ただし、知床は8月でも平均気温が20度前後と低く、平地よりも標高が高い知床峠ではそれよりもさらに4~5℃下がるため、必ず上に羽織るものを用意しておくのがよいでしょう。

とくに夜間は冷え込みが厳しくなるので、季節を問わず温かい服装を心がけておでかけください。

羅臼湖トレッキング

少しマニアックですが、羅臼湖を見るためのトレッキングもここでは楽しめます。

羅臼湖

羅臼湖は知西別岳の麓、行程に大小4つの沼を擁する最奥の地にあります。

以前までは地元の人もなかなかたどり着けない未開の地でしたが、現在はトレッキングルートが整備されており、登山道入り口から往復約6km(3時間)の登山が楽しめます。

羅臼湖周辺は標高700m前後ながら緯度が低いため、本州中部の2,000~2,500mクラスの山に相当する環境となっており、トドマツやハイマツ、ダケカンバなど寒さに強い高山植物が多く自生しています。

また、キタキツネやエゾシカ、ヒグマなど北海道を代表する固有種の生息地であり、国の天然記念物に指定されているオジロワシの繁殖地でもあります。

高山植物やそこに息づく昆虫などをキタキツネやエゾシカが食べ、そのエゾシカをヒグマやオジロワシが食べる。そして、食べ残しや糞は土壌に返って植物たちの養分となります。

豊かな自然に暮らす動植物たちの食物連鎖は、知床が世界自然遺産に登録された理由のひとつでもあり、羅臼湖のトレッキングではこうした自然の営みを間近で感じられる絶好の機会といえるでしょう。

トレッキングルートは登山道入り口から近い順に二の沼、三の沼、四の沼、五の沼と巡っていきますが、三の沼の奥に鎮座する羅臼岳が沼に反射して映し出される「逆さ羅臼岳」は非常に絶景です。

羅臼湖

さらに奥まで進むと、手前に配置された展望デッキから、湿原に囲まれた羅臼湖の姿を一望できます。

なお、羅臼湖トレッキングはトレッキングルートがあるものの、ヒグマ対策などの安全面を考慮するのであればガイドツアーに申し込むことが環境省から推奨されています。

また、アップダウンはありませんが、ぬかるみや水たまりを進むので高低差以上に疲労します。時期によっては残雪もあり、初心者では難しいことも。

そのため、軽登山ができるくらいの体力は必要となります。不安な方はガイドに参加するのが無難です。

貴重な高山植物の保護の観点から長靴での登山が必須などルールがあるので、個人で入山するときは必ず「知床羅臼ビジターセンター」に立ち寄りましょう。

野趣あふれる秘境の露天風呂~セセキ温泉、相泊温泉、熊の湯温泉

知床半島の中央部に位置する知床硫黄山は、現在も活火山として活動をしているため、周辺には温泉が数多く湧き出しています。

羅臼市街から根室海峡の海外線を、20kmほど北上すると見えてくるのがセセキ温泉です。

セセキ温泉

セセキ温泉

明治32年に開湯した歴史ある温泉で、アイヌ語のセセク(熱い)が名前の由来とされています。

温泉といっても、岩礁にある2箇所の源泉をコンクリートや石で囲った野性味のある造りとなっていて、入浴すると目の前の大海原と一体化したような気分が味わえます。

7月~9月の期間しか入浴できず、期間中であっても満潮時には完全に海に水没して入れないという秘湯中の秘湯です。

また、70℃近い源泉が沸き出しているので、干潮時から2時間後にならないと入れません。

なお、セセキ温泉は地元の方の私有地にあり、管理も行っています。

セセキ温泉からさらに1kmほど北上した場所にあるのが相泊温泉です。

相泊温泉

相泊温泉

日本最東北東端にある温泉で、海岸を掘りだして作られた温泉からは、天気が良いと国後島がはっきりと見える絶好のロケーションです。

セセキ温泉と比べて海から離れているため、満潮時でも入浴ができます。

波が目の前まで押し寄せてくる状況での入浴という、ほかにはない貴重な体験ができるのが相泊温泉の醍醐味でしょう。

入浴期間は5月下旬~9月中旬頃となっており、夏場はブルーシートで囲われて男女の浴槽が別になっていますが、それ以外の時期は囲いが撤去されるため、ワイルドな入浴を楽しめます。

海の絶景もいいけれど山の絶景を楽しみながら温泉に浸かりたいという方は、知床峠から羅臼町に向かう知床横断道路沿いにある「熊の湯」がおすすめです。

熊の湯

熊の湯

羅臼川のほとり、知床半島の原生林に囲まれた熊の湯には、眼下の渓流のせせらぎを聞きながらお湯に浸かる男湯と周囲を板壁で囲まれた女湯があります。

露天風呂の男湯からは、季節によって緑の濃さが変わる枝葉が頭上に揺れ、秋には紅葉が色づきます。

女湯からは外の景色は見られませんが、野外の露天風呂を安心して楽しみたい場合には嬉しい配慮ですよね。

これらどこの温泉も、訪れたときは一声かけてから入るなど、マナーを守るようにしましょう。

知床観光で抑えておくべきオススメのスポットとアクティビティ【羅臼エリア】

野付・標津

根室海峡沿岸部の中央に位置し、日本有数のサケの水揚げ量を誇るサケの聖地・標津と、隣町の別海町にまたがる野付半島を有する地域です。

海に面していますが、中標津町を含めるとかなり内陸に入るため、海と陸両方のダイナミックな自然を味わえ、まさに「この世の果て」感を感じることができるエリアです。

野付半島

野付半島は知床など周辺の観光地に比べて知名度は低く残念ですが、道東の手付かずの自然を味わえる、ぜひ訪れてほしい場所の一つです。

あまりの荒涼としたさまは「この世の果て」といわれるほどです。

しかし、北海道広しといえども、野付半島のような絶景を見られる場所は他にはないでしょう。

野付半島は全長約26キロメートルもある日本最大の砂嘴(さし)でできた半島です。

野付半島の地図

半島には砂浜、森林、海岸草原性湿地、塩性湿地、高層湿原などさまざまな植生が広がるため、多様で独特な自然環境が見られます。

そして、野付半島は北海道遺産に選定されていて、次世代に残したい北海道民の宝物として選ばれています。

定番の見どころといえば、ナラワラとトドワラです。

ナラワラとは、ミズナラなど広葉樹が立ち枯れたものをいい、幻想的な光景が広がっています。

ナラワラ

幻想的なナラワラの光景

そして、野付半島ネイチャーセンターの遊歩道を歩いていくとトドワラを見ることができます。

トドワラとはトドマツの原っぱという意味で、かつてはトドマツやエゾマツなどの原生林が広がっていました。

しかし、地盤沈下によって海水が浸食して、立ち枯れした木々の森となりました。その枯れ木も風化によって少なくなっていて、いずれこの景色は見られなくなるといわれています。

遊歩道を進んでいくと桟橋が現れ、まさに「この世の果て」感を間近で感じることができます。

野付半島のトドワラ

トドワラ

野付半島

こうした観光スポットに立ち寄るだけでなく、両サイドを海に囲まれた野付半島はただ車で走っているだけで息を呑むような絶景に出会うことができます。

第二しべつ展望パーキングから見る知床連山

第二しべつ展望パーキングから見る知床連山

野付半島は動物も数多く生息していて、エゾシカやキタキツネ、ヤチネズミなどが生息していて、半島周辺の海ではゴマフアザラシやイルカ、ミンククジラなどを見ることができます。

特にエゾシカは必ずと言っていいほど野付半島に行くと見られますので、北海道らしい自然を求めている方にはぴったりの場所といえます。

野付半島のエゾシカ

知床連山を背景にエゾシカ

絶景すぎる野付半島・尾岱沼で訪れるべきおすすめ観光スポットを紹介します!

おとぎ話の世界観が味わえる果ての地~走古丹

走古丹(はしりこたん)とは、根室半島の付け根にある風連湖と、根室半島の北側にある根室湾を分ける砂州を指します。

先端に向かう一本道は通称「ハマナスロード」と呼ばれており、夏になると赤紫色の鮮やかな花が道を彩ります。

秋にはススキで覆われた一面がやわらかな日の光を浴び、穂先がキラキラと風に揺れる幻想的な風景となるなど、季節によってさまざまな表情を見せてくれます。

また、左手の海側には、「三匹の子ぶたの家」と呼ばれている現在は使われていない朽ちた番屋が3軒並んでいて、緑の草原に赤いトタンの壁、奥には青い海と空が広がっている景色は、おとぎ話に入り込んでしまったような光景と、近年はインスタ映えスポットとして人気です。

走古丹

三匹の子ぶたの家

走古丹の先端手前まで道路は続いており、車を降りてからは徒歩でその先に進めます。

先端からは根室湾に突き出るもうひとつの砂州である春国岱が1km先に見えますが、周囲に観光施設などはありません。

なお、走古丹の先端への道は早朝と夜間、悪天候時はゲートが封鎖されるので注意してください。

地球は丸い!を大地で実感!~開陽台

「中標津には観光地がない」なんて言われますが、開陽台は立派な絶景観光スポットです。

開陽台は中標津町市街地から、車で15分の場所にある標高271mの台地です。

開陽台

西側には東京ドーム100個分の敷地面積を擁する開陽台牧場、南側は根釧平野を一望と、この辺りは酪農地帯が広がるため見渡す限りの大地が広がる風景は「緑のじゅうたんを敷いたみたい」と称されることも。

開陽台にある展望台からは周囲330度の眺望を楽しめ、「地球は丸い」ことを実感できます

水平線が丸く見える観光スポットは多いですが、地平線が丸く見える場所は多くないので、貴重な体験ができるでしょう。

また、開陽台周辺は町の光の影響を受けにくいため、星空観測にも最適です。初夏は真上に輝く天の川、夏から秋にかけては流星群が多く見られ、圧巻の星空を楽しめますよ。

北海道ツーリングに欠かせないライダー定番のスポット~ミルクロード

中標津町から開陽台へと向かう道路は、周辺に牧場が多い土地柄、牛乳を運ぶタンクローリーが多く走ることから、総称でミルクロードと呼ばれています。

ミルクロード

なかでも、開陽台の東側を走る町道北19道路は、丘陵地ならではのアップダウンの起伏と、信号のない道路が6kmも続く絶好のロケーション。

インスタ映えという言葉すらなかった時代から、北海道外から訪れるライダーが先ほどの開陽台と合わせて「必ず訪れたい場所」と名前をあげる憧れの聖地でもあります。

季節や時間を問わず美しい景色が見られますが、濃い緑と真っ青な空のコントラストが目に眩しい夏の時期や、朝焼けに照らされる紅葉シーズンは絶景中の絶景です。

根室

北海道の最東端に位置し、夏でも最高気温が20℃に届かない冷涼な気候が特色のエリアです。

平地でありながら高山地域と似た気候であり、海霧の発生によって根室独特の自然を形成しているといわれています。

朝日に一番近い場所~納沙布岬

納沙布岬

根室半島の最東端にある岬で、本土最東端でもあるため、日本で一番早く朝日が登る場所として有名です。

それゆえに毎年元日には初日の出を拝もうと、全国から多くの観光客が訪れます。

納沙布岬の先端には、明治5年に建てられた北海道最古の灯台である「納沙布岬灯台」があります。昭和5年に改築されたコンクリート造の白い灯台が、澄んだ空の青さと深い海の青さに映える絶好の撮影スポットとなっています。

納沙布岬

納沙布岬の朝日

また、納沙布岬からは歯舞群島が肉眼でも見え、最も近い貝殻島までは3.7kmしかありません。晴れた日には同じ歯舞群島に所属する水晶島や、国後島も見えます。

異国感漂う北海道随一の秘境岬~落石岬

落石岬は根室半島から太平洋に突き出している岬で、環境保全地域のため車で行けず、途中にあるゲート付近に車を停めて灯台までは歩いて向かいます。

落石岬

海から見ると高さ約50mの海食崖ですが、駐車場から灯台へと向かう木道は草原や湿原、林に囲まれており、高さを感じません。

日本では落石岬でしか見られない国の天然記念物「サカイツヅジ」の自生地のため、5~6月になると紫色の綺麗な花畑が見られます。

鬱蒼とした森を抜けると、視界に広がるのは緑の草地と青い空、そして赤と白のコントラストが目を引く灯台のみですが、夏の時期に毎日のように発生する海霧が、苔むしたアカエゾマツから顔を覗かせるエゾシカの群れを幻想的に見せ、これらの風景はまるで「ヨーロッパのよう」と例えられます。

太古の自然が手つかずで残る奇跡の島~春国岱

風連湖と根室湾を区切るように伸びている細長い砂州が春国岱(しゅんくにたい)です。

春国岱

風連湖・春国岱は2005年にラムサール条約に登録されており、周辺一体が自然豊かな場所ですが、なかでも春国岱には山と渓谷を除いた北海道のすべての自然があるといわれています。

砂でできた島でありながら、樹林帯や草原、湿地、沼や川そして湖と、多様な自然環境が海岸に存在するため、春国岱を住処にする数多くの生きものたちを見ることができます。

春国岱

とくに野鳥は260種類を超える数が記録されていて、日本全国から多くの人がバードウォッチングに訪れます。

また、第一砂丘には国内最大級のハマナスの群生地があり、こちらも訪れた人を楽しませてくれます。鳥と花の両方を観察するなら、ベストシーズンは初夏から夏にかけてになります。

ただし、夏の春国岱は蚊が大量に発生するため、長袖長ズボンや帽子を着用して肌の露出を避け、虫よけスプレーを使って万全の状態で散策するようにしましょう。

釧路

17万人の人口を擁する道東最大の都市であり、北海道の三大工場都市のひとつでもあるため、自然のイメージが浮かばないといわれているのが釧路エリアです。

しかし実際には、釧路湿原や阿寒国立公園を始め、雄阿寒岳・雌阿寒岳などの火山帯、太平洋に面した地形など多くの自然に恵まれています。

釧路湿原内を蛇行する釧路川が一望できる~細岡展望台

細岡展望台からの釧路湿原

細岡展望台から見る広大な釧路湿原

日本最大の湿地帯でラムサール条約に登録されている釧路湿原の東にあり、釧路湿原全体が一望できるスケール感から、別名「大観望」と呼ばれています。

細岡展望台からは、目の前で大きくうねりながら釧路湿原内を流れる釧路川、その向こうには宮島岬とキラコタン岬が見えます。

湿原なのにどうして岬があるのか不思議ですが、釧路湿原は6000年前まで浅瀬の海だった時代があり、宮島岬とキラコタン岬は当時からそこが岬であったからです。

天候が良ければ、釧路湿原の果てにそびえる雄阿寒岳と雌阿寒岳、さらには摩周岳などの山岳地帯まで見渡すことができ、270度パノラマの釧路湿原を堪能できます。

なかでもおすすめなのは、午後から夕方の時間にかけて日が傾くタイミング。オレンジや赤、紫など刻一刻と空の色が変化し、暗くなるにつれて阿寒連峰や木々がシルエットになって釧路湿原に闇がにじんできます。

細岡展望台

一方で、釧路川の流れには地平線に沈む太陽の光が反射し、キラキラと眩しく輝きます。

両者のコントラストは息を飲むほど美しく、夕日を見るために細岡展望台を訪れる人が大勢います。

アフリカサバンナを感じる広大な大地に感動~サテライト展望台

サテライト展望台とは、釧路市湿原展望台にある釧路湿原展望遊歩道を通って行ける展望台です。

ここでは釧路湿原展望台ではなく、わざわざ遊歩道を歩いていくサテライト展望台をおすすめします。それは、釧路市湿原展望台から釧路湿原を見渡すと手前の木々が視界を邪魔をしてしまうからです。

遊歩道といっても木で整備されており、左回りのコースは階段や吊り橋がありますが、右回りのコースを選ぶと平坦な道が続いているので誰でも気軽に散策ができます。

15~20分ほど歩いて辿り着くサテライト展望台は、開けた視界一面に釧路湿原が広がり、夏の青々とした湿地はサバンナの雨期、黄葉が大地を染める秋の湿地はサバンナの雨期のようです。

サテライト展望台

視界を遮るものはなく、展望台のどこから見ても雄大な景色が眺められますが、実は見えている釧路湿原は全体の半分程度でしかありません。

それを知った上で訪れてみると、改めて釧路湿原の広さを感じられるでしょう。

北海道を代表するタンチョウの最大生息地~コッタロ湿原展望台

釧路湿原の北東に位置にあるコッタロ湿原は、キタヨシとスゲで構成される低層湿原です。

アイヌ語の「水が沸くところ」という意味が地名となっているように、湿原内を流れるコッタロ川や大小の沼が多く見られる水の豊かな場所で、展望台からの景色は他の湿原とは異なった美しい景色が広がります。

コッタロ湿原展望台

釧路湿原のなかでも原始の姿を多く留めており、野生動物が多くやってくる場所としても知られています。

展望台に向かうドライブ中でも、エゾシカやキタキツネ、シマリスなどたくさんの動物を目にするチャンスがあります。

展望台からは、コッタロ湿原を営巣地としているタンチョウやアオサギなどの野鳥の観察が行えるので、ぜひこうした野鳥を探してみましょう。

コッタロ湿原展望台

ただし、少し急な坂や階段を登らなくてはならないため、体力がない方や高齢の方は注意が必要です。

大海原と草原が視界に広がる知られざる秘境スポット~尻羽岬

尻羽岬(しれぱみさき)は、釧路町にある厚岸湾に突き出た岬で、北海道民にもあまり名が知られてない秘境です。

尻羽岬

視界を遮る人工物が建っておらず、人があまり訪れない場所のため、草原から断崖、太平洋へと続く景色をひとり占めできます。

尻羽岬

また、先端付近から海を見下ろしてみましょう。そこには鳥居が立つ帆掛岩と呼ばれる奇岩があります。

尻羽岬

帆掛岩には船で逃げていた義経が猛吹雪で座礁後、よじ登った崖で石像になり岩が船の形になったという伝説があるので、本当に船に見えるか確認するのも楽しみ方のひとつでしょう。

そして、そんな伝説が残る奇岩の周辺では、運が良ければ一休みするゼニガタアザラシの姿が見られることもあるそうですよ。

なお、長い砂利道を車で走ったあと、駐車場に車を停めてからは人が踏み倒してできた道を進む必要があります。岬の先端までは柵や街灯はないため、雨天や日没後、強風時などは避けて散策してください。

釧路湿原をゆったり川下り!自然に溶け込む~カヌー体験

釧路でのカヌー体験は、国立公園に指定されている釧路湿原を流れる釧路川を下るルートで、観光客に人気です。

カヌー

釧路湿原の中を流れる釧路川は、本流に1か所もダムが無く、源流から河口の釧路港までカヌーで下ることができるため、カヌーの聖地と呼ばれています。

塘路湖から細岡展望台のある細岡までのコースが最もメジャーで、のんびりと釧路湿原の中を下ることができます。

釧路湿原

タンチョウやエゾシカ、キタキツネなどの野生動物やカワセミやヤマセミ、オシドリといった野鳥も運が良ければ見ることもできます。

釧路川のカヌー下り

鳥のさえずりと水をかくパドルの音だけが耳に届くなか、川面には自然が織りなす景色や青い空と白い雲が映り、タイミングが合えば湿原を走る観光列車ノロッコ号の姿を楽しめます。

釧路湿原のカヌー体験は通年を通して開催されていて、どの季節も見える景色が違うので魅力的です。

動物に会いたいのであれば朝か夕方がおすすめ。

夏は観光の繁忙期でカヌーは特に人気なので、早くに予約するのがいいでしょう。

特別天然記念物マリモを育む豊かな自然環境~阿寒湖エリア

釧路市北部に位置し、マリモの繁殖で知られる阿寒湖の正式名称は阿寒摩周国立公園です。

阿寒摩周国立公園には阿寒湖、摩周湖、屈斜路湖、神の子沼など1市10町に跨る広範囲が含まれますが、その9割が未開発地域という手つかずの自然が多く残っており、周辺には雄阿寒岳や雌阿寒岳、硫黄山などの火山も多く、北海道らしい雄大さを感じられるエリアになります。

阿寒湖

遊覧船乗り場

見どころはたくさんありますが、阿寒湖畔エコミュージアムセンターからまりもの里桟橋までは、ボッケ遊歩道と呼ばれる阿寒の自然を満喫できるスポットがあります。

遊歩道はエゾマツやトドマツなどの針葉高木や、阿寒湖畔の景色を眺めながらの散策ができるのですが、なかでも見どころのひとつにスポット名にも含まれるボッケがあります。

ボッケとは、アイヌ語の「煮えたつ」が由来となっており、地下から蒸気や火山ガスが泥と一緒に吹き出す現象を指すもの。ボコボコと音を立てながら膜が破裂する様子は、見た目は地味ですが、ほかではなかなか見られない貴重な体験となるでしょう。

ボッケ

阿寒湖温泉街から車で20分ほどの場所にある「オンネトー」も必見の価値ある場所です。

別名「五色沼」と呼ばれ、訪れる季節や時間によって湖面の色を変える神秘の沼として知られています。

オンネトー

エメラルドグリーンのオンネトー

深い青、澄んだ青、エメラルドグリーンと変化する色は、「オンネトーブルー」と称されています。

散策をするなら湖面が凪の状態が多く、鏡のようになって周辺の景色を映し出す午前中がおすすめ。

逆さの雄阿寒岳や阿寒富士の姿も圧巻ですが、秋になると紅葉した木々が湖面を境にシンメトリーに浮かび上がり、さながら一枚の絵画のような美しさを見せてくれます。 

雄大な景色を眺め、マリモの生態も学べる「阿寒観光汽船」

阿寒湖を湖上から楽しむことができるのが、阿寒観光汽船の遊覧船です。

遊覧船

景勝地の滝口を巡り、チュウルイ島の「マリモ展示観察センター」での見学を含む、阿寒湖一周約85分のクルーズですが、マリモだけでなく、雄阿寒岳などの阿寒湖周辺のダイナミックな自然も間近に感じれられるのもポイントです。

阿寒湖遊覧船

【動と静】異なる2つの美しさ~太郎湖・次郎湖

太郎湖と次郎湖はガイドブックなどには紹介されていることは少ないので聞いたことがない人も多いかと思いますが、湖畔の美しいフィールドを歩く楽しさを感じられるおすすめの場所です。

阿寒湖温泉街から車で5分ほどの場所に雄阿寒岳の登山口があります。

雄阿寒岳登山口

阿寒湖東部にある雄阿寒岳登山道入口から、徒歩で10分ほど進むと見えてくるのが太郎湖です。

太郎湖

太郎湖

さらにそこから10分歩くと次郎湖に到着します。

次郎湖

次郎湖

どちらも500~700mほどの小さな湖で、一見すると同じように見えますが、太郎湖には阿寒湖の湖水が流れ込んでおり、鯉などの淡水魚が棲んでいるため、じっと見ていると湖面に動きを感じます。

一方の次郎湖は湧水が溜まってできた湖で、周囲を林で囲まれており、静寂さが際立ちます。

太郎湖と次郎湖の両者をよく観察してみると、それぞれの良さや美しさを味わえるでしょう。

次郎湖まで行くのはやや大変で、辿り着くまでに登山口から2〜30分ほど歩きます。

また、道が細い場所もあり、ぬかるんでいるところも多いので、歩きやすい靴や汚れてもいい格好で行くようにしましょう。

アップダウンはあまりありませんが、あくまで登山道にはなるので無理のないように行くことをおすすめします。

そしてできれば熊鈴などのクマ対策も忘れずに。

唯一無二の湖が連なる奇観~双湖台

双湖台は、阿寒湖から弟子屈町へと抜ける国道241号(阿寒横断道路)の途中にあるので、屈斜路湖や摩周湖のほうに行くのであればついでに立ち寄ってみるとよいでしょう。

双湖台

展望スペースから見下ろすと、エゾマツなどの高木が茂る樹海のなかに、北海道の形に似た「ペンケトー」とその奥に「パンケトー」の2つの湖が見えます(パンケトーはほぼ見えませんが)。

双湖台の所以となった2つの湖は、実は太古は1つの大きな湖としてありましたが、雄阿寒岳の噴火によって土砂でせき止められ、阿寒湖を含む3つの湖に分かれました。

この3つの湖は今も川でつながっており、阿寒湖から阿寒川へと流れています。

なお、「パンケトー」は、「ペンケトー」よりも大きい湖なのですが、観光シーズンの時期は周辺の木が生い茂っているため、姿はほとんどわかりません。そのため、幻の湖とも呼ばれています。

2つの湖は立ち入りが制限されており、気軽に目視できるのは双湖台からのみなのです。

その姿はまるで長く連れ添った夫婦のよう~双岳台

双岳台も、阿寒湖から弟子屈町へと抜ける国道241号(阿寒横断道路)の途中にあり、双湖台から5分ほど走らせると見えてくるので、ぜひ立ち寄りましょう。

双岳の名のとおり、手前に広がる原生林の向こうには雄阿寒岳がそびえ立ち、奥には雌阿寒岳の姿を一望できます

双岳台

手前が雄阿寒岳、奥が雌阿寒岳

雄阿寒岳はアイヌ語で男の山という意味のピンネシリ、雌阿寒岳はアイヌ語の女の山の意味があるポンマチネシリが由来となっており、2つ合わせて夫婦岳とも呼ばれています。

猛々しい山容で男性的な雄阿寒岳と、山裾がなだらかなものの、標高は雄阿寒岳よりも高く、今も噴煙を上げる雌阿寒岳(※2つとも活火山です)。2つの山を夫婦と思って眺めてみると、また違った面白さがありますよ。

大地の鼓動が体感できる~白湯山 

阿寒湖温泉街から車で5分ほどの場所に阿寒湖畔スキー場があります。

冬の間はスキー場のゲレンデになっているのですが、雪がない期間は、阿寒湖畔スキー場の中腹からスタートする「白湯自然探勝路」から山頂を目指して軽い登山が楽しめるのです。

標高950mの山ですが、展望台がある場所までは標高815mあり、そこから見渡す阿寒湖と雄阿寒岳は絶景です。

白湯山

スキー場は拓けた草原を歩きますが、白湯自然探勝路に一歩足を踏み入れると、視界は一遍します。

森のなかを進むと温泉が流れる川があったり、ボッケと呼ばれる地下から上がった火山ガスが泥と一緒に吹き出す現象が見られ、地球のエネルギーを肌で感じられますよ。

展望台からは雄阿寒岳と阿寒湖が一望できるほか、白龍神王が祀られている祠があることから、近年パワースポットとして人気が高まっているヤイタイ島も望むことができます。

登頂まで1時間はかからないくらいですが、ゲレンデ部分はそれなりの傾斜なので時間や体力にゆとりがある方におすすめです。

摩周・屈斜路エリア

世界2位の透明度を誇る摩周湖と、日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖を擁するエリアで、阿寒摩周国立公園の東側の半分を占める巨大なカルデラの地形と併せて、日本屈指の特殊な景観を成しています。

摩周湖第一展望台、摩周湖第三展望台

アイヌ語で「カムイトー(神の湖)」の名を持つ摩周湖

最大水深212mのカルデラ湖である摩周湖は、世界レベルの透明度を誇り、湖面の深い青色は「摩周ブルー」と呼ばれています。

摩周湖を見るのであれば第一展望台が最もメジャーであり、レストハウスでお土産を購入することもできます。

摩周湖第一展望台

2022年には「摩周湖カムイテラス」が新たにオープンして、オリジナルの摩周ブルーソフトや摩周霧ソフトを味わいながら、神秘的な摩周湖の景色を楽しめます。

摩周湖カムイテラス

ここではその美しい絶景から、星空観察会やフォトウエディングなども行われています。

「第三展望台」は、第一展望台より標高が高い位置にあるため、摩周湖のほぼ中央に浮かぶカムイシュ島を眼下に迫力ある景色が楽しめます。

摩周湖第三展望台
摩周湖第三展望台

摩周湖を背に向けると、硫黄山や藻琴山を臨むことができます。こちらも忘れずに見ておきましょう。

摩周湖第三展望台

個人的には第一よりも第三展望台のほうが断崖を望むことができ、北海道の絶景らしい風景を感じることができるので、おすすめです。

日本で一番噴気孔に近い場所~硫黄山

摩周湖から国道52号を屈斜路湖へ25分ほど進むと、至るところから噴煙が吹き出す黒々しい山が見えてきます。

硫黄山

噴煙が立ち上がる硫黄山

アイヌ語で「アトサヌプリ(裸の山)」の意味を持つその山は、地元民からは硫黄山と呼ばれ、その名のとおり硫黄の独特の匂いが一体に漂わせています。

砂利道を歩いて白煙が吹き出る噴気孔のそばまで近づけるため、地球の蠢きをよりダイナミックに感じられます。

剥き出しの山肌に自然の力強さを感じる一方で、麓にはエゾイソツヅジの群生地があり、6~7月にかけて可憐な白い花を咲かせます。

秋になると紅葉が見事な場所もありますが、どちらも落石のため一般の立ち入り禁止となっています。ただし、ツアーに参加すると観光が可能となっていますよ。

秋から冬の期間には硫黄山のライトアップが行われており、日中に見る景色とはまた違った姿が楽しめます。

硫黄山

ライトアップされた硫黄山

セルフ露天風呂から眺める屈斜路湖は至高の贅沢~砂湯

屈斜路湖は日本のみならず世界でも有数の広さを持つカルデラ湖で、どこから見てもコバルトブルーの湖水が美しい人気の観光地です。

 

しかも、湖畔の砂浜を掘ると温泉が出るので、好きな場所に自分で露天風呂が作れてしまう珍しい場所でもあります。

周辺が火山地帯のため、砂浜の下の水が常に温められた状態となっているのが、湖畔で砂湯を楽しめる理由です。また、屈斜路湖は淡水なので海水のようにべたつかず、気持ち良く入れるのも人気に一役買っています。

しかし、実際には体が浸かれるほど穴を掘れる人は少なく、途中で断念してしまうのだとか。その場合でもスワンボートの乗り場近くに無料の足湯があるので、膝まで温泉に浸かりながら屈斜路湖を眺めることができます。

日本一のカルデラ湖の絶景を違う角度から味わい尽くす~美幌峠、津別峠

美しすぎる美幌峠

屈斜路湖を囲むようにある外輪山には、それぞれ異なる魅力を持つ美幌峠と津別峠があります。

美幌峠は標高525mに美幌峠展望台があり、展望台に隣接して「ぐるっとパノラマ美幌峠」という道の駅もあります。

展望台までの道は道幅が広く、カーブもそこまできつくないので走りやすく、眼下に見える屈斜路湖を楽しみながらのドライブができるでしょう。

峠の頂上からは、ぽっかりと中島が浮かぶ屈斜路湖を上から眺められ、天気が良い日には硫黄山や知床連山も肉眼で確認できます。

その景色はまさに絶景。

美幌峠

これに対し、津別峠は外輪山では最も標高が高く、津別峠展望施設がある場所は標高947mとなります。道中は道幅が狭く、くねくねとカーブが多いので、道中に景色を楽しむ余裕はそこまでないでしょう。

しかし、辿り着いた先からは、日本一大きい屈斜路湖を包み込むように続く阿寒連峰の稜線と、その奥の雄大なオホーツク海まで一望できます。

さらに、どちらも春から秋にかけての早朝は、雲海が見られる絶好のポイントです。

美幌峠の場合、屈斜路湖の湖上に雲海ができると雲海を間近で見られますが、埋もれてしまうと景色は楽しめません。

津別峠からの雲海

一方で、津別峠で見られる雲海は、太平洋沿岸で発生した海霧が風に運ばれたもの。

気象条件によっては、遠くの山頂を残して周囲が雲に飲み込まれ、地平線まで続く大雲海が広がる絶景になります。

また、津別峠のほうが標高は高いため、雲海を見られる可能性は高くなります。

自然が織りなす神秘の青~神の子池

斜里郡清里町南部の森林にある池で、アイヌ語で「神の湖」という意味を持つ摩周湖(カムイトー)が水源といわれているため、この名前がつけられました。

摩周湖からの伏流水は透き通っていますが、池の底には白い砂があるため、水面はコバルトブルーの鮮やかな色に輝いています。

神の子池

また、一年を通して水温が8℃前後に保たれているので、池に落ちた木は腐らず、いつまでもその姿のまま。理屈はわかっていても、この池が神の子と呼ばれる所以を感じてしまいますよね。

池自体の美しさもさることながら、なかをよく観察してみると体長20cmほどの魚が泳いでいます。

正体はオショロコマという、日本では北海道でしか見られない貴重な種類。

景色と併せて目を楽しませてくれます。

展望台からの北海道らしい広大な景色が見られる「900草原」

900草原

弟子屈町の小高い丘にある900草原(きゅうまるまるそうげん)」。総面積1,440ヘクタールの広さを誇る町営牧場です。

放牧草地が930ヘクタールあることから、900草原と名付けられました。

360°見渡せる展望台からは、1000頭以上の牛が草を食む牧草地や弟子屈町を一望できるほか、摩周岳や硫黄山、藻琴山を遠くに望むことができます。

また天気が良ければ、雄阿寒岳と雌阿寒岳を眺めることも。敷地内にはパークゴルフ場とレストハウスが併設されています。

展望台には年間を通して行くことはできますが、レストハウスがオープンしているのは5月~10月までなので、春の道東巡りのついでに訪れてみるのをおすすめします。

絶景と温泉が最高!摩周湖・川湯温泉・屈斜路湖の観光完全ガイド

厚岸・浜中エリア

北海道らしい雄大な自然が楽しめるエリアですが、太平洋に面した海岸線が長く続き、夏でも冷涼で過ごしやすい気候と霧の発生が多いため、感傷的な気分にも浸れるエリアです。 

イメージとは違うギャップのある景色が魅力~愛冠岬

愛冠岬からの景色

愛冠岬からの景色は絶景

愛冠岬は「あいかっぷみさき」と読みますが、まったくラブの意味はありません。

アイヌ語のアイカップ(矢の上のもの)が由来となっており、「できない」「届かない」という意味がある地名ですが、そこから転じて「できそうもない困難を乗り越え愛の栄冠を得る」との思いで名づけられています。

厚岸湾に突き出すようにある岬の先端には、想いを叶える鐘「愛の鐘ベルアーチ」が設置されており、名称と相まって恋人たちに人気の観光地となっています。

愛冠岬

しかし、ロマンティックな名前とは裏腹に、愛冠岬から望む景色は勇壮で荒々しさを感じる一面も。

愛冠岬

80mの断崖絶壁からは、コシジロウウミツバメやエトピリカなどの海鳥の繁殖地として知られる大黒島を眼下に望み、左側に見える筑紫恋海岸線は30~40mの崖が続いてまさに絶景です。 

崖を伝うのは恋しい人の名前を呼び続ける乙女の涙~涙岬

浜中町の西南端、厚岸町との境界付近にある岬で、笹に覆われた道有林を進んだ先にあります。

数10mの断崖が続く景勝で、轟轟と音を立てて荒く削られた岩肌に打ち付ける波は、見ているだけで迫力があります。

絶景の涙岬

絶景の涙岬

涙岬の地名は、波をかぶるとまるで涙を流している乙女のように見える岩に由来しています。そのむかし、娘に会うために厚岸から船で出た若者が岬で座礁してしまい、それを知った娘は泣きながら若者の名前を叫び続け、やがて岩になったという言い伝えによるもの。

さらに、涙岬から左にある立岩は、泣いている娘に近づこうとする若者の姿にも見えるとされています。

涙岬

岬の先端に向かう途中には立岩に向かうルートもありますが、涙岬からも立岩を望むことができ、嵐の夜は娘のすすり泣く声と、若者の叫び声が風と混じって聞こえるといわれています。

漁場を求めて競い合う漁師たちの熱い戦いが見られる特等席~アゼチ岬

根室市と厚岸町の間にある霧多布半島の西側の端にある岬で、琵琶瀬湾に突き出た形をしています。

アゼチの岬

岬からは浜中町で動物王国を作った作家のムツゴロウさんが最初に移住をした隆起海食性台地の嶮暮帰島や、浜中湾の海岸線など風光明媚な景色が広がります。

西にあるため夕日が有名な場所ですが、夏の早朝に繰り広げられるコンブ漁の出航は、アゼチ岬ならではで一見の価値があると思いますので、早起きできる人はぜひ見てみてください。

絶滅危惧種の野生ラッコに出会える~霧多布岬

アゼチ岬の反対側、霧多布半島の東に位置する霧多布岬(きりたっぷみさき)は、正式名称を「湯沸(とうぶつ)岬」といいます。

霧多布岬

海岸線は荒立った太平洋の波に浸食されて標高40~60mの断崖絶壁となっており、そこはまさに絶景。

霧多布岬

また、運がよければトッカリ(アザラシ)を見ることができることもできるため、別名トッカリ岬とも呼ばれていますが、近年は野生のラッコの生息地として有名になり、現在は親子を含む十数頭が確認されています。

相手は野生のため、行けば必ず100%出会えるとは限りませんが、母親や子どもをお腹に乗せて水面をプカプカと浮いていたり、両足のひれをかいてくるくると水中を回る姿を見に、連日観光客が立ち寄っています。

なお、遊歩道や岬の先端からは、ラッコの姿は肉眼でなんとか確認できるものの小さくしか見えないので、しっかりと観察するなら双眼鏡を用意していくのがよいでしょう。

今はすっかりラッコで有名な霧多布岬ですが、7月になるとエゾカンゾウやアヤメの群落が見事に花を咲かせます。

湯沸灯台の付近には霧多布岬キャンプ場があり、6月から10月の間は絶景を眺めながらキャンプができるので、花や夕日、星空鑑賞なども楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか。

霧多布岬キャンプ場

夕日が美しい霧多布岬キャンプ場

黄金色の湿地に流れる川面に息を飲む~琵琶瀬展望台

琵琶瀬(びわせ)展望台は厚岸町から霧多布岬までの道道123号線沿いにあり、国内5位の面積を誇る霧多布湿原を見渡す高台にあります。琵琶瀬展望台からの景色

北側は湿原内を蛇行する琵琶瀬川、南側は太平洋の大海原と、360度のパノラマが視界に広がります。

観光シーズンの春から秋にかけては、美しい緑の湿原に300種類もの花が咲く様子から「花の湿原」とも呼ばれる霧多布湿原ですが、海霧が発生しやすいタイミングのため、展望台からは真っ白で何も見えない可能性もあります。

一方、9月は晴れ間が多い時期になり、とくに秋が深まる10~11月は、黄金色の湿原を蛇行する川の水面や鉛色の空の景色が、北海道とは思えないような異国感のある雰囲気を纏います。

冬の琵琶瀬展望台からの霧多布湿原

黄金色の湿原

青々とした湿原も綺麗ですが、秋に訪れる琵琶瀬展望台はほかではなかなか見られない絶景が味わえます。

絶景だらけの厚岸で絶対に行くべきおすすめ観光地を詳しく紹介!

霧多布湿原や霧多布岬など絶景が集まる浜中町で訪れるべき観光スポット

網走

オホーツク海を始め、サロマ湖や能取湖、網走湖など海や湖を原点とした自然の美しさを感じられるエリアですが、丘陵地や山林も多く、訪ねる場所によってさまざまな景色を楽しめます。 

「恋する灯台」に認定!100年前に建てられたモダンな灯台に会いに行く旅~能取岬

能取岬

網走市の北側にある能取湖の東側からオホーツク海に突き出した岬で、西には能取湖、東には知床連山、そして真正面の北には美しいオホーツクの大海原が広がっています。

能取岬

岬の先端には灯台と管理事務所しかありませんが、この灯台こそが能取岬へ行くひとつの大きな理由になります。

能取岬はそこに行くことが旅の目的となるような魅力があるとして、2019年に「恋する灯台」に認定されています。

白と黒の縞模様で八角形をしている灯台は、1917年(大正時代)に建てられたもので、当時のモダンで洗練されたデザインが反映されています。

能取岬

また、周辺の一部は牧場(網走市営美岬牧場)となっており、5月から10月にかけては牛や馬が放牧され、広い海と空を背景に草原をのどかに闊歩する姿や、北海道らしい牧歌的な風景には欠かせない牧草ロールが点在する光景が見られますよ。 

季節や時間によって風景が変わる~メルヘンの丘

女満別から網走に向かう国道39号線沿いの田園地帯をひたすら進むと、7本のカラマツが並んで立つ小高い丘が見えてきます。ここが通称「メルヘンの丘」と呼ばれる場所で、まるで童話の世界に迷い込んだような世界観が味わえると、撮影スポットとして人気です。

丘の稜線上に間隔を開けて立つカラマツの目の前には畑が広がっており、春は小麦の葉の眩しい緑、夏はじゃがいもの白い花、秋は小麦の穂が黄金色に輝き、季節によって異なる風景を見せてくれます。

メルヘンの丘

季節によって見られる光景が異なります

晩秋にはすべての収穫が終わりますが、来年の種まきのための畝(うね)が作られており、何も植えられていない畑とカラマツの景色も味わい深く、思わずシャッターを押してしまいたくなる光景です。

また、晴れた日中の撮影では背景の澄んだ青空と遠くの山並みが映えますが、夕暮れになると空が茜色になり、影となったカラマツが幻想的な雰囲気へと誘ってくれますよ。

いつ来ても、いつ撮っても絵になる。「メルヘンの丘」は一年を通じて通い詰めたい名所といえるでしょう。

公園全体がピンク色に染まる芝桜の映えスポット「東藻琴芝桜公園」

5月に網走に行くのであれば、30分ほどで行ける「東藻琴芝桜公園」で一面に咲く芝桜を見ることをおすすめします。

東藻琴芝桜公園

大空町東藻琴にある「東藻琴芝桜公園」は、10ヘクタールもの広大な敷地一面に芝桜が植えられた芝桜の名所で、今やかなり人気のスポットとなっています。

ひがしもこと芝桜公園

5月〜6月上旬には芝桜が満開になり、公園の斜面はピンク色に染まります。

一面ピンクの様子はまさに「映えスポット」で、今ではSNSでアップしている人がたくさんいます。

東藻琴

園内には、展望台やピンク色の鳥居がある「山津見神社」など見どころがたくさんあります。

また、キャンプ場や釣り堀、ゴーカートコース、温泉、足湯などがあり1日中楽しめる場所です。

開花状況をホームページから確認して行くのがおすすめです。

網走でとりあえず行くべき定番観光スポットをすべて紹介!

道東は冬もとてもおすすめ!

道東はとにかく絶景スポットが多すぎます。

ここで紹介したものがすべてではなく、道東は車で走っているだけでもそこら中に絶景があるのです。

これらの場所をすべて周ることは難しいですが、計画している旅の途中に寄れそうな場所があればぜひ天気のいい日に立ち寄ってみてください。

今回は春から秋の絶景を紹介しましたが、冬は晴れる日が多くさらに美しい景色を見ることができます。

冬に道東に来る予定のある方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

絶景だらけの冬の道東観光ガイド!在住者が教える本当に楽しむコツと注意点

最高の旅になりますように!